航空機の仕組みを口述する:エンジンの異常燃焼
航空機のエンジンは、自動車のエンジンと比べて不調になりやすい運用状態となるのが日常的です。離陸時にはエンジン出力をいつも最大に上げますし、高高度では空気が薄い中での運用となります。エンジンの構造が複雑になればなるほど、その操作には慎重に行わねばなりません。自分が実地試験で登場する機体のエンジンについては、その運用方法を充分に理解しておく必要があります。
〇プレイグニッションの原因
〇オーバーブーストの原因
◎ターボチャージャー付きエンジンのオーバーブースト
航空機のエンジン使用について、まず全ての操縦士が機体製造メーカーの推奨内容に従わねばなりません。例えば、エンジンの油圧と油温は、常に正常範囲内に維持することが求められます。適正なオクタン価の燃料を使用するのは当然です。
When using aircraft engines, all pilots must first follow the recommendations of the aircraft manufacturer. For example, engine oil pressure and oil temperature must always be maintained within normal ranges. It is natural to use fuel with the right octane number.
エンジンのプレイグニッションは、燃料ー空気混合物が早すぎるタイミングで発火する時に発生します。極端な事例では、これが原因で短時間のうちにエンジンに深刻なダメージをもたらします。プレイグニッションは、シリンダー内にホットスポットが残存することが原因です。ホットスポットとなり得るものには、点火プラグ表面の小さな炭化物、発火プラグのセラミック碍子部のひび割れ、或いは燃焼室の周りの殆ど全ての損傷が挙げられます。
Pre-ignition in an engine occurs when the fuel-air mixture ignites too early. In extreme cases, this can cause serious damage to the engine in a short period of time. Pre-ignition is caused by residual hot spots in the cylinder. Possible hot spots include small carbides on the surface of the spark plugs, cracks in the ceramic insulators of the spark plugs, or almost all damage around the combustion chamber.
エンジンの爆発は、オクタン価の低い不適当な燃料が給油され、過熱したエンジンにフルスロットルを加えたり、比較的高いエンジン回転数で低速飛行をすると発生します。75%超のエンジン出力で極端に希薄なミクスチャーで長時間運用するのもデトネーションを引き起こします。上昇中にデトネーションが疑われる場合、操縦士はスロットルを引いて機首を下げ、エンジンを冷やすべきです。
Engine detonation occurs when inappropriate fuel with a low octane rating is refueled, and an overheated engine is subjected to full throttle or a slow flight at the relatively high engine rpm. Operating for a long time with an extremely lean mixture with an engine power of over 75% also causes detonation. If detonation is suspected during climb out, the pilot should retard the throttle to lower the nose and cool the engine.
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