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社内の平均年齢を気にする会社が陥る罠

採用のご相談にくる社長さんの中には
「小宮さん!うちの会社の平均年齢は48歳で…」

と焦ってらっしゃる方も多いです。
で、平均年齢を下げたいから「高卒新人」を採用したい。などとおっしゃいます。

あのね。財務省かなんか出す、なんか都合が悪い数値じゃないんだから。
採用も恋愛も相手は「人」であることを忘れないでください。

平均年齢なんて、どうでもいい数字です。
無視した方がいいし、意識すると害悪ですらあり得ます。

例えば、平均年齢48歳くらいの会社。
最年少の社員が38歳だったとします。

そこに18歳の子を採用する。たしかに平均年齢の数値は下がるかもしれません。
だけどね、38歳が18歳の子を指導する。教育することになります。社内では若手同士。みたいに扱われますが、本人同士は親子ほどの距離感があります。

仕事を教える、学び合う以前に、ジェネレーションギャップを埋めるところから始めなければならない。
そりゃ、ミスマッチの要因にしかならないわけです。

私なら現実的に38歳の最年少社員が接しやすい層の採用を提案しますね。
33歳とか34歳とか。
20代後半だとしても、結婚して子供がいる層を狙うとか。
それならまだ価値観が合うでしょう。

そしたら、今度は30歳くらいを取る。
そしたら次は27歳くらいを…
と地道下げていくの方がハレーションが起きない。

それだとあんまり会社の平均年齢は下がらないじゃないか!
と、社長さんはいきなり18歳を3人とろうとする…。

でもさ、目的は
「会社の平均年齢を下げること。」
でしたっけ?

50代60代ばかりになってきた現場に若手入れて
技術の継承を徐々に進めることが目的じゃなかったですっけ?

「いやー。今年は18歳を3人採用したから、一気に平均年齢が44歳まで下がったなぁ。」
と、満足げに笑いながら、3ケ月後に18歳の子が辞めてしまってますが、それでいいでしたっけ?

とかく「平均」というのは、実態とは違うことが多々あります。
採用ページなどに会社の平均年齢が48歳!と書いてあるけど、社内に48歳の社員は1人もいない。ということもよくあります。

一体全体何を、伝えたくて、会社の平均年齢を発信してるんだか…。

日本人はなぜか平均が好きですね。
真ん中だと安心する生き物です。

平均年収が463万円!とか言っても実際は280万円の人が多くて、一部の1000万円プレイヤーが押し上げているので、463万円の人は少数しかいない。

みたいな話と全く同じロジックです。

皆さんの会社の社長が、人を数値で語りだしたら、止めてあげてくださいね。
38歳も18歳も65歳も、数字ではなく、実態のある人間です。

#写真はイメージです

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