法務教官の仕事について
お久しぶりです。公務員太郎です。
意向届を出し続けていたみなさんも、そろそろ内定が出ているのではないでしょうか。
今回は法務教官の仕事内容についてお話しさせて頂こうと思います。
法務教官は基本的に少年院か鑑別所で働くことになります。
ほとんどの人は少年院にも鑑別所にも行ったことがないと思うので、いまいち想像できないと思います。
鑑別所での仕事は簡単に言うと、家庭裁判所で審判が降りるまでの「お世話係」という感じです。
そのため、鑑別所に勤務になった場合は基本的に指導とか教育的なことは行いません。
家庭裁判所に連れて行ったり、食事を運んだり、入浴を行なったり、購入した物品を差し入れたり、そのようなことが仕事の大半です。
鑑別所での花形職員と言えば技官と呼ばれる、子どもたちに対して色々なテスト等を行う人たちです。
この人たちが行ったテストにより、I.Q等が分かり、それを元に少年院で教育が行われます。
そのため、鑑別所での勤務でやりがいを感じている人はなかなかいないと思います。
鑑別所のメリットとしては
1.都心部にあり、地域手当が高い
2.仕事内容が楽
難しい子どもが入って来たとしても、数週間もすれば、いなくなる。
鑑別所のデメリット
1.変な職員が多い
一概には言えませんが、少年院で通用しなかった職員が行くことが多い
2.仕事にやりがいを感じにくい
割り切って仕事をするなら、鑑別所のほうがいいかもしれません。
次に少年院のしごと内容についてお話しします。
イメージ的には校則の厳しい全寮制の学校という感じです。
刑務所の子どもバージョンと思われている方もいるかもしれませんが、学校のほうがイメージに近いと思います。
私の個人的な体感ですが、刑務所で働いている刑務官の人たちは、被収容者のために何かするとか、更生させるとか思っている人はあまりいないと思います。
刑務所の中で問題が起きないようにするにはどうするかということを刑務官の人たちは一番に考えています。
少年院では意外と子どもたちのことを考えている職員が多いです。
ちなみに一つの管区内(関東地区、近畿地区というようなエリア)にはいくつかの少年院があります。
住んでいる近くの少年院に行くと思っている方もいるかもしれませんが、少年院は初等、中等、特別少年院、医療少年院に分かれています。
これは年齢、非行内容、障害、知能指数、などいくつかの要件によって決められます。
初等少年院では中学生から高校生くらい。
中等少年院では16歳から20歳まで。
特別少年院では非行内容が進んでいる場合。
医療少年院では薬物や障害を持っている場合に行くことになります。
いくつかの要件があるので一概には言えませんが、だいたいこのような感じです。
どの少年院が楽かというと、これも一概に言えません。
少年院で楽な状態というのは、子どもたちが安定して、落ち着いており、やる気のある状態です。
こういう状態だと職員もやりがいがありますし、楽しいです。
初等少年院では年齢が若いので、1から10まで説明しないといけないですし、まだまだ甘えも強いです。
逆に年齢が高ければ、こちらがやりたいことを察して、気の利いた動きをしてくれますし、ある程度大人なので、やりやすい部分もあります。
どの施設にも一長一短ありますので、問題は施設が落ち着いているか、荒れているかということです。
一般的な少年院の職員の仕事内容は大きく3つあります。
1.寮担任としての仕事
2.実科担当としての仕事
3.行事担当としての仕事
1の寮担任としての仕事が、一番重要でありエネルギーを使うところです。
少年院内では基本的に寮と呼ばれるクラスの様な単位で生活します。
その中でも、個別に担任を受け持ちます。
イメージでいうと20人クラスであれば、そのクラスに5人の先生がいて、それぞれ個別に4人の生徒を受け持っているという感じです。
個別担任の子どもに対しては、面接を行なったり、作文を添削したり、成績をつけたりします。
学校の担任の先生よりも、もっと生活面に口を出す感じです。
寮全体に対しては、集会をしたり、体育をしたり、一緒に運動会などの行事を盛り上げたりします。
この1の業務が法務教官としての一番楽しいところであり、しんどいところだと思います。
2の実科担当としての仕事というのは、子どもたちは色々な授業のようなものを受けています。
中学生であれば、国語とか算数というような本当の授業であり、中学を卒業した子であれば、パソコンや溶接、木工や窯業、危険物取扱などの資格試験など、施設に応じて色々なものがあります。
寮ごとに決まっている場合もあれば、寮に関係なく実習を行う施設もあります。
その施設で行なっている授業のいずれかの担当となり、いずれは自分で指導していくことになります。
そのため、入る前に危険物等の資格や窯業や木工等の経験があればすごく有利だと思います。
もし事前にこのことを知っていれば窯業とか習いに行っておけばよかったなと思います。
ただ新しく入った人で、こういったことができる人はほぼいませんので、できなくても全然問題はありません。
3の行事担当としての仕事とは、少年院では色々な行事があります。
運動会や文化祭、卒業式や成人式などがあります。
そういった行事の担当がそれぞれ順番で回ってきます。
行事の起案、関係各所との調整、子どもたちへの全体指導です。
小学校のときに卒業式の練習とかを担当していた先生がいたと思いますが、あのような感じです。
かなりざっくりとでしたが、法務教官の仕事内容をつかんでいただけましたでしょうか。
つぎはもう少し細かいお話しをさせて頂ければと思います。
次も読んで頂ければ幸いです。
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