文化財の素晴らしさを後世に引き継ぎたい
所属/浜松市役所 市民部 文化財課 伊奈さん
取材/浜松学院大学 地域共創学科 3年 古川
無形民俗文化財を把握、継承、情報発信していく
数多くある指定民俗文化財の中でも「無形民俗文化財」を担当しています。無形文化財は川名ひよんどりといった、祭りや行事。勝坂神楽といった民俗芸能のことです。文化財課では、大きく分けて3つの業務があります。1つ目は、文化財の現状把握することです。指定したものが現在、適切な状態で保存されているのかを把握をする必要があります。2つ目は、適切な形で整備、継承されていのか。実際に現場に足を運んで指定民俗文化財が、正しい整備や継承がされていなかった場合は、もとに戻す必要があります。3つ目はSNSやHP、文化財サポーターを活用して、より多く方に見てもらえるように工夫していることです。
常に心掛けている3つのこと
常に心掛けていることは3つあります。1つ目は、地域の保存会の方々の意志を尊重していくことです。保存会は各地域にそれぞれあり、その地域の伝統芸能を保存し、後世に継承する活動をしています。文化財課としては、後世に残していきたい気持ちがあり地域の方々がその文化財に対して、どのような思いを持っているか話を聞いて大切にしていかなければなりません。2つ目は、後世に引き継ぐために柔軟に対応していくことです。NPO法人の力を借りたり、保存会が考えていなかったことでも、文化財課が財政面などで提案しています。3つ目は、1つ目と2つ目のバランスをとることです。保存会の意見を尊重しつつ、やり方でバランスが偏らないようにすることが大切です。
やりがいは文化財の価値を地域で共有できたとき
一番のやりがいは後世に伝えられる手応えを感じたときです。特に無形民俗文化財の場合は、伝統芸能などを実際にやってみたい、継承したいという方と出会えたときは特に・・・。例えば懐山のおくないは存続に危機にありましたが、今年、地域で育った若者が継承してくれたということもありました。そういう意味では、他の文化財でも「この文化財は素晴らしい」と価値を共有できることや嬉しさを感じます。
多くの祭りに参加して知らないことを勉強したい
やはり、伝統芸能を維持するのに苦労するのがお金の面。保存会の方々に市から補助金を出すことができる制度があります。その補助金によって、衣装など必要なものの費用に使ってもらっています。資金面で活動を支えることに繋がっているところを市としても嬉しく思います。
また、私の次の目標は、今年1年の中で、1つでも多くのお祭りに参加することです。まだまだ、知らないことが多いのでまずは勉強することを目標にします。浜松市には、勝坂神楽や川名ひよんどり、懐山のおくないなどの数多くの伝統芸能があり、全てのお祭りに参加することはできませんがなるべく多くのお祭りに参加したいと思います。
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