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フライトを自分で手配する方法とクアラルンプール
熊野寮に8年いた末に退学した元京大生が語る、これまで12カ国を自転車で旅してきた中のエピソード。自転車旅のノウハウを交えて語っていく。連載していこうと思っているので乞うご期待。(このnoteは価格を設定していますが、無料で全て読むことができます。寄付をどんどん受け付けているので、ぜひぜひ)
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なんで急に旅について書いたのか。前回のnoteを書いて友だちからよくたずねられた。人生の重大な転機があったみたいなダイナミックな展開があったわけではなく、エッセイを読んでいたら自分でも書きたくなったからだ。最近暑さが増し、疲れが溜まっている。こういう時に社会の行く末に頭を悩ませたり、善く生きるとは?と問うたり、数の神秘に思考をはべらしたりするのはよくない。小説を読むのも疲れてしまう。なにかいい活字はないだろうか。2週間くらいしてたどり着いたのが米原万里だった。久しぶりに「旅行者の朝食」を読むと、これこれ。そうしてエッセイにはまっている。
これまでの旅について書こうと思っていたけれど、旅行記は長いから書きたくないなぁと思っていた。『ブータン自転車旅行―ヒマラヤの秘境600キロをマウンテンバイクで走る』(九里 徳泰、林 美砂)は1週間くらいで本1冊を書いていた(記憶が曖昧で1ヶ月の旅だったかもしれない)。それだけ旅の全体を書こうとすると大変だ。でもエッセイなら僕の知見とエピソード1つで成立する。これは自分でも書けそうだと思い立ったというわけだ。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58689751/picture_pc_b044d531549b8f7bad79c357aef33502.jpg?width=1200)
エッセイを書く動機が長くなったが、これから本題が始まる。今回は飛行機の乗り換えについて。海外に行くとき、だいたいにおいて飛行機を予約しなければならない。旅行会社でツアーを申し込む場合はこの手間がない。しかし、ブルガリアに行くとか、キルギスに行くとか、スーダンに行くとか、旅行会社が用意していない場所に行くには自分で飛行機を手配しなければならない。自転車を持っていくならなおさらだ。
自分で手配する、とはいってもサービスが発達した現代ではそこまで大変ではない。Skyscanner や Kiwi.com で出発地と目的地をいれて検索するだけだ。たとえば、トルコはイスタンブールまで行くとする。成田なり、関空なり、セントレアなり、近くの国際空港を選ぶ。そしてイスタンブールと入力する。日付が決まっているなら入力してもいいが、1ヶ月の中の安い日を探してから日程を確定することもできる。
うまく見つからないときは頭を使う必要がある。たとえば、スーダンまで行きたいとする。なかなかそんな状況はないかもしれないが、人生で一度くらいはあるかもしれない。日本からスーダンまでの直行便はなさそうだ。あったとしてもVIPが乗る高級エアーラインだろう。
スーダンの首都はハルツームという。ハルツーム国際空港に就航している航空会社を調べるとカタール航空やエミレーツ航空がある。カタールはドーハを、エミレーツはドバイをハブ空港(世界中からの中継地点となる空港)としている。だから関空からドバイまでエミレーツで飛び、乗り継いでスーダンまで行くことができる。さらに区間の一部を格安航空会社にすると費用を抑えられるだろう。
複数の航空会社をまたいで使う時に気をつけたいことがある。乗り継ぎのときに荷物がリレーされるのかどうかだ。自分で別々のチケットを買っているときは、もちろん自分で荷物を運ぶ必要がある。最初のフライトのあと、預け荷物を回収して、自分で次のフライトの受付に荷物を持っていかなければならない。これは「なるほど、そうだよね」という話なのだが、世界は不思議に満ちていて1つのチケットとして買ったのにも関わらず荷物がリレーされないことがある。というか、僕はそういう目にあった。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/58689654/picture_pc_1a920202e50d7b0576fe6fae7f5b54a8.jpeg?width=1200)
トルコから帰国するときだった。イスタンブールでイスタンブールでひどい目に遭ったあと、長時間のフライトを経てクアラルンプールで乗り継ぎのため半日ほど待つ。空港でヒマだったので、一度外に出てみることにした。
外に出るというのは、つまりマレーシアに入国するということ。手続きを終え、荷物がまわってくる場所に来た。どうせヒマだし、とぶらぶらしていると片隅に大きな荷物が放置されていた。放置されているという表現しか思いつかないほど見事に放置されていた。よくみると、僕たち同行者数名のパッキングされた自転車が放置されていた。あまりに信じられないことだから笑うしかなかった。自分の自転車だと確認してこの大きな荷物をカウンターに持っていった。
もしも飛行機の乗りつぎがスムーズで出国するヒマもなければどうなっただろう。僕たちの自転車はマレーシアの空港で放置されて日本には届かなかったかもしれない。海外旅ではこういうことが起こるので、保険に入っておくのはもちろん退屈な時間をつくることが大事なんだ。
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