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まさに住教育

今回の全国大会でとりわけ楽しみにしていた岩手の木川田さんとの再会。
御歳80才になられる会員さんでいらっしゃいます。


最高齢で再築士会を立ち上げられた木川田さん。
いつも前向きな姿勢で、常にこれからのことを考えていらっしゃる。
ご本人にとっては、最高齢でもなんでもなくて、誰よりも健やかだったかもしれない。

岩手からおひとり、なんと陸路でいらっしゃった。
お疲れの様子もなく、至ってお元気。なんともすごい!

5年前、この会でご縁をいただいて以来、交流を持たせていただいている。
「いつか静夫さんと京子ちゃんとこ行くから」そう仰っていた。
今回、宮崎で全国大会が開催されることが決まり「おれ、行くから。そして八女に寄るから。男と男の約束だからな、俺は守るから。」と、3泊の宮崎のあと福岡までお越しくださった。
東北からみたら、宮崎も福岡も変わらない九州でしょうけど、とりわけ便の悪い場所同士の宮崎〜八女を4時間半かけて車に同乗された。

道中は、これまでの人生で起きた波乱?や畑でとれる作物のこと、健康の秘訣などお話しくださった。
目も耳もしっかりされていて本も眼鏡いらずという。
「何か気を使われていることあるんですか?」と問うと、
「やっぱり歯だと思うね。耳も目もなんでも俺は歯を大事にメンテナンスをしてやっていけば元気でいれると思うよ。」と仰る。
そうかぁ。
そうなのだろう。

八女では、井上棟梁のご自宅に着くや否やカメラを取り出してバシャバシャと撮影。それはデジカメで…。カメラ屋さんで出してもらうのだとか(^^)
うーん
ほぉー
そうか
やっぱりそうだな
「大したもんだ」と何度言われたろうか。
唸りながら、見学された。


お昼は、奥様の手料理をいただき、至れり尽くせりのご馳走に「井上旅館だな」と喜ばれる。
朝のホテルのビュッフェの時も、こんなに大丈夫だろうかと思う量だったけど、全部食べられていたし、道中では、熊本のいきなり饅頭も食されたのに、ここでもしっかり平らげられた。
前日に「戦時中は、食べ物がなかったんだから。それを経験してるおれらは、米粒ひとつ粗末にできないよ」そう仰っていた。
お弁当を残そうとしていた私は、もう一度箸をとったのだった。

カメラを携えて「静夫さんの作品」を周り、「これで岩手のみんなにこうだって言える」と言って本当に満足そうにされていた。

男と男の約束は必ず果たす木川田さんに、
「たくさん約束をとりつけとくといいですね!」と言ったら、笑ってらした。

古民家の改修を依頼された際に、ずっと悩まれていたお客さんへの想いがこの会に出会ったことで解決したと話される。
それまでは若い時に住んだ東京、北海道以外出たことはなかったそうだ。
「それからおれは全国区になったんだ。5年前というと75だろ?それからだよ。そしたら母ちゃんが"そろそろ近いんじゃねか"っていうんだ。いや、これからだって言われてんだ。そう言ったよ、おれ」
次は、地区大会で会うことを約束した。
「あと30年生きるとすりゃ、なんでもできるよ」

約束にも深さがあるのだろうか。
約束だから守る。果たす。だからまた会える。会わなきゃ。会いたい。
そんな絆を作ってくださるお人だな。

ひとつひとつまっすぐに噛み締めるように生きる。そばにいるだけで伝わる生き様。
どうぞお元気でまたお会いしましょう。


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