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藤巻亮太の歌詞はあまりにも美しい

好きな曲や好きな歌詞は沢山あるけれど
美しいなと思うのはレミオロメン・藤巻亮太の歌詞だ。


『3月9日』が収録されているアルバム『ether(エーテル)』は全曲とにかく歌詞が美しい。

歌詞は、メロディーに乗せられて歌われることで音楽となるもの、という認識だった。

そんなわたしが初めて、歌詞というのは「詩」であり「ことば」なのだなと意識させられたのがこのアルバムだった。あまりにも歌詞が美しかった。
買ったCDから歌詞カードを取り出し、穴があくほど見つめた。

好きなアーティストは本当に数多くいるけれど、藤巻亮太さんの歌詞のように美しさを感じる歌詞というのは他に無い。


春夏秋冬

アルバムの1曲目、出だしの歌詞からどきりとした。

春は月に笑う様に
夏は花火に恋をする様に
秋は空を吸い込む様に
冬はどこまでも駆け抜ける様に

曲名の通り四季を歌った歌。
春は月に笑う様に、夏は花火に恋をする様に、というその2フレーズでわたしはもう藤巻亮太の歌詞の虜になった。メロディーが無くたって歌詞カードを眺めているだけで楽しいと感じた時間は初めての経験だった。
2番のサビもまた素敵。

春は花が咲き乱れて
夏は夕日が胸を焦がした
秋は枯葉に風が巻いて
冬は雪が街ごと心を染めていった
奪っていった



永遠と一瞬

5曲目に収録。映画『太陽の坐る場所』挿入歌。
サビのメロディーも美しくて、曲としても好きな1曲。

希望の色は空色 見上げるのさ飛べるまで
僕は僕だよと呟けば
ありのままでいる事はこれほど容易い

いつだって旅の途中 いつもより荷物は少なめ
手を離して 宇宙になって
闇の中 羽ばたいて ゆっくりと鳥になりたい

ラストのサビの歌詞を初めて見たときはぎょっとした。
手を離して 宇宙になって、で興奮して、闇の中 羽ばたいて ゆっくりと鳥になりたい、でぶわっと震えた。
自分自身でこういう考えを持った事は今までなかった筈なのに、不思議とこの歌詞のイメージをありありと感じることができた。自分の体験談の様な、自分自身でさえもうまく言葉にできなかった気持ちを言語化された様な。実際には経験が無い筈なのに、と不思議な気持ちになった曲。今でもぶわっと震えちゃう。


深呼吸

続く6曲目。Aメロはぼんやりしている印象。「単調な日々の中」という歌詞から始まるからこそかもしれない。この曲もサビの歌詞が好きだ。

運命線からはみ出して もう少し自由になって
名もない星座の 名もない星になる

ここまで3曲分書いてきて気が付いたけれど、きっとわたしは壮大な自然(宇宙も自然と呼んで良いのだろうか?)と現実との言葉の掛け合わせが美しいと感じているんだろうなあ。
名もない星座の名もない星なんて淋しい様に感じるのに。何故だろう、無性に惹かれてしまうのは。これぞ藤巻マジック。


五月雨

8曲目に収録。

見慣れることのない空 瞬きはストロボ
若葉が擦れる音 土が蒸す匂い
日差しにとけた 五月雨

見慣れることのない空と歌っているところが当時は衝撃的だった。今ならわかる。いつもあるけど、見慣れることはない空。改めてなんて素敵なんだろうか。
五月雨の季節、空気も湿度もちゃんと感じる。


コスモス

続く9曲目。ああ、この曲もあまりにも美しい。。

停留所にはコスモスの
乾いた顔が良く似合う
まるで世界は静かで
孤独じゃなきゃ それも良かった

どの部分を切り取っても美しい。
うん、やっぱりこれは詩だよね。言葉の作品だよね。


3月9日

10曲目。
卒業式シーズンの定番曲であり、本日3月9日と言えば、な曲。

もはや書かなくても、と思いつつ…

溢れ出す光の粒が
少しずつ朝を暖めます

サビ以外の部分を。ちょうど今日は春らしい気候だったね。春めいてきた、という今日みたいな日の朝を表現するのにぴったり。



全曲紹介したかったけれど、抜粋。
とはいえ全12曲中、半分の6曲も紹介させて頂きました。

今回はわたしにとって思い出深いアルバム『ether』の曲だけだけど、藤巻亮太さんの書く歌詞はいつだってわたしの心象風景のどストライクばかり。

わたしの中で、美しい歌詞を書くひとランキングの第一位。


歌詞についてばかり書いてしまったけれど、曲自体もどれもこれも素敵なので良かったらアルバムごと聴いてみてくださいね。



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大麦こむぎ
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