甲子園という場所vol.13
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あら、嬉しい。シンプルに。
ありがとうございます(^^)
甲子園から一夜明け、バスは名古屋方面へ。
まだ、余韻に浸りながらも、現実の世界に押し戻されて行きます。
学校は、まだ春休み期間でもあったので、本当何日かぶりの休暇。
寮生活にとって、最大のイベント。
急に訪れる帰省。
今の名電は、県外からバンバン集まって来てるみたいですが、当時のメンバーは、遠くても岐阜県。豊橋市も県内ですが遠いですね。
『スキあらば、帰りたい。』
脱走も何度か考えましたけど。笑
実家がどれだけありがたいか。本当身に染みます。親に感謝しかありません。
束の間の休息。
親の手料理に叶うものは、ありませんよね。
最高の瞬間です。
そして、携帯は禁止なので、母親と共有して携帯使っていました。
1人1台の感覚ではないので、母親の知り合いと自分の友達の連絡先がごちゃ混ぜに。
ありがたい事に、甲子園に出たせいか友達からのメールがメールボックスに大量に。
あまり話した事ない中学校の時の友達や、名前が分からないけど、メールの文章で多分中学校の子だよなーって思ったりと、いろんなパターンが。
素直に嬉しかったですよね。やっぱり。
芸人で言う売れた瞬間なんですかね笑
売れてないんで、分かりませんが。
メールボックスを順に開いて順に返信。
そして、その中には、自分が名電を選ぶ要素になった中学校の先輩からも。その先輩が名電に居たからこそ、今がある。
そんな先輩からメールが来るなんて。
ワクワクしてました。
『古茂田、スクイズ失敗してたな。』
ストレート過ぎる笑
先輩だからこその愛情なのか、嫌味なのか、とにかく心の奥底に突き刺さりました。
てか、まだ抜けません。
追い討ちをかけるように、母親がニヤニヤしながら地元新聞の名電の記事を渡してくれました。無言で。
その1面にデカデカと掲載されてました。
古茂田の新聞デビュー。カラーで。
そうです。あの悪夢の6回のワンアウト3塁。
古茂田がスクイズを失敗して、空振りしてるタイミングのやつが激写されていました。
『やらかしてる。』
カメラマンも社内で称賛を浴びただろうな。
こんなアングルで撮れてさ。
スクイズ失敗の特許申請出来ないのかな。
母親は、肩で笑っていました。
これは、愛情であってほしい!!
いろいろありましたが、心身共に休む事が出来ました。心の部分は、休むというより思考停止です。
学校もスタートして、寮に強制送還。
強制送還前の甲子園での開放的な選手達。
全身紫で、大阪をウロチョロするメンタル。
自分を誇りに思います。笑
あたたかい人達で救われました。
4月に入り、新入生も入り、古茂田もいよいよ最終学年になりました。
あの古茂田が3年です。
最後の夏に向かって行きます。
でも、甲子園の凄さを実感した事で、反動も出かかったのは事実です。
生活面、環境、慢心、勘違い、油断、いろんなものが付き纏います。
そして、県内でも更に他校から一目置かれるようになり、注目される。
1番付き纏うもの。それは、
『勝って当たり前』
こうゆう風に思われている中で戦う事の難しさ、仮に思われていないとしても自分達で勝手に思い込んでしまう怖さ。
まさか、そんな事態がすぐに来るとは....。
夏の前哨戦、春季大会がスタート。
『堂上さーん!サイン下さーい!』
悪夢のはじまりでした。