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夢、どうや? 第一夜


夏目漱石に「夢十夜」という作品がある。
冒頭は「こんな夢を見た」で始まる。
夢というものは、辻褄が合わず、脈絡がない。
漱石先生の作品も、訳が分からず、辻褄が合わない。
それでいいのだ。
夢だから。
漱石先生の真似(リスペクト)をして、夢を記録してみた。
文豪の夢日記なら読み応えもあるが、普通、人の夢なんておもしろくない。
それでいいのだ。
夢だから。


2023/12/04
おもにゃんがクラブハウスにて
「夢開き」(初朗読)してくださいました。
ありがとうございました。


こんな夢を見た。
飼っていたハツカネズミが子供を3匹産んだ。
巣穴で3匹はスクスクと大きくなり、あっという間に親離れをして、どこかへ行ってしまった。

そうしているうちに、もう1匹子供を産んだ。
が、今度はハツカネズミの育てようとしなかった。
育児放棄だ。

仕方なく、リビングのテーブルの上いっぱいの大きさの浅い木箱に、ラーメンのように細長く切った紙の梱包材を敷き詰め、そこで育てることにした。

この子ネズミは、ネズミの子供にしては大きかった。
子犬くらいの大きさだ。
親ネズミよりも大きいのではないか。
しかしまだ目も開かず、産毛の下にピンクの地肌が透けて見え、イモムシのようにうつ伏せでもそもそ動いている様は、明らかに生まれたての赤ん坊だ。
あまりに大きすぎるため、親ネズミに育児放棄されたのかもしれない。

さて、餌をどうすればいいのか。と呟くと、家の者が君のお乳をあげたらいいんじゃないかと言った。
そんなバカな。
子供も産んでないのにお乳が出るわけがない、と思ったが、胸が張るような心持ちがした。
何十年ぶりかに感じる胸の張りだ。
私は母乳が出るんじゃないかと思った。
試しに子ネズミに乳首をくわえさせてみた。
子ネズミは意外に強い力で、こくこくと喉を鳴らしながら、美味しそうに私の母乳を飲んだ。この子ネズミを愛おしく思った。



子供を産んで母乳で育てたこある方なら、誰しも経験があると思うのですが、授乳中は、子供の泣き声を聞くだけで、条件反射的にお乳が作られて、胸が張る感じがしたものです。
さすがに今はそんなことはないですけど、なんと夢の中でその感覚が…
夢って不思議です。
第一夜、と書きましたが、続きがあるのかは不明です。

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