ワニくんのこと好きになると思ってなかった

今回はきくちゆうきさん(@yuukikikuchi)がTwitterで連載されている「100日後に死ぬワニ」についてお話したい。
今日の19時、おそらく100日目が投稿される。
正直話題になりすぎていて、しかもクライマックスすぎるタイミングでこんな駄文を書くのは恥ずかしくもあるが、恥ずかしげもなく書くしかない。

タイトルを初めて目にした時、ギャグ作品だと直感した。
ワニは動物としてのワニで、この強いワニがありえんおもろい死に方をこの100日後にするんですよ、いいでしょってコンセプトだと思った。
その上で、最終日と結末だけがわかってる連載なんて気になるに決まってるぜ天才かよと思った。
しかしながら私はひねくれた性格で話題になっているコンテンツに飛びつくことができないため、ギャグ漫画ではないしワニは人間(?)だということに気づくまでに20日ほどかかった。
20日目あたりでようやく1話から全て読んだので。

どうやらめちゃくちゃ人間として生活してるし、各話にオチがあるわけではないっぽい。
ワニが他の動物たちと経験する良いこと、悪いこと、どうでもいいことを切り取って傍観させられた。
どの日も断片的で、繋がりはわからなかった。
こんな感じで何をしているのかも正体もよくわからないワニが最終日に唐突に死ぬの？
それ面白いかな？
発想とタイトルは確かに画期的だけどこんなな話題になるほど期待できるかよと反感を抱きながらも、それからもなんとなく思い出した時に数日分の更新をまとめて確認していた。
その中で以下のことが次第にわかってきた。
ワニはバイトをしている若者であること。
ワニには友達や片思いの相手がいること。
ワニが人間関係や将来について悩み、段々落ち込んでいっていること。
そして、私が更新を確認する頻度がいつのまにか毎日になっていたこと。

なんで？
別に笑えるわけでもないのに。
正体不明のワニが死ぬってことがわかっちゃってる話なのに。
別にワニが鬱になろうが自殺しようが私には関係ないのに。
ていうかむしろあんなやつ居なくなったほうが清々するっていうか…
だから逆に毎日様子見に来ちゃうだけなんだから！
勘違いしないでよねっ！

脳内で言い訳を繰り返しながらも毎日ワニのことを考えてしまう自分に気づき、ワニくんをめちゃくちゃ応援してしまっていると認めざるを得なくなった。

先輩と付き合えたんだね。
勇気出して良かったね。
おめでとう。
ゲームで食べていけるようになるといいね。
友達みんな揃って遊べるなんて最高じゃない？
良かったね。

ワニくん死んじゃうの？
悲しいよ…
幸せになってほしいのに。

断片的にでも少しずつでも人を知っていけば、正体不明でも自分とは無関係でも感情移入したり応援したりしてしまうものだと気づかせてくれた。
世の中その気になれば楽しめることがいっぱいあるはず。
作者さんとワニくんに感謝。