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電子レンジが使えなかった

 最近、松浦弥太郎さんの本をいくつか読んだ。おおらかな柔らかい印象を与える言葉を使っているが、軸はぶれない堅固な姿勢を感じた。ひらがなの割合によって、そう捉えたのかもしれない。

「愛するように心で文章を書く」というようなことをいっていたので、私も「愛」を意識してみようかと思った会社の昼休み、電子レンジが混み合っており使えなかった。

お弁当温め列ができていたので、2回、用もない冷蔵庫を開け閉めしたのち自席に戻った。冷たい豆腐ハンバーグを持ちし私。

給湯室に長居して、人と無理に会話するのも、人のお弁当を見てしまったり、人のお弁当の匂いが染み込んだレンジをすぐ使うのも、したくない。というかできない自分に情けなくなり、「愛」を考える余裕がなかった。

もし、私自身が「電子レンジ待ち」をされたら、パニックになり、豆腐ハンバーグをぶちまけてしまうかもしれない。すみません、すみませんと言ってしまう。だからできない。

人に注目されて、個人的なことをするのが苦手なのだ、ずっと。特に、電子レンジは普段「家」でしか使わないので、人前で使用するのが「恥ずかしい」と強く感じてしまう。

早く食べ始めた人と、遅く食べ始めた人がすれ違いで使うから、給湯室って全然空かない。

食べるもの、場所を探すこと。
給湯室待ちをすること。
って会社で、結構ストレスを感じることだよな。

電子レンジを自分で買って、私専用にしたい。愛せないだろ、冷たい豆腐ハンバーグ。

冷たい豆腐ハンバーグ食後に、悲しくなったしお腹が冷えたので、ガルボとチャイティーを買った。こういう時、私を満たすのは、ガルボの手が汚れないつるつるだ。メルティーキッスや、バッカスじゃない。平常に戻るためのガルボ。

自分は直しようもなくこういう人間であることを知っている。心を使って人を愛するように、まず、自分を守って愛していかねばならぬ。

ポケットにカイロをいれておくと、いつでも暖かくてちょっと嬉しい。

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