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宝石の国についてしゃべりたい#0(ただの「鬱漫画」で終わらせないでほしい)
タイトルの通り「宝石の国」の話がしたい。
昨年完結し、最終13巻が出た。
私は一度全話無料公開で一気に読んだのだが、やはりお金を払うべきだと思い、全巻揃えている最中である。あれはタダで読んでいい作品ではない。
宝石の国の概要はこんな感じである。
強くてもろくて美しい、 戦う宝石たちの物語。
今から遠い未来、僕らは「宝石」になった。
彼ら28人は、襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。
月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。
漫画界で最も美しい才能が描く、戦う宝石たちの物語。
そんな宝石の国について、話していきたい。
なお、この文章では宝石の国のネタバレを遠慮なく行う。
「ネタバレを読んでも構わない、漫画を自分の目でちゃんと読んでこそ価値がある」と考えている私のような人間は構わないが、ネタバレを回避したい方は注意して欲しい。
未読の方は、まずは1話をどうぞ。
なぜ「宝石の国」は鬱漫画と呼ばれるのか?
まずここから考えたい。
例えば以下のサイトを見て欲しい。
このように、「鬱漫画」として認知されている「宝石の国」だが、なぜそうなっているのかを挙げてみる。
宝石たちの壊れる様子が辛い(特にアンターク)
主人公の変貌が激しい
主人公と周りの宝石たちの温度差が激しすぎる
ざっとこんなところだろうか。
1は最初の時点でわかる。
初っ端でフォスがぶっ壊れるのは驚いた。
ただフォスや宝石の脆さを示すには重要なところだ。
あとアンタークがやられるシーンは見てて苦しくなった(その後のフォスのセリフ『なのにどうして遠のくの』が大好きなのだが、それはまたいつか)。
2もその通りである。
フォスは脆いくせによく動くのでよく壊れる。
そして足を無くしたり手を無くしたりしてテセウスの船みたいに別のものになっていく(組成も見た目も)。
最初のフォスが可愛い分、見ていられない。
3は後半に強く感じられる。
結局フォスは最終的には(一旦)、孤独になってしまう。
その後の終わり方としては私はハッピーエンドだと思っているのだが、それは今回の主題ではないので後に回す。
こうした要因もあり、実際に読んでいて辛いのは確かである。
私も読みながら展開がグロすぎて(あくまで描写ではない)吐き気がしたこともある。
だが、それでも言いたい。
「宝石の国は鬱漫画などでは言い尽くせない魅力がある」と。
それを伝えるために、まずは漫画の一巻から読み直して感想を書いていこうと思う。
宝石の国が好きな方はぜひ楽しみにしていただきたい。
ここまで一つの作品に惹きつけられるのは宝石の国が初めてだ。
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ここから全てが始まるシーンですね。
もし途中で止まってしまったら、あまりのキツさに絶命したと思って欲しい(一度読み切れたので大丈夫だと思うが)。