内緒の年下くん。

みんなと仲良くしてるの、やだ。

軽く飲んでる時、年下のハルキが言った。

え？？どーゆーこと？
笑ったら、飲んでたハイボールを
吹き出しそうになった。

ちぃちゃん、会社でみんなと仲良いじゃん。
色んな人と、冗談ばっかり言ったり、
昼間から誰かと大笑いしてたり。
節操ないくらい、みんなと仲良いじゃん。
みんなちぃちゃんのこと好きだし、
誰かと仲良くしてるの見ると、
イラっとする。

ウケる。妬いてくれたんだ。
可愛い。

いや、ハイボール置いてよ。
誰にでもいい顔ばっかしてたら、
みんなちぃちゃんに夢中になるよ？
実際、木田さんだって最近は
ちぃちゃんお気に入りって言ってたし。

わー、ありがとう。嬉しい。

違うじゃん。
僕たち付き合ってるのみんな知らないし、
ちぃちゃん狙われたら取られちゃうよぉ。
もうちょっと危機管理してよ。

あたしはハルキだけだよ。
木田さんとかに行かないし、
そもそも、あっちもそんなつもりないのに
勝手にそんなこと心配されてもさぁ。
ハルキだけが可愛いんだから、
そこは信じてよ。
あたしたちの関係、
周りにバレたらヤバいから言えないし、
それを匂わすのだって嫌なの、
分かってるでしょ。
ね？

ハルキもあたしも、
周りにはバレてはならぬ理由がある。
仕事では淡々と接してるし、
仲良くしているけど、
必要以上に近寄ったりはしない。
会社の飲み会でも、他の人と同じ扱い。
帰りの電車が同じ方向だから、
かろうじて一緒に帰ったりもするけど。
あくまで同僚の扱い。

とりあえず帰り100回キスしたら許す。

ハイボールまだ3杯は行くよ。

酔っ払うからやめといてよ。
軽く飲むだけって言ったじゃん。

いいの。一緒に飲も。
ハルキと飲んでるの楽しいもん。
可愛いもん。

てか、可愛いってやめろって。
もうおっさんなんだけど。

永遠にあたしの年下なんだから、
可愛いは可愛いだよ。

今日もハルキは可愛い。