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ホテルの名称を『こもる』に決定するまでの思考

ホテル名がようやく決まりました。(正確には2ヶ月前ぐらいには決まった。)この名前が決まる迄が実に長かったんです。文字通り、二転三転しました。

勿論最初に決まった時にも「これだ!」と思っていたし、変更をした時にも「やっぱ、こっちだったか〜納得!」というテンションで、最終的に今の名前に決定したときも「最初からこっちだと思っていたんだよな。」という思いです。今の名前(こもる)には納得しているし、これが最終盤です。変わりません。

で、結果的に二転三転した最初の名前が「文豪ハウス」です。今でも気に入っていますし、企画の発端の名前がこれだからです。青森県五所川原はかの有名な太宰治の出生地です。文豪のような暮らしに憧れるな〜ああいう暮らしをしながら多拠点生活をしたいな〜という思いがあり、ここに行き着いたわけです。

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「文豪ハウス」と名付けたものの、ハウスでは無いよな?となり「文豪ホテル」にすぐさま変更されました。大量の本に囲まれた部屋の中で、何か創作活動に集中する場所です。部屋は "人間失格" や "グッド・バイ" 等書籍名に因んだ名前にする予定でした。「人間失格のお部屋にどうぞ。」体験のイメージが湧きやすいですよね。

名前と部屋と体験とがマッチングするので、これが最終のネーミングだと思っていましたし、これでおそらく3ヶ月ぐらいは突っ走っていました。まさかここから対抗馬出てくるとはつゆ知らず。

そして出てきた言葉はこもるです。突然のシャープな名前です。文豪ホテルだなんて、と斜め上のネーミングをつけていたところから、コンセプトである「籠もる」。会社名である「KOMORU」からホテル名も「こもる」が体験イメージは分かりやすいんじゃないか?という話が浮上です。

文豪ホテルが最終盤だと思っていた僕は「え!どっちも良いかも!?」となり、ついつい『文豪ホテル KOMORU』と、どっちも使ったネーミングに着地を狙いに行きます。二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉が待ってましたと言わんばかりに顔を覗かせます。実際「こもる」なのか「文豪ホテル」なのかホテル名がどっちなのかがめちゃくちゃ分かりにいですね。

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でも、わかりやすさを重視するとやっぱり文豪ホテルだなとなるわけです。太宰治の出生地だし、部屋名は書籍名だし、大量の本に囲まれているし、もう迷うことなき選択です。「文豪ホテル 五所川原」がこうして出来上がりました。よーし、これでガンガン攻めていくぞ〜〜と思い進み始めます。

文豪ホテルとしてロゴも着手し、体験のイメージも平面図も固めながら2~3ヶ月経ったぐらいでしょうか。なんと、あの、名前が戻ってきたのです。こもるです。

それは、作ろうとしている世界観に対して名前がチープじゃないか?ということと、ブランディングとして資産が積み上がらないのでは?ということ。そして、コンセプトである「籠もる」ことと「文豪ホテル」では絶妙にズレが生じているのでは?ということです。

この絶妙なズレは何となく心の中でもやもやしていた部分で。文豪ホテルという名前はネーミングの分かりやすさ、インパクトはあり話題にはなりますが、コツコツとブランドを築き上げていく上で邪魔になってくるんじゃないかなと思っていたんです(実は)。2店舗目、3店舗目と、そして更にしつこく会社経営を続けていく上で、このズレを抱えたママやっていくのか?と自問自答しても「流石にそれは無いだろう」という思いが日に日に大きくなってきました。

そこで、文豪ホテルを捨て、こもるを選びました。

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別に資産として貯める必要は無く、1店舗1店舗の名前が際立っていれば人はきっと来るし、それで良かったりもするんですが。「こもる」には籠もり考える暮らしという意図を込めています。それは、今を生きる、大変で理不尽な世の中で暮らす、全ての人にとって大事な暮らし方です。特に忙しくしている人ほど気付いてもらいたいのです。大事なのは自分と、地球です。

これは、文豪ホテルでは伝えきれなかったニュアンスです。企画として立っているのは文豪ホテルでしょう。捨てるには惜しい、惜しすぎる。でも、自分が心から作りたい意思を汲んだものに絞るということを無しには、来たお客さんには何も響かないんじゃないのかと思ったんです。腹をくくりました。

あ、いやでも文豪ホテルもめっちゃ好きなので、今後つくると思います。後、3年後迄には。今はこもるで全力投球です。

では、みなさん「こもる」をよろしくお願いします。

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