屋台村から始める地方活性化
北海道旭川市に2022年7月にオープンした「旭川はれて屋台村」
この施設を運営しているのは、元国会議員で現在はタレントとしても活躍されている杉村太蔵さんが代表を務める株式会社ここはれてです。
この施設を開設した杉村さんの考えに大変納得しました。
市の中心部の衰退
旭川市は北海道の真ん中より少し上、大雪山連邦の麓に位置する自然豊かな都市で、杉村さん自陣も旭川市出身です。
杉村さんが国会議員だった2006年に北海道夕張市が財政破綻しました。
これまでは、地方の公共事業に投資をすれば地方が活性化すると言われていたのに、なぜ衰退していくのか。
夕張市の財政破綻をきっかけに、地方活性化に関心を持ち、学び直すこととしたようです。
旭川市は人口約33万人の中核市です。
旭川市の中心部にある買物公園は、かつてはお店が立ち並んでいたが、近年は、空きテナントも増えたと杉村さんはいいます。
市内中心部の衰退の危機を感じ、故郷旭川市の活性化に取組みたいと考えたようです。
地方活性化の定義の設定
地方活性化に取組むにあたって、地方活性化を定義づけることとしました。
これまでの経験と学んだことから、地方活性化を、企業数の増加、雇用の増加、税収の増加と定義づけしました。
確かに、新しいお店がどんどん出来ていくと、街が元気になっていく雰囲気を感じます。
企業数の増加は、他の地域からの誘致ではなく、新規企業の増加が必要との考えから、地元の人たちが起業しやすい環境をどのようにしてつくるのか、ということを考えられたようです。
新規で出店しやすいスキーム
旭川はれて屋台村へ出店するスキームは、出店者がチャレンジしやすい内容となっています。
大まかな内容としては、出店者への敷金、礼金の負担はなく、お店で使う什器類はここはれてが用意します。
音威子府村の企業版ベーシックインカムの実験などから、企業者が初期投資を抑えられて、万が一失敗した時も負債が少なくなるような、チャレンジしやすいスキームとなっています。
街の中心部等の立地がいい場所は、家賃のほか、保証金が高く設定されていることも多いです。
そのため、立地がいい場所には、全国展開するよう大手のチェーン店が出店されることが多いです。
出店にはリスクがあるなか、融資も受けられない企業者が、立地のいい場所を取ることは難しいです。
旭川はれて屋台村は、旭川市の中心部に設けられていて、立地のいい場所でチャレンジしやすい環境をつくり、企業者の成功する確率があげることができ、買物公園を活気向上にも繋がります。
さいごに
不動産業は、かつては売り手市場で、家賃を下げなくてもテナントが入っていたかもしれませんが、今の中心部には全国展開のチェーン店が立ち並んでいるところが多いと感じます。旭川はれて屋台村は、敷金、礼金、什器も用意するなど、借りやすい条件となっています。
それでいて、ビジネスとして成立するような仕組みを考えられていて、大変納得しました。
私が一番共感したのは、地方活性化に重要なのは、核となる人物が育つことだと杉村さんが言っていることです。
地方の発展は、行政主導ではなく、民間主導でこそ発展できるものと感じます。
ここはれてでは、2024年1月に山口県下関市に、旭川と同じスキームの施設「唐戸はれて横丁」をオープンさせています。
是非、地方が盛り上がるきっかけになっていただきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。