われわれ薬剤師の可能性についてin獣医療
皆さん、こんにちは。こもりんです。
今日はペットの薬剤師として、獣医療業界でどのように活躍できるのかを書き散らしてみようと思っています。
なんか、興味あるって人は動画で僕が喋っているのでご覧ください。
どう活躍するのか?
まず、われわれ薬剤師が思い浮かぶというか、直感的に、「対物から対人へ」と言われているように、「対人業務」がキーワードだと思いがちです。
しかし、その「対人業務」は獣医療においては全く浸透していません。
獣医療における薬剤師の必要とされる役割は「対物業務」です。
これは、獣医療における調剤業務がかなり煩雑化つ大変であり、時間を奪われる業務だからです。
この文脈を素直に取ると、薬剤師の業務は「正確な調剤業務」や「薬剤の管理業務」となってしまい、「薬剤師の理想とする業務」からはかけ離れてしまいます。
順番を追って、僕の考える、薬剤師が活躍できる業務を紹介します。
1.素直に正確な調剤、薬剤の管理業務を行う
まず、獣医療業界で求められていることを素直に行うことです。
現在、薬剤師は法的観点や薬剤管理のスペシャリストとして動物病院に求められています。
愛玩動物看護師法の制定により、獣医療業界では「調剤の法的遵守」の意識が高まっています。これにより、動物病院からの薬剤師ニーズが高まっていることは事実です。
また、1/8錠や1/6錠(粉じゃないよ)のように、調剤業務はかなり煩雑化しています。(これらの良し悪しについては今回触れません。)この煩雑化した業務により、現場の動物看護師や獣医師はかなり疲弊しています。
これらの観点だけでも獣医療業からとても必要とされています。
しかし、これには課題があります。
まず、薬剤師がこの業務を行っていても、動物病院への収益の貢献が全くないことです。
その上、薬剤師は動物病院内でもかなり高級取りになるのに、収益への貢献がないことはとても厄介な状況です。
この業務を行うだけでは、持続的に薬剤師が存続することはとても厳しいです。
2.薬剤の知識で獣医師、動物看護師をフォローする
「1の業務は薬剤師でなくてもできる。」と多くの動物病院は考えています。法的リスクはありますが、今までは薬剤師が居なくても成り立っていたことであえて薬剤師を雇う、というのはかなりハードルがあります。
薬剤師は本来、「知識を活用すること」が本質だと僕は考えています。
薬剤学や動態学の知識は獣医療業界において、とても価値があると考えています。
例えば、オメプラゾールの分割などは、獣医療ではモヤッとするポイントです。僕のXの投稿で恐縮ですが、こういった知識を提供することは潜在的に求められていると感じています。
この例以外にも、人の医薬品を犬や猫に応用していることで起こる薬剤学的な問題は多く存在しています。
これらに対して、薬剤師なりのソリューションを提供することは、薬剤師にしかできない業務であると思います。
この他にも、配合変化や薬の飲み合わせなどの知識も役に立つと考えることができます。
この業務における課題は、エビデンスが不足していることです。
通常の医薬品の使い方ではないが故に、研究が進んでおらず、必ずソリューションを提示できるとは限らないことが大きな課題です。
3.投薬指導
獣医療においても、インスリンの投薬や吸入薬の指導業務が存在します。
これらの投薬指導は動物看護師にも行うことができますが、薬剤師からの指導を行うことはとても重要になってくると考えられます。
例えば、インスリンを多く投与しすぎた際に、どのような兆候が現れて、どのように対処することが良いのか?などを専門的に答えられることが重要です。
この他にも、「お薬を本当に飲ませられているか?」(投薬コンプライアンス)というのはとても重要な観点です。(獣医師にとってはとてもセンシティブな話題ですが)
薬という観点で飼い主とコミュニケーションを図り、獣医師や動物看護師に情報共有することは、医療の質の向上につながるのでとても重要な業務になり得ると思います。
この業務の課題は、獣医師や動物看護師との信頼関係を深く築く必要があることです。
薬剤師が信頼のない中で、飼い主とコミュニケーションを取ることは、動物病院にとってはかなりのリスクになってしまいます。
動物病院からすると、「薬剤師は人専門であって、動物のことは何も知らないでしょ?」というのが本音です。
この領域まで達成するには、年月とエビデンスと、、、とにかく色んなものが足りていないと考えています。
長い道のりなようで
上記で挙げた3つの業務は上から達成されていくのが王道だと感じています。
正直、これらを達成する前に、獣医療業界から薬剤師は居なくなっているような気がします。
長い目で達成を受動的に待っているようでは実現不可能だと思います。
最短最速で達成することがペトヤクの課題
われわれペトヤクは獣医療業界で、薬剤師が持続的に活躍するために、王道は取りません。(ここまでの話とはなんだったのか?)
今回、あえてペトヤクの事業内容を話しませんが、僕ら薬剤師にできることはもっと沢山あります。
最短最速で、獣医師や動物看護師への信頼関係を築き、獣医療業界から本当の意味で薬剤師が必要とされる日を実現させたいと考えています。
最後に
記事として残すことは予定していますが、僕の気が向くのがもっと先になる可能性がとても高いです。(夏休みの宿題は、9月から始めるタイプだったので)
もし気になる方がいらっしゃたら、直接DMでもなんでも尋ねてください。
ではまた〜。
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