【公務員試験】社会人の併願先は「共済組合」がオススメ!
公務員試験を受ける社会人受験生は、大きく2のパターンに分かれます。
それが「公務員試験一本の社会人」と「民間転職も進める受験生」です。
民間転職も同時並行で行う理由は「とにかく今の会社から脱出したいから」というものでしょう。実際のところは公的な仕事(利益第一ではない仕事)に転職したいけれど、やむを得ず民間転職も進めている人は少なくありません。
そこで今回は、そのような方々にアドバイスをしたいと思います。
それは
「公務員と民間企業以外にも世の中には職業がある」
ということです。
具体的に、経験者採用を受ける社会人に併願先としてオススメしたいのが「共済組合」となります。
共済組合とは
共済組合とは、公務員の福利厚生や年金などに関する事務を担当している組織です。さらにざっくり言えば、「公務員の日常生活をサポートする組織」です。
例えば、市役所の場合は各市役所ごとに福利厚生をやっていますが、それだけではありません。スケールメリットを活かすために、複数の市でまとまって福利厚生をやっているということもあります。
具体的にいうと、1つの市役所がホテルに対して「うちの職員が利用した場合に割引をお願いします」と交渉しても交渉力が弱くなります。
一方、20~30の市役所がまとまって「職員1万人がそちらのホテルを利用するので、その場合には割引してください」と交渉すればホテル側にも多数の客を囲い込めるチャンスとなるため、割引交渉に応じてくれます。
このようにして公務員の世界では福利厚生の拡充を進めているのです。そしてそのような業務を担当する組織として、公務員の世界では「共済組合」が立ち上げられています。
実際の組織を例に出すと、東京都内には「東京都市町村職員共済組合」という組織があり、都内26市や13町村で働く職員の福利厚生や年金などの事務を担当しています。この「東京都市町村職員共済組合」が都内の市町村職員の日常をサポートしているのです。
主な仕事としては、以下のようなものとなっています。
【◆共済組合の業務内容(一例)】
・全国のホテル利用時の宿泊補助
・スポーツジム利用時の利用料補助
・結婚式場を格安で提供
・市町村対抗のスポーツ大会などの開催
・市町村職員やその家族に向けたイベントの開催
・市町村職員の貯金の運用
・住宅などを購入する場合の資金の貸付け
・職員のメンタルヘルス対策
などなど、本当に多種多様で様々な仕事をしています。
このような共済組合は、各都道府県にあります。
北海道なら「北海道市町村職員共済組合」、千葉県であれば、「千葉県市町村職員共済組合」といった感じです。
また、道府県職員には「地方職員共済組合」、警察官には「警察共済組合」が存在します。
組合職員の立場
共済組合は各自治体によって設立された法人となりますので、公務員という身分ではありません。
しかしながら、その給料体系は公務員に準じたものとなっておりますので、ボーナスや昇給の仕組み、休暇制度などもほとんど公務員と同じです。
もちろん倒産や破産の心配もありません。さらに言えば、共済組合は出向を除いて転勤もありません。
例えば、東京都市町村職員共済組合ですと立川市に事務所がありますので、基本的に勤務地は立川市にある事務所となります。
採用試験の日程・試験科目は?
共済組合の職員採用試験の日程については、各組合によって異なるため、各自で調べる必要があります。
東京都市町村職員共済組合であれば、例年、5月に願書受付で、6月上旬に一次試験(適性試験・教養試験など)、6月下旬に二次試験(集団討論・小論文・面接試験)となっています。
試験科目については、公務員試験の対策をやっていれば特段の対策は不要です(もちろん、共済組合の業務内容などに対する理解は必要です)。
共済組合職員採用試験は経験者採用の対策をしながら併願することが可能となっています。
東京都内での勤務を希望するなら、「東京都市町村職員共済組合」、「地方職員共済組合」、「警察共済組合」の3つを併願することも可能となります。
皆さんは国民や住民をサポートしたいという思いで公務員への転職を目指していることでしょう。一方、世の中には、国民や住民をサポートしている公務員をサポートする「共済組合職員」という職業もあるのです。
公務員でも仕事上の悩みを抱えている方は多くいます。そして、公務員がモチベーションを維持しながらいきいきと職務を遂行していく上で、共済組合は非常に大切な存在です。
ぜひ共済組合職員という道も検討してみてください。
各種共済組合HP
東京都市町村職員共済組合
警察共済組合
地方職員共済組合