千と千尋の神隠しより「スピリティッド・アウェイ」(選曲理由)
こもれびWindでOboeを演奏します、上田です。
この度のシンフォニックコンサートのプログラムである、千と千尋の神隠しより「スピリティッド・アウェイ」を、演奏希望曲として推薦しました。
この曲は単なる映画音楽の吹奏楽編曲版ではなく、独立した吹奏楽曲と捉えても申し分のない洗練された編曲がなされています。
この緻密な編曲に魅力を感じ、演奏を希望しました。
最もご注目いただきたいのは、後半のクライマックスです。
鍵盤楽器群によってオルゴール風の音色で「いつも何度でも」が演奏される中、突如「ふたたび」の曲が重なって現れます。
この強烈な違和感、またそれを経て全てのパートが一つに合わさっていく場面こそ、この曲の山嶺と言えるでしょう。
あくまで私個人の所感ではありますが、ぼんやりとした夢路から現実へ突然引き戻される感覚を思い起こさせます。
異界へと迷い込み、幼く頼りなげであった「千」が1人の少女として成長を果たす。
そして「千尋」として再生し元の世界への帰路を歩み始める物語のクライマックスとの見事な系続を感じさせます。
久石譲が産みだしたジブリ映画の楽曲は、鮮美透涼な旋律で私たちを魅了します。
また彼の十八番である4度堆積の和音は東洋的で神秘的な響きを創り出し、私たちを日常を超えた銀幕の向こう側へと誘い込みます。
未熟な点も多々ございますが、この曲で久石譲の世界を存分にお楽しみいただけますと幸いです。
◆ こもれびwind「シンフォニックコンサート」10月5日(土)15時開演
◆ こもれびwind「ファミリーコンサート」10月5日(土)11時開演
◆ こもれびwind - クラウドファンディングに挑戦中!8月31日終了