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会社名をコモンズ(KOMMONS)にした理由

国内最大級のカスタマーサクセスコミュニティを軸に傍楽*(ハタラク)に繋がる事業を展開しているKOMMONS代表の白塚です。
*傍楽:自分が楽にしたい「誰か」の役に立っている実感を得ながら働くこと

今日は僕たちの会社名であるKOMMONS(コモンズ)の由来についてお話ができればと考えています。


そもそもコモンズとは?


コモンズは元々経済用語で、共有地を意味します。共有地とは、誰かが独占することなく、誰でもアクセスできる有用な資源がある場所という意味です。

詳細はこちらのnoteに譲りますが、僕たちのVisionである「働くを、傍楽に」を実現するために、コモンズが重要な役割を果たすと考えています。

ここからは、そう考えるにいたった経緯と、コモンズで実現したいことをお話ししていきたいと思います。

海外旅行と日本での暮らしでもった違和感


大学生と社会人の時に、長期休暇を利用して友人と海外旅行に行きました。
ヨーロッパとアジアを中心に合計十数ヵ国に旅行に行く中で、やっぱり日本が一番暮らしやすいし、満足度が高いなと感じました。

海外旅行によく行く方の話を聞いていても、「旅行」感覚的には8〜9割の方が同じ感想を持っているような気がします。
その一方で、国毎の経済成長の指標としてよく使われるGDP成長率は低く、ニュースなどで懸念の声をよく聞きます。

「成長しない日本のGDP、停滞の20年で米国は日本の4倍、中国は3倍の規模に」より引用

こういった経済指標で示される豊かさと、日本で暮らす中で多くの方が感じている豊かさには乖離がある様に思います。

GDPに換算されない価値について考える


では「豊かさを測る理想的な指標とは?」という問いは、専門家の皆さんが自分よりもずっと長い時間をかけて考えていらっしゃると思いますので、今回のnoteでは触れません。

ただ、先程の「GDPで測られる豊かさと、日本人の多くが感じている豊かさのギャップは何だろう?」という問いについて考えることには価値があると考えています。

まず、GDPの定義についてですが、

GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)
▶︎ 期間内に国内で産出された付加価値の総額のこと。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券用語解説「GDP/国内総生産」より引用

そして、付加価値とはサービスや商品などを販売したときの最終価格から、原材料や流通費用などを差し引いた価値を指します。

上記を前提に考えていくと、GDPで測られる豊かさと日本人の多くが感じる豊かさのギャップの1要素として、「売上に転嫁されていない付加価値」があると言えそうです。

では、「売上に転嫁されていない付加価値」はどの様に生じるのか?

日本人は言いたいことを言えないから、「本当は生み出した付加価値に対する対価に不満があるのに売上になっていないだけ」ということもある気がしますが、それだけで全てを説明するのは難しい気もします。

こちらを除外した時に、僕はサービス提供者側が「価値提供を通じて得られる満足感・やりがい」に感じている価値があるのではと考えています。
それは顧客からの「ありがとう」だったり、自分が誰かの役に立っているという貢献実感だったりします。

そして、このような情緒的報酬を特に得やすいのがカスタマーサクセスという役割だと考えています。

ここでお伝えしたような情緒的報酬が、全て経済的報酬に仮に置き換わったとすると、確かにGDPは今よりも高くなるかもしれません。
ただ、そんな日本が良いかというと少なくとも個人的にはそうではない気がしています。

数十年・数百年後の「働く」とは?


ここからは、遠くの未来について想像しながら、未来は情緒的報酬の為に働くのが当たり前になる、という僕の考えを述べていきたいと思います。

この話をするにあたって、僕が、大学生の時に読んだ「限界費用ゼロ社会」という本について簡単に紹介をさせてください。

内容は、作者が第四次産業革命と呼ぶテクノロジーによる社会変革が起こった時、エネルギー・輸送手段・コミュニケーションは全て無料になり、生産1単位あたりにかかる費用(=限界費用)がゼロに限りなく近付き、生きていく為に必要な製品・サービスがほぼ無料になるというものです。

「本当にそんな世界がくるの?」という声が聞こえてきそうですが、一例として、通信コストはグローバルで見ても、直近35年で急速に低下。
短いテキストメッセージだけで精一杯だった頃から、今では画像や動画までもシェアできるようになっています。

テレビで異常なほど「携帯大手3社のCM」が流されている本当の理由」より引用

こちらはごく一例ですが、限界費用ゼロ社会についていつ来るかは分からないものの、いつか来ることは間違いないと考えています。

そして、筆者は限界費用ゼロの世界において、「人は働く必要がなくなり、働きたいから働く様になる」と述べています。
生きるために働く必要が無い中で、何のために人は働くのか?を考えると、人は情緒的価値を得るために働く様になっているのではないかと言うのが僕の考えです。

能動的な働く(≒傍楽)を支援できる仕組み


KOMMONSでは「自分が楽にしたい誰かの為になっている実感を得ながら働くこと」と傍楽(ハタラク)と定義しています。自分が「誰かを楽にしたい」から働くという状態です。

限界費用ゼロ社会では、「傍楽」したい人だけが働く様になります。
新しい価値を生み出すのは傍楽したい人達だけなので、彼らの「やりたい」が確実に実現される体制が整えられている必要があるでしょう。

その人達の「やりたい」を実現するために、エネルギーやモノなどの他に必要なものはヒトの知識とリソースに集約されると考えています。

そこで傍楽したいという意志さえあれば、そこに共感した方々の知識やリソースを借りられるコモンズ(=KOMMONS)が必要になると思うのです。

KOMMONSの実現に向けて今やっていること


これまでの話は遠い未来の話かもしれませんが、現代においても少しずつ傍楽に魅力を感じる人が増えてきている気がしています。

もちろん現代では、生活するためのお金を稼ぐ必要がありますし、傍楽に全ての時間を投下するのは難しいと思います。
ただ、副業などで少しの時間を傍楽に投下することはできるはず。

そこで、KOMMONSでは企業と個人それぞれに対し、以下のサービスを提供することで、少しずつ傍楽を増やしていけたらと考えています。

1.   「傍楽」起点の副業マッチング

KOMMONSは少しの時間でも傍楽できる方を増やしていくために、「誰かを楽にしたい」という意志を元にした副業マッチング「傍楽マッチング」の取り組みを進めています。

これまでの副業は知識・スキルベースで即戦力人材としてマッチングするケースがほとんどでしたが、「誰をどう楽にしたい」かにフォーカスしてマッチングをすることで、以下のようなメリットがあります。

・課題解決が自分ごとになり、高いモチベーションで業務に関わってくれる
・スポットでの関わりでなく、「仲間」として長期の関係値を構築できる
・情緒的報酬を考慮した単価でプロジェクトに関わってもらえる

2. カスタマーサクセス起点の事業・組織開発支援

反対に企業も傍楽をしてもらうために「誰をどう楽にしたい」かの解像度を高め、関わってくださる方にしっかり納得してもらう必要があります。

僕たちは、顧客への提供価値を中心に事業と組織の双方を設計することで、事業価値の最大化を図る経営手法を「カスタマーサクセスドリブン経営」と呼んでいます。

カスタマーサクセス事業においては、以下のような問いを解く必要があります。

・誰にどんな価値をどの様なステップで提供するのか?
・顧客が期待する価値の大きさに合わせて、どの様なビジネスモデルで対価を得るのか?
・どの様な製品 / サービスの比率で顧客への提供価値を実現するのか?
・必要な製品 / サービスを実現するためにどの様な経験 / リソースが必要になるのか?
・従業員がモチベーション最大の状態で業務を全うするにはどんな仕掛けが必要か?

事業戦略を整理した上で、企業として「誰」に「どんな価値」を届けたいのか、各部門が共通認識を持って動ける体制を作ることで事業戦略の実現スピードを速めることができます。
その為には、会社として「誰にどんな価値を届けたいか」をきちんと言語化した上で、従業員の皆さんに浸透させていく必要があります。

KOMMONSでは上記のようなカスタマーサクセス起点での事業・組織開発に関するコンサルティング支援を行うことで、傍楽してもらえる事業・組織づくりをサポートしています。

おわりに


最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございます。
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