キッチン者(もの)日誌〜断捨離考〜
1年前は転勤したて。今年は退職したて。10箇所目ぐらい?の新しい棲み家。
もともと住環境に興味があり小学生の頃から間取りを見るのが好きだった。
かつての初めての一人暮らし♪なんて夢見心地の頃は、出窓に観葉植物、オサレなオブジェ、間接照明のライトに憧れた。
しかし!だ。引っ越しが回を重ねていくと自分に必要不可欠なモノは厳選されてくる。
私の場合、絵を描くためのグッズとスピヲタなストーン。石たちが意外にずっしりくるが、、外せない。外せない書籍も多い。
キッチングッズでいうと鍋やかんに始まりステンレス小物、素敵なお皿、キッチンワゴンなどなど。。
しかし!だ。所詮は1人。たまに2人。
まして今回は最もコンパクトキッチン(でもコンロは2つ♫)
これまで割と広めのキッチン環境だった私にとって相当ハードル高しの厳選が必要だった。しかし振り返れば昨年の引っ越しは断捨離第一弾だったのだ。
今年は思いがけない環境変化ではあったが、人生ウマくできてんな、と思う。
電車のない県からの初めての本州住まい。しかもコロナの影響で初日の神戸はどの店も閉まっていた。地元で見慣れたさびれた商店街の街並みと変わらない風景が広がっていた。
田舎あるあるのマイカーライフからの脱却。まず空いてる店が少ない上に地理がわからない。歩いて歩いて、知らない街を歩き倒した。必要な物、食糧もどこに売っているわからない。知り合いも少なく、自炊するしかなかっただ。
あれから半年、今のキッチンでこれまでで一番の自炊ができている。お弁当が続いている。
切る場所、置く場所の狭いこの小さなキッチンで私は多くの時間を過ごしている。
もちろん立場の違いからの時間の流れの違いもあるが、コロナのおかげさまでもある、ホント。
そんな私のキッチン断捨離のひとつは小さな炊飯器。そして代わりは必要不可欠の厳選品。
2合炊きの土鍋。無印良品で誕生日に買ってもらった。ご飯も、かぼちゃも小豆も炊ける。
蓋と本体には厚みがありずっしり重い。どなべちゃんは、自炊のよき伴侶。
炊けたご飯もふっくら美味しい。熱々からゆっくり、じんわりと温かくなかなか冷めない。
土からできた鍋。大切に育てられたお米を丁寧に研いでおいしい水で炊く。
蓋の周りの吹きこぼれ用の手ぬぐいは歴代ずっと玄関に飾ってあったお気入りを降ろした。
この小さな部屋には飾る玄関がなかったからだ。
コトコト、ブシュブシュ・・そんな音を聞きながらオクラを切る。
そんな時間を、とてつもなく贅沢だと感じる。