家庭環境が子どもの人生を左右する
おはようございます。
今日は最近読んだ小説の感想を書いていきます。
母校の先輩ということもあり、林真理子さんの小説8050を読みました。
8050問題といえば、子離れできない親、親離れできない子ども。そして、年を重ねても結婚や独立をすることなく、大きな子供をずっと抱え続ける親のイメージです。小説の話もなぜ、親元を離れない高齢者が増えているか?という物語に近いものかと思っていました。
結末はそうなのかもしれませんが、この小説は、家庭環境と子供への影響をとても考えさせられる話でした。
特に父親。
私も父親なので、途中途中胸が痛くなりましたが、
あるある話が書いてある気がします。
父親として、時には子供に厳しく指導するのは役割かもしれませんが、時代的にはその考え方は古いものだと思います。
この小説でも、歯医者の父親が、子どもには医者になることを期待し、そのために自分の思い通りの学校へ進学させ、子どもの気持ちを理解することなく、夢を押し付けていました。
思い通りにいかないことがあれば、怒り、怒鳴り、俺はお前のことを一番に考えている、とも言わんばかりに、自分の意向を押し付けている父親です。
結局、子どもは学校でいじめにあい、親に迷惑はかけたくないからと誰にも相談せず、7年間引きこもりになりました。そして、社会復帰はとても厳しい状況ですし、家でも暴れることが増えて行きます。
父親からすると、「なぜ、子どもがこんなふうになった?」と驚きを隠せない様子でしたが、ここまでになってしまったのも、父親の子どもに対する過度な期待です。当然、期待に応えたい子どもからしたら、いじめに合っていることで迷惑をかけたくない。それに、いじめを受けている時期は、父親のお父さんの介護も始まり、妻に一方的に押し付け、夫婦間でもぎくしゃくしている時期でした。
小説を読んでいて思うのは、「昔は亭主関白な父親が沢山いたんだろうな。自分世代はこんなふうにならない」と思う気持ちと、「子どもができて、自分が仕事の中心になると、どこか傲慢な気持ちや、偉そうな気持ちが生まれてしまい、小説の父親のようになりかねない」という気持ちが葛藤しています。
子どもには子どもの人生がある。
そして、男も女もどちらが偉いなんてことはない。
母親と父親でどちらが子育てが上手かなんて知り得ない。
大人からしたら子どもの悩みなんてちっぽけに見えるかもしれないが、自分が子どもの頃も同じように悩んでいたことを思うと、結論なんてすぐ出なくて当たり前。まずは親が共感できないといけない。
親として、結婚した身として、沢山のことを考えさせられる小説でした?