「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」
〜余談〜
昨年の月一冊目標は後半に挫折したため、今年こそはと思っていたら1月全く本を読んでおらず早々にピンチを迎えた。やっぱり読みたいと思わないと読めないので当分はビジネス本以外を選んでます。
大まかな所感
ぜひ読んでみて欲しい
炎上の可能性(実在した人物、既にお亡くなりになっている方のことを記載しているので)もある本だからこそ、一歩引いて読むべし
本を読んで思い出したエリザベス・ホームズ(医療ベンチャー企業のセラノス (Theranos) を創業し CEO を務めていた)興味のある人はドラマも見てほしい
この本は、数年前にテレビでも取り上げられていた登山家の栗城さんについて書かれているノンフィクション本で、著者は早くからご本人と交流のあった北海道放送のディレクターの方が書いています。
個人的にはYouTubeのまとめ動画とかで、栗城さんは知っていており少し懐疑的な見方をしてい他ので本を見て面白そうだなと思って読んでいました。(一晩で読んだ)
本自体は結構著者の主観も入るので客観的でない可能性はあるという前提はあっても、もし(おそらく真実)記載されている内容が本当であれば、栗城さんはなんでこんなことしちゃうんだろうと思うことがたくさんあった。
自分自身は人並みに自分にプライドも自信もあると思うけど、人の目が気になるのか自分を大きく見せることがすごく苦手だし、例えば転職の面接でもハッタリとかかませない。。誇張して入社できた後のことを気にして、大きなことは言えない。以前同じ職場の先輩などは結構ハッタリも上手くいっていて、同じようにワーキングホリデーで1年近く日本で仕事をしなかったけど、私と違って高い給与をもらっていて、自分って馬鹿みたいだなとショックを受けた。
話は脱線しまったけど、要するに栗城さんがメディアを通して誇張されて報道されていたり?、本人が自分を大きく見せようとプロデュースしていたところは、それができる人とできない人がという人間のタイプとしては共通する話だと思った。
栗城さんについては、エベレスト登頂についてファンからクラウドファウンディングで金銭的な支援を受けていたけど、
彼の挑戦はプロから見ると実力に見合わないほぼほぼ無理な内容だったこと
登頂に対して、必要とされる努力(肉体的なトレーニングなど)をしていなかったこと
無謀な内容で他者を巻き込んでいたこと・
虚偽と思われるようなことが多く、アンチが多くなってしまったこと
この辺りが理解不能だった。確かにややこしいけど、憎めないような魅力のある人は時々いるけど、実際に自分の周りにいたら関わりたくないと思ってしまう笑
題材にされている方が実際にお亡くなりになっている方なので批判したいということではなく(著者の本しか読んでいないですし、一歩的な見方になっている可能性はあるので)、SNSが巻き起こした新たな現象?が怖いなと思ったし、本から学んだことでもある気がする。
インターネットで見知らぬ人との距離感が曖昧になっていることや、バイラル(ウイルスのように物事が広がっていく)のが怖いなと。
栗城さんの話の場合、アンチの多さもある一方で、一見ポジティブにしか見えない(無責任な)応援も人を追い込む可能性はあるんだという気づきがあった。あと、有名/お金になりそうなことに群がってくるよくわからない人々もいるんだなと思った。
最後に、本を読んだ後に思い出したのは、エリザベス・ホームズという次のスティーブ・ジョブズと言われていたアメリカのセラノスのCEO。ざっと検索してもらうとわかるけど、画期的な血液検査技術をうたって多額の資金援助を受けていたけどそんな技術はできていなかった(なんなら他社の既存製品/技術をこっそり使ってくらい)まぁ詐欺で捕まった人。
当初少し大きく見せていた嘘が、応援する人が増えて後に引けなくなったのか、できると自分自身を騙して信じ始めていたのか、ほんとのところはよくわからないけど、自分一人でコントロールできないところまで大きくなってしまったことは確かだと思う。
取り留めのない感想になったけど、インターネットやメディアによって作り上げられる大きな波(上手く言葉にできない)は、良くも悪くも付き合い方を知らないといけないと思うし、30半ばの自分はいいタイミングで生まれたなと思う。(大学時代の若干の黒歴史はFacebookに残ってるけど、もはやFacebookなんて5年以上放置だし見てる友人もいないw)
しばらくは自分の中でノンフィクションものブームが来てるので、それが続きそう。
Crimeものだけど、Netflixの”Don't F**k with Cats”も衝撃だった。
事実は小説よりも奇なり