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それは突然だった

母が病床に倒れたのは、あまりにも突然だった

1月のとある日曜日に実家を訪ねたとき、冷えたせいか腰の調子が悪いと言う

無理しないようにと伝えて、気にも留めずそのまま帰った

その時は何も感じなかった

ところが月曜、火曜日と一向に回復せず、痛みは増す

極めつけは水曜日の午前中熱が40度というから、即救急搬送だった

それからは84日の入院となった


一番つらかったのは、5時間の手術をしたが

医者が「この後最悪の場合は、、、」と話を始めたこと

しかし最悪の事態は、幸いにもやってこなかった

ただ、日々目まぐるしく変わる病状に

自分もついていくのが大変だった

よく病院の駐車場でワンワン泣いた

 その時感じたのは

ああ、もっといっぱい一緒居ればよかったなとか

借金してでも、旅行に連れて行けばよかったなという後悔の嵐


親子そろって健康な時間というのは意外と限られているのだと身に染みた

病気によって当たり前の会話が、ある日突然できなくなるのだ


実は、当たり前は

当たり前でなく、すごく有難いことなんだなとしみじみ思う

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