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第9回 【コンサルHACK】ひとり起業家としてのタスク管理術

吉野 今日は『コンサルライフハック』シリーズです!

りこ 仕事術みたいな感じですね。ライフハックみたいな。

吉野 そうです。今日は一人起業家としてのタスク管理のお話をしたいなと思っています。
会社に勤めている方だと、グループ会社の共有のスケジュール管理ソフトがあったり、セキュリティが厳しいと外部のアプリケーションを入れられなかったりとか、そういうのあると思うんですけど、一人起業家になったタイミングで、どういったアプリケーションでスケジュール管理していこうかとか、どういったツールやリストを使っていこうかとかっていうのを、自分で決めていかなきゃいけないんですよね。僕も日々アップデートしながら徐々にまとまってきたので、今日はそんなお話をしたいと思います。


起業するとタスクは増える

りこ 吉野さんはタスク管理やスケジュール管理は得意な方ですか?

吉野 あーどうだろうなあ。どちらかというと得意かもしれません。何事も自分で精度を上げていく作業が好きなので、例えば新しいアプリが出たら試して改善したり、そういうことは好きですね。

りこ なるほど。
会社員から独立した時に、「こんなことも自分でやるんだ」みたいなギャップとかありましたか?

吉野 全然ありましたよ!それは当然仕事のことだけでなくて、税理士さんとの話とか、保険とか年金とか、いろいろあります。

りこ そういうことも、全部自分のタスクになっていくってことですもんね。

吉野 そうなんですよ。それを抜け漏れなくやっていかないといけないです。
また、僕はコンサルタントとして常時10社以上のお客さんをご支援しているんですけど、クライアントごとにタスクがありますし、さらには、クライアントと共有のタスクなんかもあります。そういうものをどういうふうにこなしていくか、というのは結構大事なんですよね。

りこ 共同でやる作業があると難しいですよね。みんなでスケジュール合わせて進めないといけないから。

吉野 そうなんですよ。常に同じように仕事している人の管理術の良いところを盗んだり、本から情報を入手したりしているんですよね。そんな中で参考にしている方がいまして、佐藤オオキさんという方です。佐藤さんは、今、日本のクリエイティブディレクターの中でトップクラスの方なんです。身近なところで言うと、ローソンのプライベートブランドのデザインやスターバックスの店舗デザインなどを手がけています。また、有名なところで言うとオリンピックの聖火台も手掛けた方なんですね。

りこ ええ。

吉野 佐藤さんの仕事術に関する本もいくつか出版されていて、私はそれを読んで参考になる部分には付箋を貼っています。彼は本当に素晴らしい能力を持っていて、常時何百ものプロジェクトを同時に進めているんですって。

りこ 著名な方ならそうなりますよね。

吉野 世界を渡っていろんなクライアントさんと仕事をしているんですけど、その大量の案件をどうやってこなしているんだろうと気になっていたら、やはり本の中にタスク管理の話があったんですよ。


デザイナー・佐藤オオキさんのタスク管理術

吉野 佐藤さんがどういう風にタスク管理をしているのかっていうことなんですけど、基本的にはスマートフォンのアプリを使っているらしいんですね。
りこさんはスマホのアプリでタスクアプリとか使っています?

りこ 私どっちかというと紙派なんですよね。

吉野 あーそうですよね。
例えばappleならデフォルトで『リマインダー』っていうアプリがあったり、Googleなら『Google Keep』、Microsoftにも同じようなツールがあったと思います。世の中にはそういったツールが本当にたくさんあるんですよ。

りこ Notionとかもチェック付けれたりしますよね。
繰り返し行う同じタスクはNotion使ったりもしてますが、その時一回とか、毎日のやることとかは手で書きたいタイプです。

吉野 あとシンプルに付箋に書くとかね。いろいろやり方がありますよね。


タスクをどう分類するか

吉野 概念的には同じだと思います。タスク管理ってつまりは、タスクを目に付くようにしておいて、こなせたら削除して、忘れないようにすることですよね。
概念的には同じでも、その次に分類という作業があるんですよね。タスクをクライアント別に管理するのか、優先順位別に管理するのか、もう分けずに機嫌だけ決めてまとめて管理する、とか。

りこ タスク管理、そして分類ですね。

吉野 この佐藤オオキさんの分類方法が結構面白いんですよ。スマートフォンのアプリを使ってタスクを3つのフォルダに分けるんです。それが『Now』、『Later』、『Maybe』です。『Now』は3日以内にやる仕事を入れる場所で、ぼんぼんそこにタスクを追加していくんですって。

りこ 緊急度が高いというか、すぐにやらないといけないこと…

吉野 そうそう、わかります。ちなみに、僕も現在この方法でタスク管理しています。次に『Later』というのが、緊急性はないけれども、放っておくと危機的な状況を招く可能性があるもの、ということなんですよ。

りこ うーん、吉野さんの分類的にはここには例えばどんな仕事が入りますか?

吉野 そうだなあ。例えばさっき言ったような事務的なことですかね。税理士との書類作成とか。

りこ なるほど。絶対今ではないけど、いつかはやらないと困ることですね。

吉野 そうなんですね。例えば、向こう6ヶ月とか3か月の間にやらないといけないこととか、クライアントワークに関してはほとんどが『Now』になります。昨日打ち合わせして、アクションリストが決まったら、それを『Now』のフォルダにボンボン入れていく感じですね。ただ、この『Now』のところに物事が溢れているっていう状況は精神衛生上あまり良いことではないんですよね。

りこ 常に追われている感じになりそう…

吉野 そうなんですよ。なので、なるべく『Now』のフォルダに物事が溢れる状況を避けるようにしていかないといけないんですけどね。で、最後に『Maybe』のフォルダですね。ここには、やってもやらなくても大丈夫だけど、それによって長期的なメリットがありそうな仕事を入れていくそうです。例えば僕だったら、「サウナに関する仕事を作り出す」とかね。

りこ 夢とか目標、みたいな感じですね。のちのちこんなことしたいなあ、みたいな。

吉野 そうです、そうです。「吉野塾でこんな企画をやりたい」とかとか、企画系を入れるようにしていますね。

りこ なるほど。

吉野 仕事じゃなくても旅行に関することとか。僕の場合は「何年後に長野県にサブスクのログハウスを借りる」とか。


タスク管理はSimple is Best!

吉野 確かに、この3つに分けるっていうアプローチはシンプルでわかりやすいですよね。『今』『後ほど』『いつか』というカテゴリーでタスクを整理することで、効率的に仕事を進められると思います。たくさんの仕事をこなすにあたって、複雑なタスク管理をしてしまうと、本末転倒なんですよね。

りこ 細かく分ければ分けるほど、結局は一つずつのフォルダを開いて確認しないといけなくなりますよね。そうなると、いつそれをやるのかという時間の管理も難しくなりますよね。3つならシンプルです。


かっこよくなくていい。いかにメモリを使わないかが重要。

吉野 仕事関連の本とか読むと、なんだかかっこよく管理したがるところがある気がしていて。

りこ あはは。

吉野 仕事ができる人であればあるほど、物事をなるべくシンプルに、頭をすっきりさせておくと思うんですよね。

りこ 分かります。結局、タスクを管理していること自体もストレスというか、そこにもメモリー使ってしまうから、シンプルであるに越したことはない、って普段からめちゃくちゃ思ってます。

吉野 わ、りこさん今いいこと言った。そうなんですよ。メモリ使っちゃうんですよね。この手の話はメモリを使わずにやるのが重要だよね。
僕も以前はクライアント単位とか、プロジェクト単位でフォルダー分けをしていたんだけど、それは辞めました。さっき言った3つのフォルダだけで管理して、タスクにタグ付けできる機能を使ってクライアント名を入れたりするような形にしています。

りこ 前回の持ち物の話でも思ったんですけど、自分が管理すべきものが大きかったり多かったりすると、それだけで疲れちゃうんですよね。

吉野 そこにメモリとられちゃうからね。

りこ なるべく力を全部仕事に向けられた方がいいですよね。

吉野 そうそう。だからメモリの空き容量みたいなものは、常時ある程度余裕を持たせておくのが良いですよね。


ちょっとした空き時間を上手に使うコツ

吉野 佐藤さんはこうやって『Now』『Later』『Maybe』の3つにタスクを分けています。仕事をしている中でクライアントとの面談の合間とかに、日々ちょっとした空き時間が生まれるとするじゃないですか。例えば5分空いたらその時間に『Now』のフォルダを見て仕事をこなしていくんですって。

りこ なるほどなるほど。

吉野 佐藤さんにはもう一つルールがあって、「やりかけの仕事を放置しない」んだそうです。例えば、普通、少し時間が空いたら「メールの返信をしておこうかな」とか思うじゃないですか。で、メールを書き始めたけど途中で打ち合わせの時間になってしまったので、そこで書くのを辞めてしまうと。そうすると中途半端になりますよね。そういう行き当たりばったりの仕事の仕方は良くないらしいんです。結局打ち合わせの後には「どこまで書いたんだっけ?」ってなるじゃないですか。

りこ うんうん。もう一回最初から読み直して、頭をメールの返信モードに戻さなきゃいけなくなりますね。あるあるですよね。

吉野 割とあるあるですよね。やっぱりそういうところに時間的な無駄が生じてくるので、5分空いているなら5分で終われる仕事を探すんだそうです。そうすることで仕事が高速化して、効率良くタスクをこなしていけるんですね。


一方で、アナログ派の人

吉野 りこさんは先ほど手書きって言ってましたけど、ノートとかですか?手帳?

りこ 手帳です。スケジュール帳。一日のマスが大き目のスケジュール帳を使っていて、今日の予定を書きつつ、その横に今日のto doリストを毎日書いています。私も分類はあまりしていないかな。吉野さんとの仕事も、ライティングのことも、とにかく今日やることをバーッと箇条書きで書いてます。

吉野 ほぼ日手帳とか有名ですよね。

りこ 終わったタスクを消していくのが好きなんですよ。「終わったー」って思いながら、黒い線を引くのが好き。

吉野 分かる気がする。それは確かにデジタルよりもアナログの方がいいですね。

りこ ちょんってタップするんじゃなくて、線を引きたいんです(笑)

吉野 あと、過去のものを振り返りたい時には意外とアナログの方がいいですよね。過去に立ち戻った時の気づきは、アナログの方がある気がする。

りこ 確かに。デジタルだと、「たまたま目に入る」ってことはないですもんね。自ら調べに行かないといけないので。
手帳だったら、パラって先月のページを見ると、「先月こんなことしてたな」とか「この時もこれをやり残してたから今月はやらないといけないな」とか、振り返ることができます。それもあってアナログ派ですね。

吉野 ページをめくる過程で気づきを得て振り返れるのはアナログの良さだね。

りこ でもそれも今のタスクの量だからできることなのかな、と思いますね。私は書けば済む量のタスクしかないんですけど、佐藤さんのように何百とクライアントがいて、同時進行のプロジェクトがあって、という状況であればデジタルの方が効率が良いですよね。手でなんて書いてられないですから。

吉野 でも佐藤さんがその本の中で、ちょっとしたスケッチのメモは全部手描きだって書いていました。間違ってたら申し訳ないんですけど…たしか、ペンや紙にはあまりこだわりがなく、どこにでもあるようなものを使ってるって書いてあったような。そういうところにはこだわらないんだ、と思いました。

りこ 面白い。どこにこだわるか、どこに時間かけるか、どれはデジタルでどれはアナログか。そういったことも自分に一番合う方法を考えていくのが大事ですね。


ポモドーロテクニック

吉野 佐藤さんの話とは変わるんですが、ポモドーロテクニックっていう時間管理方法があります。これ結構有名ですよね。

りこ よく聞きます。

吉野 25分集中してその後5分休憩、また25分集中して…と繰り返していくのがポモドーロテクニックです。世界的にもよくやられている方法で、専用のアプリなんかもあるんですよ。

りこ 時間を計ってくれるんですか?

吉野 そうです。そういったアプリをmacなんかで起動させておくと便利かもしれませんね。

りこ だらだら仕事をするんじゃなくて、この25分で終わらせられることは何だろうって考えながらやれますね。


Googleカレンダーの活用術

吉野 あと最後に、僕がここ1年くらいやっている手法を紹介します。
僕はスケジュール管理はGoogleカレンダーを使い続けているんですが、カレンダー上で時間を決めてタスクをスケジュール化しています。打ち合わせとか、こういったPodcastの収録とか、そういう予定は当然入れるんだけど、そこに取り組むタスクの予定も入れています。

りこ 打ち合わせとか収録とか時間が決まっている予定の合間に、これだけ時間があるからこのタスクとこのタスクをやろう!という感じで予定が組めるわけですね。目で見てパッと分かりやすそうです。

吉野 そうそう。それは結構効率的だと感じていて、実践していてよかったと思っている方法です。


いろんな人から学んで自分に合う方法を探そう

りこ いろいろありますね。

吉野 あります。いろんな人の方法から自分に合うものを探して、よりシンプルにしていけるといいですね。
繰り返しになるんですけど、さっきりこさんが良いこと言ったなと思うのでもう一度。結局メモリなんですよね。

りこ えへへ。

吉野 タスク管理をすることが仕事になっちゃうのって良くないじゃないですか。ひいてはそれが人生になっちゃったり…
そうじゃなくて、自分がやらなきゃいけないこと、いつかやりたいと思っていることを効率的にこなして、実現していくことが大事ですね。

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◎吉野 隆行
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◎須村 りこ
京都市在住、2歳男児の母。
これまで某国際空港のグランドスタッフや学習塾の講師、科学館スタッフなどの仕事をしてきたが、結婚、引越し、夫の転勤、出産、育児などライフイベントに伴い転職を繰り返す。
家族、自己実現、仕事をバランスよく並立させたいと考え、2022年4月からフリーランスに転向。
現在はオンラインで、宅録ナレーション、オンラインセミナーの運営サポート、ライティング、事務作業など様々な仕事の受託や、子ども向けのイベントの企画や実施などをしている。
会社員時代の収入を取り戻せるよう模索中。



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