それでもあなたは笑顔をくれる
たぶん10歳を超えているうちの子リール。
たぶんというのはちゃんとした年齢がわからないから。
保護犬カフェでお迎えしたとき「推定7歳位です。」
と言われたからです。
カフェで人目につかないように端っこで腰を丸くしながら座っていました。眠いのか疲れたのかうとうとしていますが、床に体を預けることはせず、舟をこぎながら座っていました。
それが今から数年前のリールとの出会いでした。
実は先住犬の一匹を亡くし主人も私も悲しみに暮れていた時期なのです。
もう今のわんこのお世話で十分かな。
こんなにお別れが悲しいなんて辛すぎる。
本当に毎日泣いていました。
仕事にいくのも大変で仕事をしていてもふと先住犬を思い出して
泣くのを耐える。
そんな毎日を過ごしているとき近くに保護犬猫の存在を知り、呼ばれた気がしてカフェに行ったのです。
ところがカフェに行けば行ったで新しい家族を待っている辛い環境の犬や猫が次から次へと増えていました。
健康優良児はまずいません。
若い健康な子はペットショップで売買されているからです。
多くは高齢で、パテラ、心臓病、歯周病を持っているのは普通。中には余命のあやうい腫瘍を抱えている子もいました。
そして繁殖引退犬のメス犬です。
リールは子育てを終えたらしくおっぱいもふっくらしていました。
口元は半開きでよだれもたらしており、口臭もありました。
歯周病が進んでいて歯には歯石らしきものがたっぷりついていました。
これが繁殖引退犬なのだととてもショックをうけました。
うちには先住犬のコタツがいます。
その子とうまくやっていける子をとにかく早く1匹でもお迎えしてあげないと。
涙に暮れていた私たちでしたが、次々増えていく保護犬たちの存在を知ってしまった以上、落ち込んでいる場合ではない。と思ったのです。
10歳をきっと超えているリールは今幸せを感じてくれているのかな?
毎日自問自答しています。
お迎えしてすぐ歯周病はさらに悪化し、おそらくブリーダーからカフェへ、そしてうちにきたストレスや恐怖ででしょう、すぐに病院で手術することになりました。
下の犬歯2本以外他全部抜歯。
今のリールはご飯を丸呑みして食べています。
歯がないので舌も口からでっぱなしになってしまいます。
お迎えして抜歯、避妊手術を終え、お散歩を楽しもうとした時、
散歩を知らないリールに驚愕しました。
リードを付け歩くことを知らなかったのです。
石のように動かなかったリールは数カ月かけて、最初はカートに乗せて、つぎは途中でおろして道端の様子を知ってもらい、数歩歩くことをどんどんふやし、、、。
今ではぐいぐいリードを引っ張っていくらでも歩きたい!と家の前を素通りするようになりました。
何月生まれ何だろう?そんなリールは楽しく生きていいるかな?
毎日考えています。
散歩に行けるようになったリールが見知らぬお友達犬に出会ったときでした。
シャウ!シャウ!
ずいぶんおとなしい子だと思っていたリールが吠えた?と思った瞬間でしたが、どん底に突き落とされた気持ちでいっぱいになり、涙がでてしまいました。
リールは声帯も処置されてしまっていたからです。
見知らぬ犬、遠くで動く人影、それらを見つけるとリールはリードを引っ張って吠えまくっています。
声は出ませんがハッスルして静かに吠えまくる!これが今のリールなのです。
歯がなくても、ごはんやおやつを食べるのが大好き。
しっぽを振りきれんばかりにぷりぷり振るリール。
声がでなくても、シャウトしまくるリール。
お散歩に行けばぐいぐい引っ張って、クンクンにおいをかぎまくり、あっちこっちへいきたがり、家の前は通り過ぎるリール。
トイプードルにありがちな心臓病にもなってしまって
投薬も始まりました。
耳も遠いし、目も白く曇りがちだし、呼んでも来ないけど、
ルンルンしながらごはんちょうだい!と近づいてくるリール。
おできができやすい体質であちこちおできもあるけれど、
オシッコの場所もおぼえられなくてどこでもしちゃうからおむつもはいているけれど、、、。
あなたは自由です。
もう閉じ込めません。
あなたが生んだであろう子供たちが幸せに暮らしているように祈りながら
毎日リールに感謝しています。
こんなに頑張って生きてきてあなたは偉い。
私は笑顔をもらっている。
あなたもたくさん楽しんでくれたらいいなぁ。
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