「生涯弁護人 事件ファイル1」
大まかな所感
裁判って実際にこういうことが起きているのかというところがわかって面白い(判決を下した裁判官、判決文とか)
事件ファイルで読み応えがあったのは、村木厚子さんの冤罪事件。
この本は、YouTubeチャンネルの「日経テレ東大学」に弘中弁護士が出ていて、そこから興味を持ったのがきっかけで読み始めました。※チャンネルが閉鎖され今は見れません。。
弘中さんは「無罪請負人」とも呼ばれ、最近だとカルロス・ゴーンさんの弁護人としても有名です。
YouTubeでも村木さんの事件に触れていたこともあり、そこが特に印象に残っているのですが、日本の司法ってこんなに問題があるんだと気付かされる内容でした。正直裁判に関わることがなければ、他人事になるような話題ですが、いざ自分が巻き込まれた時にどうなるのか不安も感じました。
もともと、裁判ドラマやドキュメンタリーを見ることが好きで、主にアメリカの裁判を見ているのですが、日本司法にはそこまで興味は持っていませんでした。
法律は政治よりも一般人が自分への関連度を意識しづらいからこそ、事件や事故の当事者になってはじめて、現行にそぐわない法律や、司法の問題点、警察や特捜の問題点に気づくのだと思う。
この本の内容は弘中弁護士の視点で語られているのでそこを踏まえなければいけないし、検察視点だとまた違ったものが見えるかもしれないけど、事実や判決がベースとなっているためおおよそ見方が偏ることもないと思う。
もし何かあった場合、弘中さんのような弁護士に出会えるかは運と人脈次第なところで、自分の人生に何も起きないことを祈るばかり。
弘中さんのような弁護士が増えれば、検察とも同等に裁判で戦ってくれる環境が作られると思うのだけれど、本の中でもあったように彼の大学時代の環境や世代というところが大きいのかなと思った。
自分の父親の世代がまさに学生運動が活発で、反体制的というのか、何かを変えようという意識や情熱に溢れる人が多かった気がする。もちろん若さがそれを後押しする要因ではあるけれど、自分が学生の頃や働く世代になって同じようなことを考え、してきたかというとどんどん無関心になっている。
そもそも、将来に対して明るい考えがなく、ゆっくりと死んでいく日本で生きている、他人や社会全体を変える気力もなければ、それができるとも思えない、そんな意識が強い。(そうでない同世代の方々すみません。。)
何かができるわけではないけど、まずは司法に限らず、問題は何かを知り話すこと、まずはそこからかなと思う。
自分は独身で子供もいないので、少子高齢化の社会の中では特に優先的に国から支援される方でもなく、まぁ生活が苦しすぎる貧困状態にあるわけではないので、なんとなくその日を暮らしているけど、結婚して子供を産んでいない=不幸な人、問題がある人という意識(周りからそう見られている気がして)生きづらさは感じる。
寂しさや体調崩した時などの不便さなどはあるけど、嫌な思いを我慢して誰かと一緒にいるより一人の方が楽で、自分の過去を振り返っても子供を生み育てる経済力があるか、幸せにできるか自分に自信がない。一人で生きる生き方があっても良いように思うけど、わがままで愛を知らない人なのかもw
話が脱線したけど、本や何かの情報や知識を得て、周りにも関心を持ってもらうことで、行動に起こせるかはまだ考えなければいけないけど、最終的にはいい社会で、他の人にも生きやすい世界になってほしいとは思う。