![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/19331180/rectangle_large_type_2_e6493b82b969b6c8eaf898614d983715.jpeg?width=1200)
生きもの好きによる、ノラネコやノネコ、放し飼いは良くないというお話し
初めに!
これを書いているあぐりは!
ネコが大好きです!
今まで保護されたネコと暮らしたこともありますし、ネコカフェがあったら入ってしまうし、今朝も知り合いのネコちゃんと遊びまくりました
そんなあぐりだからこそ、今回のテーマはとても大事なことだと思います
ネコの話をするとき、フンの話しやネコ嫌い、みたいな話が問題として挙げられて、他の生きものや自然に対する影響について書かれていることが少ないと感じています
あぐりはネコも含めて全ての生きものが大好きなので、そういった目線で今回はお話していきたいと思います
今回お話し出来るのはあくまで、一般人であるあぐりが知りうる範囲のものなので、もし最新の研究結果やデータ等の、科学的根拠のある情報をお持ちの方がいらっしゃればご教授ください
また、今回めっちゃまじめな上に長いので、あぐりの伝えたいことがパッと見たい方はまとめをごらんください
ノラネコ、ノネコの違い
ノネコ、ノラネコとややこしいですが、この2つに種としての違いはない、とされています
両方ともイエネコ、という種類の生きものであり、また人の飼育下から野外に放たれた生きものです
ただ、調べたところ一般的に、
人の生活圏で、人によるエサやりやゴミあさりをして生きているのが”ノラネコ”
山や森等で、野生化しているのが”ノネコ”
と区別されることが多いみたいです
ネコは外来種
日本のノラネコ・ノネコはイエネコであり、外来種です!
日本に元からいたネコは、対馬の”ツシマヤマネコ”と、西表島の”イリオモテヤマネコ”の2種類しかいません
その2つの島以外のネコは、飼育されていたイエネコが野生化したものの可能性が高いです
さらに、イエネコは「世界の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれている生きもので、エサとして希少なほ乳類、鳥、は虫類や両生類、昆虫などを捕食することで問題になっています
他の生きものへの影響
上記にもある通り、イエネコは多くの小さい生きものにとって恐ろしいハンターです
実際に、それほど多くない頭数のイエネコによって生きものが絶滅したという話しや、イエネコが入れなくした場所で他の生きものの個体数が明らかに増えたといった研究結果もあります
また、日本ではイエネコのように身軽で、狩りが上手いほ乳類が野生化にいなかったため、他の生きものたちが対応しづらいというのも大きな問題です
野生動物だけではなく、人間にとっても排泄物による衛生的な問題や、ほ乳類を媒介して人にうつる病気のリスク等が考えられます
食べるだけじゃない
また、イエネコによくある行動として「遊びの狩り」があります
家にネコが生きものくわえて帰ってきた!というやつです
あぐり自身、野外でネコによる狩りをされたであろうネズミや小鳥をみつけたことがあります
エサをやっていても、外に出せば多くの他の命を奪ってしまう
これがイエネコが問題とされる原因の一つでもあり、”放し飼い”が問題とされる理由でもあります
ネコは室内飼いがおすすめ
広い外で生きるのがネコにとって幸せ!
なんてお話しもありますが、本当にそうかな?とあぐりはいつも思います
ネコは飼育下だとだいたい15年程度の寿命と言われていますが、野外に生きるネコは何年くらい生きるとみなさんは思いますか?
正解は、約3年です
もちろん個体差はありますが、病気やケガ、事故、エサの量や気候、野外には死のリスクが山ほどあります
このリスクは、放し飼いの場合も同じです
家の中ならなんと毎食ごはん付き、温度管理された快適な住まいも提供されて、ケガや病気をしたら病院にも通え、かつ勝手に子孫繁栄まで人間が手伝ってくれる
最高やん…
地域猫・TNRについて
地域猫とは、「不妊・去勢手術をしてそれ以上繁殖しないようにしたうえで、地域でエサやトイレを用意され管理されているネコ」の事です
世界的にもされているTNRという取り組みの、日本版です
(Trap→捕まえて、Neuter→不妊去勢手術をほどこし、Return→元の場所へ返す)
これらは「これ以上ふえないようにする」「今ある生を、おだやかにすごさせる」といった考えのもとで行われているようです
ただ、こちらには問題点がいくつかあります
・すぐには効果が出ず、その間に犠牲になるその他の生きものの事が考慮されていない
・最低でも地域に存在するネコの約半数に行わなければ、効果が出ないと言われている
(別地域からの移入、新たに捨てられるネコも含めて)
・1頭の不妊・去勢手術を行うのに1万5千円~3万の費用がかかる
・地域猫というものを正確に理解せず、手術だけ、エサやりだけ、といったことをしているところがある
個人的に、TNRは野生生物を守るという環境保全と、動物愛護、そしてさまざまな問題の妥協点としての一つの形ではあると思います
あぐり自身、命は粗末に扱われるべきではないと考えているので、できるだけ命を大事にしたいというところに共感もします
ただこれは町中に限る話しであり、すべての場所に使える方法ではありません
土地の限られた離島、山や森林といった自然度の高い場所、希少種がいるとわかっている地域
こういった場所ではできるだけ早く効果のある対応をしていかないと、ネコがいなくなる前に周りの生きものがいなくなる可能性があります
有名な地域だと”奄美大島”がありますので、良ければ調べてみてください
ネコ対策をしている人はネコ嫌いなのか?
駆除なんてひどい!
ノラネコやノネコの駆除をしなければならないと言っているのは、ネコが嫌いで命を粗末に扱うやつらだ!
みたいなのもよく見るけど、そんなことはないです
まず、それらを問題にしている研究者、ならびに活動をしている人たちは生きものが大好きですし、ネコ好きも多いです
ただ、ネコだけでなく他の生きものも好きだから、外来種であるネコによるほかの生きものへの悪影響を防ぐために、科学的根拠にもとづいて対策をしています
命を奪ず解決できる方法があるならしたい、というのが共通の認識だと思います
ですが、ネコを1匹保護するにも、
食費、施設費、人件費、病院代、といったお金の問題
東京だけでも10万は超えると予測されているネコを受け入れられる広さの土地の確保
それらを管理する人員
の全てを用意しなければならないという現実があります
しかも、これはネコだけです
外来種の中には、問題とされる特定外来生物100種以上、まだ被害があるかどうかわからないとされる外来生物3,000種以上が環境省によって指定されています
これら全ての総数は、いったいどれだけの数になり、彼らを保護する場合どれだけのコストがかかるのか?
これが、生きものを保護するという現実です
国ならば用意できるだろう、なんて甘い考えは現場にはありません
だからこそ野生生物に関わる生きもの好きは、いつもこういった現実に直面しながら、考え、何とかできないかと活動しています
科学的なデータに基づき、できるだけ失う命の少ない形で、対策をしているのです
飼育、ノラネコ・ノネコをどうしたらいいのか?
まず、飼育に関しては屋内飼育が基本です!
さらにいえば、そのこが死ぬまで一緒にいられないなら、飼わないこと!
里親がみつからないから外に逃がす、という行為で救われるのはネコではなく、逃がした人だけです!
また、ノラネコ・ノネコ問題については色々むずかしい、というのが現状です
一番の理想は、
ネコを逃がす人、屋外飼育するかたがいなくなり、全ての野生のネコは施設や一般家庭にて保護され、保護しきれないネコも不妊去勢が行われることで、不幸になるネコも、被害にあう生きものもいなくなる
かなぁと思いますが、これまでに書いた通りこれはなかなかきびしめです
時間が無限にあれば地域猫というのも一つの手ですが、現実は他の生きものの絶滅や減少の方がはやそうです…
こういった取り組みも含め、生きものに関わる問題には色んなアイデアやアプローチが必要です
意見の違う者同士でぶつかり合うのではなく、話し合って、解決策を考えていきたいですね
まとめ
色々書いてしまってわかりづらかったかもですが、あぐりが特に伝えたいことは以下の7点です
1.イエネコは日本でも外来種であり、世界的にも問題になっている
2.放し飼いも含めて、ネコによる人間を含めた他の生きものへの被害やリスクは大きく、対策が必要
3.ネコは室内飼いのほうが安全安心で、環境にもやさしい
4.地域猫は、希少種保全という視点ではあまりオススメできない
5.使えるリソース、かけられるコストは無限ではない、というか現状全然足りない
6.きびしいが、色んな立場で話し合い、解決していきたい
7.ネコだけが命ではない
あぐりは昔から家でも外でも、生きものたちと一緒に生きてきました
だから、一つの生きものだけをみるのではなく、ペットも野生動物もふくめ全ての生きものを広い視野でみたいと思っています
今回書いた内容は、調べれば簡単に手に入ることばかりで、でも一般にはほとんど普及していないことでもあります
まずはネコちゃんだけでなく、他にもたくさんいるかわいい、かっこいい、おもしろい生きものたちのことを多くの方に知ってもらいたい、と思って今はYoutubeでの活動や、自然観察会等を行っています
生きもののことがわかるようになると、田舎とか行って何にもない…なんて言えなくなるくらい楽しくなるので、おすすめです!
そして、できればそこから1歩すすんで、野生の生きものや自然に関することの現実、なぜ環境保全をするのか?といったところも多くのかたに広めていきたいです
なかなか道は険しく、そもそも道がなかったり、目的地すら見えなかったりもしますが、あぐりが出来る範囲で活動をして、生きものたちと長く楽しく生きていきたいと思います
それでは、またどこかでお会いしましょー!
ばいばいノシ