人は一つの味しか覚えられない。
よなよなエールはビールの市場に参戦した時に「これからラガービールの時代が来る」という先見の明があったようだ。今となってはそれはもう人気の商品で、買っている人も多いけども、ここに来るまでには数々の苦難があったらしい。
ラガービール絶頂期から急転直下で人気が落ちていく。売上が上がらない。そんな日が続く。そんな時に考えていたのはラガー以外のバリエーションを増やすことらしいが、星野リゾート社長の星野さんの「人は一つの味しか覚えられない」という話で思いとどまったとのこと。そして、ひたむきにラガービールを売り続けて、味を覚えさせ、今日に至る。(大体あっているはず)
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なるほどな。一つの味しか覚えられないというのは本当にそのとおりだと思うし、ホテルで言ったら何なのだろうか。一つの味を覚えさせるというのは、宿泊をしている時の強烈な思い出なのだろうか。成功なんて分からんか。それがわかれば苦労はしないか。
「あの気持ちよかったお風呂を忘れられない。」とか、「あの時見えた絶景が忘れられない。」とか、「あの体験がどうしても忘れられない。」とか。ホテルというのは複合的な要素が多すぎてどうしても、幕の内弁当にように盛りがちになる。予算も膨らむ。この見極めが難しい。何も無いのが良いというのもある。なんだそれは。一体どうすれば良いんだ。
一つの味...味が出ないホテル...湯宿さか本のことを「何も無さすぎて自ら良さを探しに行く楽しさがある。」と言っていたが、昆布だったのか。昆布ホテルか、覚えるほどの味がするホテルか。答えの無い難しさを感じながら今日もホテルをつくっています。