哺乳瓶、哺乳瓶、哺乳瓶…(サブリミナル効果を信じて) 【子育て日記15】
うちの娘、生後2ヶ月。ついに哺乳瓶拒否を始めた。
これがなかなか厄介で、ミルクを飲んでほしいのに「いや!」とばかりにプイッと顔をそむける。まるで、「私は母の直営店しか認めません!」という強いこだわりを持つグルメ評論家のようだ。
当然、妻は焦る。「どうしよう?! これじゃ一時預かりもできないし、仕事復帰にも影響が…!」と、まさに顔面蒼白。
いやいや、これは大変な事態ではないか。夫として何かできることはないのか?
ふと、ひらめいた。
サブリミナル効果だ。
サブリミナル効果とは、意識にはのぼらないレベルで情報を潜り込ませることで、人の行動や考えに影響を与えるというアレである。つまり、娘の潜在意識に「哺乳瓶は最高だよ」と刷り込めば、彼女も気づかぬうちに「なんか知らんけど哺乳瓶イケるかも」と思い始めるのでは…?
そこで、実験開始。
「よ〜し、今日もいっぱいミルク飲もうね〜哺乳瓶〜! あら、かわいいね〜哺乳瓶〜! いい子だね〜哺乳瓶〜!」
そう、娘への語りかけの途中に、小声で「哺乳瓶」を忍ばせる作戦である。
すると、すぐに妻にバレた。
「…何してんの?」
「いや、サブリミナル効果を使って、娘の潜在意識に…」と、得意げに説明したが、妻の顔は完全に「呆れ」の表情だった。
「いや、普通に練習させようよ」
…ごもっとも。
かくして、私のサブリミナル大作戦は、妻の冷たい視線とともに静かに幕を閉じたのだった。
でも、娘が数日後に哺乳瓶を受け入れたら?
それは私のサブリミナル効果が効いたってこと…なのかもしれない(たぶん違う)。