外来種ってなに?【基本編!】
まずはじめに!
こちらは外来種ってそもそもなに?
なくらいの方向けのお話しです!
観察会や調査などにちょっと関わっている、研究者でも何でもない生きもの好きの記事ですが、よろしければごらんくださいませなのだ~
それでは、外来種の生きものさんたちについてお話ししていきます!
外来種とは?
ミシシッピアカミミガメ
外来種はざっくり言うと
「人の手によって移動させられた、または人が行った活動の中で、本来いない場所に入ってしまった生きもの」
の事です
例としては
・ペットとして輸入されたが捨てられた、逃げた
(アライグマ、ネコ、ミシシッピアカミミガメなど)
・食用として輸入したものが逃げ出したり、逃がされたりした
(ウシガエル、チュウゴクオオサンショウウオ、ウチダザリガニなど)
・釣りを楽しむために池や川に放された
(オオクチバス(ブラックバス)、ブルーギル、カムルチーなど)
・船の荷物に一緒についてきた、輸入した植物についていた
(セアカゴケグモ、タイリクバラタナゴなど)
などです
勝手に飛んできたり歩いてきたりしたこ達は、基本的には外来種とは呼びませんのだー
また、その中でも人間さんの中でいくつかグループが分けられており、特に対策をされるこたちは”特定外来生物”と呼ばれているこたちが多いです
特定外来生物ってなに?
ブルーギル
特定外来生物とは、これまたざっくりいうと
「外来生物法にて指定される、元々いた生きものたち、人間、農林水産業に大きく被害を出す可能性のある外来種の生きもの」
のことです
詳しくは環境省のHPに載っているので、もっとくわしく知りたい!という方はそちらもご覧くださいませー
これを決めるために、すでに別の国で起きている外来種の起こしたことや、国内での研究結果など、様々な情報が集められています!
よく見る特定外来生物
ウシガエル
オオクチバス(ブラックバス)
ブルーギル
アライグマ
ヌートリア
ソウシチョウ
オオキンケイギクなど
特定外来生物は○○禁止!?
ウシガエル
特定外来生物は、下に書くようなことが禁止されています
・飼育、栽培、保管、生きたままの移動
・輸入
・野外へ逃がす、植える
・許可された人からされていない人への販売や譲渡
たとえば、近所の川で捕まえたウシガエルを家に持って帰って飼育、その後飼えなくなって近所の川に逃がした
なんてことをしてしまった場合、生きたまま移動、飼育、さらに逃がす、となり3つの禁止事項に触れてしまいます!
やってしまうかもしれない許可なしの飼育でも、罰則は「3年以下の懲役、または300万円以下の罰金」…
実はけっこう大変なことなのです…!
ちなみに、一般家庭でも広く飼育されているアメリカザリガニなんかを下手に特定外来生物に指定してしまうと、今飼育している方々に許可が必要になり大量に逃がされる可能性があります
だから、なかなか特定外来生物にできないこ達もいますのだ
なぜ外来種を駆除するのか?
アメリカザリガニ
外来種の中でも、駆除をされるこたちには色々な共通点があります
たとえば強い、すごい勢いで増える、毒を持っている、等です
特に生きもの達への影響はすさまじく、もともといたこ達の住む場所をうばう、生きもの達を食べる
最悪の場合、そこにいた生きものが絶滅したり、その場所の自然がまったく変わってしまったりもします…!
外来種は人間さんにも色んな悪影響があり、ヒアリやセアカゴケグモなどのような、直接人にケガをさせるこもいます
また、ため池や田んぼを壊してしまうヌートリアやアメリカザリガニ、野菜・果物を食べるアライグマなど、農業をしてる人への被害もかなりの金額になっています
生きものの絶滅、自然が変わってしまうというのは、人の生活にもすごく関わっていて
ふだん食べてる食べ物や飲み物、それを作るための土や栄養、住む家を作るための資材、薬の原料、その辺に当たり前にある空気や水など
これらは全て、色んな生きものが関わって生み出されるもの、生きものからとれるものばかりです!
生きものが絶滅すれば、生活に必要なこれらが作られなくなったり、まだ見つかっていない薬になるような成分が見つからなかったり、といったことが起きる可能性があります
外来種問題は、人間さんの生活にとても大きく関わりつつある問題なのです
実際に見た外来種の影響
森の中のため池
あぐりはよく、山や川、池で生きもの探しや調査をしています
あるとき、林の中にすごくいい環境の池を見つけました
周りは木々で囲まれており深さは人が入れる程度、本来なら水生昆虫や貴重な水草などの、様々な生きものがいそうな場所
でもそこで1時間、生きもの探しをした結果は
9割アメリカザリガニ、でした
本来であれば水草もありそうな場所でしたが、ザリガニは植物も食べてしまうので何もなく、他の生きものはほとんど捕まりませんでした
もし、ここにザリガニが入らなければ…
水草がたくさんはえたかもしれない
それを住みかに水生昆虫やカエルといった様々な種類の生きものがいたかもしれない
ここだけに生息していた魚がいたかもしれない
でも、外来種が入ってしまえば、それはまたたく間になくなってしまいます
外来種は悪者じゃない
カムルチー(ライギョ)
これは、あぐりが声を大にして言いたいことです
自然観察会などで、子ども達が「外来種は悪者だ!やっつけろ!」と言ってくることがあります
でも、実際に外来種がしていることは何かと言えば
生きているだけです
かれらは生きるために食べ、生きるために住みかを他の生きものからうばっているだけ
だけど、それは本来、人が持ってこなければありえなかったことです
だから人の為に、そして生きものや日本の自然の為に、外来種対策をするのです
外来種は悪い!というイメージだけが先行してしまっていますが、本来はそうではなくて
なんでやるのか?ということをきちんと理解し、外来種の命の重みを背負ったうえで対策すること
これがとても大切なことだし、少なくとも現場で外来種の駆除に関わるような方々は、形は違えど近い想いを持ってされていると思います
最後に
外来種について、少しはお伝えできたでしょうか…?
かなりざっくりしたお話しなので、もっと詳しくと思った方はぜひおきがるにお声がけくださいなのだ~
そして!
最後にもう一つ言いたいことがあります!!!
あぐりも、そして外来種駆除に関わっている方々も、その多くが生きものとしては外来種が大好きですっ
知り合いのアメリカザリガニの駆除をしている方も、めちゃくちゃアメリカザリガニが好き、と言っていました
外来種も命なのに!駆除なんてやるやつは外来種が嫌いなんだ!共生はできないのか!
と言われることもありますが、実際の現場ではそのこ達を大好きな人が、それでもやらなければ他の生きものや人の生活に悪影響が出るという科学的根拠に基づいてしています
生きもの大好きな人達がやらなければならないと思っているくらい、今の日本の自然は大変な状況になっている
ということを、みなさんに知っていただけたら嬉しいと思います!
色々言いましたが、あぐりはこういった難しいことよりも、まずは野外に出て生きもの達とふれあってもらう、というのが特に大切だと考えています
その中で、生きものの魅力にふれ、興味を持っていただけたのなら、さらにその先にあるこういった外来種問題や日本の自然の今の状況なども、すこし調べていただけるととても嬉しいです
生きものの魅力を知っていただくために、あぐりも微力ながら色んな生きものたちのお話しや、野外で出会った生きものの動画や写真の公開を今後もYoutubeやTwitterなどでしていきます
よかったら、そちらにも遊びに来てください!
また、外来種には今回お話しした問題以外にも遺伝子汚染、国内外来種、といった問題などもあるので、こちらもまた記事にしようと思うのでよろしくおねがいしますなのだー
それでは、またどこかでお会いしましょー!
ばいばい!ノシ
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