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航空英語能力を伸ばそう!

ライト兄弟がノースカロライナの浜辺で初飛行して以来、航空機運航の言語は英語が主体です。ICAO(国際民間航空機関)は地域の国語(わが国なら日本語)を使うことも認めていますが、日本の空を海外の旅客機や米軍機が飛んでいる以上、日本の航空管制も原則英語です。

日本人操縦士と航空管制官が英語で交信するのは違和感があるかも知れません。けれども外国人操縦士は、そうすることで交信内容を共有することが出来ます。フランス語やスペイン語圏あるいは中国で飛んでいると、航空管制は現地語と英語がチャンポンで使われるので、現地語が分からない操縦士は情報を共有できません。これは結構不安になるものです。

日本では第二次大戦後から三沢、横田、岩国、嘉手納周辺の空域は米軍が管理してきました。中でも首都圏を含む横田空域は今でも広大で、横田アプローチを飛ぶ際には英語による交信が必須。早口の英語管制を恐れて、黙って進入するのはルール違反です。

航空英語は日常の英会話とは異なります。一般の英米人に交信内容を聞いて貰うと、多くの人が意味不明だと当惑します。航空管制に用いられる用語はICAOによって規定されていて、それに高度、速度、方位などの数値を交えて話すため、不可解な英文になるのです。もちろん英会話力は役立ちますが、それだけでは不充分なのです。

航空英語力を客観的に評価する試験として、ICAO航空英語能力証明があります。レベルは1から6まであり、実用にはレベル4以上が必要とされています。レベル6では英語を母国語のように使いこなさねばならないので殆どの日本人には到達困難ですが、レベル4または5は努力次第で夢ではありません。

このシリーズでは、国土交通省航空局が行う航空英語能力証明の概要について解説し、日本人エアマンへの注意点、航空英語力を伸ばすための様々な知識について、興味をもって学べるように話していきます。

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