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僕がファインダーを使わない理由
イルミネーションポートレートの写真を何枚かXにポストした。
恥ずかしながら友人に、『いい写真』だと褒められ設定を聞かれた。
ISOはオートで変動しているが、基本的にSS1/80 f1.4だと答えた。
イルミネーションを撮影する時は関東ではSS1/100以下で、f値は開放近くでと学んだのでそれに従った。
友人からは『SS1/80で手ブレが無いのは凄い』と褒められた。
いやちょっとピン甘めで手ブレもあるよとは思ったが、友人はたびたび『特に推しを撮影する時は写真がブレブレになる』と嘆いていた。
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彼はフルサイズ一眼を持ちf値明るめのズームレンズを使用し、ファインダー越しに写真を撮っている。
ごく一般的なカメラ愛好家だろう。
自分の所有しているカメラはCanon EOS Kiss Mで本体に手ブレ補正はついていない。
レンズの手ブレ補正に依存する。
この日使用していた単焦点レンズ(SIGMA 56mm F1.4 DC DN Contemporary)に手ブレ補正機能はついていない。
そもそも手ブレ補正機能がついたレンズはCanonの標準ズームレンズ1本しかなく、後はブレ補正無しの単焦点レンズが4本でそのうち2本はマニュアルフォーカスだ。
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そこで自分は何故手ブレが少ないのか考えてみた。(大変烏滸がましいが…)
写真のブレの少なさはファインダーを使用しない自分のスタイルにあるのかもしれない。
ところで1番ブレが無く写真が撮れるカメラの状態を考えてみる。
それは三脚や机の上に置いてリモートシャッターを押すことじゃないかな?
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ファインダーを使用して撮影する場合は肘、手首、指先で1kg以上(自分は1番重いレンズをつけても1kg弱)のカメラを目の高さに持っていく。
しかもシャッターを押す際には肘、手首を固定してグリップをしっかり握り右手の人差し指でシャッターを押す。
(人それぞれだとは思う)
グリップをしっかり握れば握るほど最後のシャッターを押す瞬間に人差し指以外の指に力が入ってしまう。
肘だっていくら締めても体に密着はしていない。
手首で重いものを支えている。
ブレない方が難しいと思う。
だからボディ本体やレンズでの手ブレ補正機能が必要になってくる。
きっちり補正の効くものは更に重くなる。
大盛りラーメンを目の高さで持ってスープをこぼさない事って出来る?
しかも右手の人差し指を使わずに…。
自分は出来そうもない。
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そこで自分の撮影スタイルにいきつく。
自分のカメラがミラーレス一眼の可動式モニター付きなのでそれに限定される。
基本的にお腹や胸あたりでカメラを構え肘を内側に締める。
肘が体につき肘からのブレは少なくなる。
カメラは左手に乗せる感覚で右手はグリップを(そもそも最初はグリップの無いカメラだし今もちゃんとしたグリップは無い)しっかり握るのではなく、ずれない程度に手と指で固定してシャッターは出来るだけ静かに押す感じ。
出来れば左手は三脚やテーブルの様に動かさないよう心がける。
カメラの数値を変える場合は左手でカメラを持ち右手で操作をする。
シャッターは呼吸を止め心を込めて押す。
連写をするとシャッターを強めに長く押すことになり、自ずと力が入るので基本的にはやらない。
結局は連写しても1枚目が1番いいと感じる事が自分は多い。
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この撮影方法が多くのカメラマンにとって最適かと言うとそれは違うだろう。
カメラとレンズを合わせて1kg以内に抑えているから出来る事だとも思う。
自分にとっては良い方法という事だ。
そして何はともあれ軽さは何よりも正義と思ってる自分にとってはと言う話である。
ラーメンを持って歩く時は胸元やお腹あたりで持つとスープがこぼれにくい。
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ブレとは関係ないが、ファインダーを使用しない理由はあと2ツある。
一つ目は直に本人や風景を見て撮影したいからだ。
更に撮影会ならば話しながら撮影出来たらと思うから。
カメラ越しではなく直に見ないのは勿体無いと感じる。
完全な記録が残せないのが残念だが、現状で最高のレンズは自分の目なので…。
二つ目はウインクが苦手なのとウインクしてると力が入っちゃうからだ。
余計な力はブレに繋がると思っている。
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この考え方は共感できる人が少なく反発もあるのはわかっている。
カメラはファインダーで切り取る世界だというのが当たり前の考え方だろうから…。
正直それもちょっと異議はあるけど、それはまたいつかに…。
モデル:みゆさん(@miyu_k527)