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証明すること

VNLが終わった。
日本男子が3位なんて、銅メダルなんて、なんだか信じられない気持ちで、夜中に1人涙ぐんでいた。

小学5年生の時に、たまたまテレビでやっていたバレーボールを見始めて、かれこれ17年ぐらいになる。
たまたま見たテレビ放送から。竹下佳江選手が好きになり、全日本女子の試合を見るようになった。
Vリーグを追いかけ始めると、自分の性格上、とてつもなくのめり込む気がして、全日本の試合だけを追っていた。
だから、バレーボールファンだと自分を形容するのはなんだか烏滸がましい気がするので、ただのバレーボールが好きな人としておく。

そのバレー好きが見ていた今年のVNL。
本当に面白かったし、楽しかった。
特に男子は、見ていて楽しくて面白くて、嬉しくなった。
私が小学生の頃見ていた男子バレーは、はっきり言って印象がない。
好きな選手がいなかったというのもあるし、ノースリーブのユニフォームが見ていて少し不快感があったのも事実。
故に、同じ6人制バレーボールという競技でありながら、全日本男子には興味がなかった。
強いスパイクを打たれて終わり。
繋がれないボールに、見ていて楽しさも面白さも感じなかったというのが、当時小学生の私の率直な感想だ。
そして、世間一般的に見ても、興味がない人が多かったのだろう。
なぜか、女子はテレビ放送があるのに、男子はないという時期があった。

それが今は、メダルを取れるようなチームにまでなったのだ。すごすぎる。
ここ5,6年の男子バレーは見ていて、すごく楽しかった。
勝てない試合もあれど、わくわくさせてくれたし、次が楽しみになる試合が多かった。
次は勝てるかもしれない。勝ってくれる気がする。
そんな気持ちで応援していた。
そして今年、何がどうしてこうなったと疑うレベルの強さに、心が躍った。
もしかすると、メダルが取れるのかと?
予選ラウンドの最後の2戦。
イタリア戦とポーランド戦に負けたことを、少し残念に思いつつ、負けていながらも、見ていて面白いと感じさせてくれる選手たちの活躍に、決勝ラウンドへの期待が高まった。

そして決勝ラウンドに入り、ポーランド戦で敗退。
3位決定戦でイタリアとの対決。
ただのど素人の戯言だと思って、聞き流してほしいが、舞台は整ったと感じた。
これが、今の彼らが魅せてくれる最高の舞台ではないのかと。
自分たちはここまで来たんだ!勝ちに来たんだ!と証明してくれるような1,2セット目に、もう涙腺はガバガバだった。
3,4セット目とイタリアに取られた時は、勝てないのか?まだ、メダルは取れないのか。と、弱気になりながらも、実況の土井さんと、解説の福澤さんと清水選手の言葉で励まされ、ハイキュー!!の日向翔陽の「まだ負けてないよ」という幻聴が聞こるぐらい、不安なセット間を過ごした。

5セット目にコートに入る選手を見て、頭を殴られた気分になった。
彼らのここから勝ちに行くという気迫が画面越しにも伝わってきた。
特に顕著だったのは、やはりキャプテンの石川祐希選手だろう。
顔つきが見るからに変わっていた。
4セット目が終わった時だったか、4セット目のタイムアウト時だったか定かではないが、宇宙と交信しに行ったのではないかと思うぐらい、トランス状態な顔をしていた気がしたのだが、5セット目に入って、勝ちに飢えた獣のような顔に鳥肌がたった。
得点が入ると笑顔を見せていた彼だったが、あの5セット目だけは、いつも浮かべている優しそうな笑みというよりも、信念を貫くために心を決めたような顔をしていた。
その姿を見たら、勝てないかもしれない。なんて言う気持ちはどこかに飛んで行った。
勝ちたい!勝って欲しい!日本にメダルを持って帰ってこい!頑張れ!!と、強く思った。

それと同時に、これがトップレベルの選手のメンタルとカリスマ性なのだとも思った。
押されている試合展開の中でも、自分のメンタルをコントロールしながら、身体も操り、チームを引っ張る。
文字だけ見れば、なんてことのない文章だが、実際にそれをやってのけるのは、やはり意味が違う。
どれだけの覚悟を持って今と向き合い、戦っているのかを考えたら、尊敬しかなかった。
全力をかけて取り組むこと。なかなかできることではないし、その全力を鼻で笑う人もいる。それでも、自分が信じた道を着実に歩んでいくその姿はかっこいいとしか言いようがない。
そして、まだまだ上を目指すと宣言する彼らに、楽しみしかない。
日本が世界と戦えるという証明をしてくれて、そして素晴らしい試合を見せてくれて、本当にありがとうという気持ちでいっぱいだ。

おめでとう、龍神NIPPON!!
今日はよく寝れそうだよ!!!!!!

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