願いごと

星占いの載った手帳を毎年つかう
なにかを期待して
毎日の空欄に日記をつける
なにも変わりがないように思えるけれど
 
二十五年前の私も日記をつけていた
夜更かししただけで叱られても
ノートに何ページも書きつけて
むずがゆい春の影を刻んでいた
 
早死にするだろうと信じていたから
日記だけでも残したかった
今なら言ってやれる事がある
生きていられるよ、と
 
二十五年後の私がなにかを言ってくれたなら
生きていられるよ、と
それだけでいい
踏みつけた木の葉に足をとられる秋だとしても
 
星占いの通りに生活がすすんだことはない
それでも
永い流れの中に私を置いていたくて
願うように
また手帳を買いました

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