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[本]日本語は誰でも書ける。だから自分も本くらい書けると思う。

はじめまして。Kominekoといいます。
とにかく好きなこと、シェアできそうなことを猫、旅、笑、本、心、映、絵、生のテーマに沿って書いていきます。
何も成し遂げていないのにnoteを始めました。何かを人に教授できる心優しい方々の威を借りたいと思います。


先日、百田尚樹さんの「夢を売る男」を読みました。

基本的に本を読むときは途中で現実世界に戻りたくないので、時間のあるときに一気に没頭するようにしています。
ですが「夢を売る男」は読み続けるのが憚れるほど耳が痛いことばかりで、何度も本を閉じてしまいました。

以下ざっと紹介文を載せています。

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敏腕編集者として丸栄社で働く牛河原勘治は、“夢を売る男”。

世間の人間とは違うと信じとにかくビッグになりたいフリーターに、他のママ友を軽蔑する主婦、輝かしい経歴の自分史を残したい64歳の男…。

牛河原はこうした人々に、著者と出版社の共同出資である“ジョイント・プレス”という出版方式を持ちかけ、言葉巧みに現代人のふくれ上がった自意識をくすぐり本を出版させます。

誰しもが持っているであろう欲を人間から引き出し、自分の書いた本を出版するという形で“夢を売る”牛河原。
ジョイント・プレス方式の正体とは…そして荒れ始める出版業界…。

物書きの皆さんは特に必見です。

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どの登場人物もなぜか自分のなかで時折顔をだす人たちのような気がして、その暴走した欲、薄い人間性にページをめくるごとにどきっとしてしまいました。

「誰も一流ピアニストになれるとは思わない。サーカスの空中ブランコをやれるとは思わない。でもな、日本語は誰でも書ける。だから自分も本くらい書けると思う」

これは今回のブログタイトルにもした、丸栄社編集部長牛河原のセリフの抜粋で、部下の荒木の

「なぜ、みんな簡単に僕たちの口車に乗って百万円以上の大金で契約するんでしょう?」

という疑問に答えたものの一部です。この文章を目にしたときに、私は嫌悪感にも高揚感にも似たなんとも言えない気持ちになり、おそらく人生で1番滑稽な顔になっていたと思います。

昔から文章を書くことが好きで、小学生のときには原稿用紙何十枚分もの小説を書いて学校へ持っていき、友だちに回し読みをさせていました。
(とんだ迷惑です。)
今思えば舞い上がって資源を無駄にしていたその“好き”は、確実に丸栄社の顧客たちと同じ部類です。

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「夢を売る男」を読んでからは今まで自分のアイデンティティの一部にもなっていたものがまるで初めから存在していないかのように感じられ、自分の言動全てが空回りしているような錯覚がしばらくつきまといました。笑

ものを書くとはどのようなことなのか、嫌というほど考えさせられ、とてもいい教訓になりました。

今後noteを更新していくことを決めた時点で初めにこの記事を執筆しようと直感的に決め、訳のわからない自己満足、自己顕示欲に走ってしまいそうになったらまた何度でも「夢を売る男」に戻ろうと思います。

一発どころか二千発くらいぶん殴られる気分になれるので、ぜひ皆さまお読みくださいませ。


Komineko


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