ファイアーエムブレム無双 風花雪月 総括
まだプレイは終わってないけれど、20日についにファイアーエムブレム エンゲージが発売するということで、新作前に総括感想を書いておいた方がいいかなと思いました。でもプレイし始めたのが6月なわけだから、もう言いたいことのみだけ残っている状態なので……。
FE無双 狂わされた記憶
まず風花雪月という世界観が好きな人間たちみんな「風花雪月の続編が欲しい」と言っていたのに対して、私は「いや、そんな、別に本当に続編欲しいですか!?」と思っていました。
風花雪月自体めっちゃ好きで、自分の人生も価値観も色々変えてもらった本当に大切なゲーム体験だったからこそ、別に続編出したり世界観引き継いだりしないでいいよって思っていました。
しかしそこで出た無双。正直風花雪月コンテンツを続けたい人が考えた案の中では最強最高の案だと思いました。
蓋を開けたらifの世界観だったんで実際は私の思っていたものとは違う結果だったのですが。
しかし事実、この無双が出たとこにより、風花雪月の続編が欲しがっていた人たちがみんな黙ったような感覚がある。
正直オリジナル風花雪月をめっちゃ大切にしている側の人間からすると、それは嬉しい部分でもありました。もう風花雪月を広げるのはやめたほうがいいと考え始める人間たち。そういう作品だったな。
そのチャレンジ自体はとてもいい物だったと思います。しかし反比例してオリジナル風花雪月の良さもまた際立ったのだった。
最初のプレイ感想noteの方にも書いてあると思うけれど、本当に画面の前で身悶えしながら、「どういう感情になればいいんだよ~~~」と喚き散らしながらプレイをした。
その結果、兄が付き合ってくれて、私は無双をプレイするときは必ず兄を呼んで二人でゲームを進めました。
多少なりとも風花雪月やキャラクターのことを知ってくれてる人間が近くにいてくれてよかった。色々話せてよかった。いい意味でも悪い意味でも。
FE風花雪月無双の良いところ・好きなところ
アホみたいな感想から言うと、新録ボイスのディミトリ及び石川界人がディミトリとして演じてくれたその時間に大感謝の気持ちです。
そして先生が喋っているその姿、ベレト先生もベレス先生も素の喋りを聞ける機会がFEHしかないので、とっても嬉しかった。
あとはグラフィックがめっちゃ良かった。これに関しては本当に風花雪月本編に流用してほしいくらい。逆輸入してほしい。
光を浴びたときの空気感、みたいな表現が綺麗だった。なんか輝きすぎている部分もあったけど。
風花雪月自体は別にそういうグラフィックに凝っているゲームじゃないから、動きもとんでもないくらいダバダバしてるし、その辺面白すぎるな……って部分も結構あったから……。まあそこに力入れるより大事なことあるしね。
後はこれが一番大事だったかもしれない。風花雪月というゲームの素晴らしさの一つに、全ての答えが明確に明らかになっていないところというのがあると思う。明確にしないことが正しいか正しくないかは置いておいて、目に見えている世界は狭く小さいということ。自分の立場によって見える世界は変わるということ。所謂3ルートあるということが意味するゲームとしていい塩梅で知っていること知らないこと、知れないことがあったなと思います。
でもオタクは物足りないと思ってしまう。設定資料集出して♡と言ってしまう。でも出ない。いまだ明らかになっていないフォドラの話など、そういった世界観を一気に広げてくれたのが無双の一番いいところだと思いました。
例えば風花雪月の悪いところ、戦争の進軍が毎回ガルグ=マクから出発しているところとかあると思います。そういう部分が前哨地という扱いで各地を旅している流れになった。これは素晴らしい。
そして各地を旅することにより、どこが誰の領地か分かるようになった。今までは薄っすらとしか分からなかったフォドラの地理について私たちは詳しくなった。貴族の名前や領地、オタクはそういう情報が欲しくてしょうがないからとても嬉しい部分だった。
FE風花雪月無双の微妙ところ・あんまり好きじゃないところ
言葉を濁す。嫌いとか面白くないとか言うと、その部分が好きな人に悪い。そしてまがいなりにも制作人が頑張ってくれているという仕事の積み重ねの上でああなっているという部分があるはずだから、人の努力に対して無下に文句なんか言えない。という気持ちはあるけど文句言ってる部分もあるかもしれない……。タイピングの指を止められねぇんだ。
シェズという人間が急に主人公になって先生と敵対する……みたいな展開は正直全然嫌いじゃないからいいんだけれども、それに付随したシナリオ作りに雑さを感じた。
シェズ、ラルヴァ、君たちアガルタ関係の人だよね!?という予測が事実となったら、じゃあその辺の話掘り下げてくれるよね?と思うわけですよ。
女神が作りしフォドラという大地に存在するアガルタの民ってどんななのか。まあ明らかにならなかったね……。期待してしまったのがそもそも悪いのかもしれない。
しかし本編シナリオでは「深淵の中で」としっかり闇系のマップまで用意している。しかし特に明らかになることがない……。というかラルヴァと自分の関係性が分からない。ザラスの禁呪って別に女神の力じゃなくても出れるのかよ。ソティスがいなくなったんだぞ!?そういう設定急に超えてこられるのも困っちゃうね。シェズの親って結局どんな存在なんだろう。多分この謎は永遠に解けないだろうから、忘れてしまった方がいいかもしれない。
全ての答えが明確に明らかになっていないところというのがあると思う、とさっき書いたけれど、それにしても情報の出し方ってのはあるだろうなと思う感じだったな。
FEHにラルヴァが実装されたとき、未プレイも既プレイもラルヴァというキャラクター及びエピメニデスという存在がどういう物なのかよく分かっていない、みたいなリプライあって笑っちゃった。いや分からないよなぁ!?
先生が加入するかしないかという戦闘での分岐も戦いによっては「それで何が変わるんだ……?」みたいなこともあったり。むむむ……。
あとこれは個人の感想なのかもしれないけれど、各ルートごとのシナリオの内容差が結構ひどいんじゃないかな……と思ったりもした。
私は青→赤→黄の順でやっていったんだけど、この順番でやったことが幸か不幸か。尻すぼみな感覚を赤中盤からずっと感じてしまった。
そりゃ確かに私は青獅子の学級が魂のリスポーン地点でビーコン置いてる状態ではあるけれども、金鹿好きな人ってどんな感情になってるんだろうって不安になった。
まず青ルート。
本編でダスカーの悲劇について描きたかったけれど足りなかった、という部分をシンプルに出してくれた。そういうことだったんだ……というような認識が深まってとっても良かった。先生と出会わなかったディミトリはしっかりとした王様になってしまったけれど、ディミトリという人間の誠実さや危うさ、王としての選択を繰り返す場面をシェズとして見守ることも十分素晴らしい経験だった。しかし最後まで復讐を果たすためだけに戦っていたディミトリは、やはり先生と出会わなかったことによるあれかな、と私は思ってほくそ笑んだ。ディミトリ、先生と一緒に歩いて行こうね……Kiss……♡
そして赤ルート。
闇に蠢く者との決別。今までと違う戦争の進め方。でも思っていたより闇うごの実態が明らかになったかと言われると、まあそういう期待が回収されるわけではなかった。タレス様がアランデル公だったということくらいしか無かったな……。セイロス聖教会との敵対、そしてファーガス神聖王国への侵攻。じゃあレスターと戦う意味ないよね?じゃあ手を結ぼうか……という展開は本編とは違う未来を創ろうという心意気を感じられて「おぉっ!」と思った。しかしディミトリと戦うことなくレア様とタレス様は大修道院の橋の下に落ちて死んでしまった。終わり。あっ、まあディミトリを倒す必要はないわけだな……。どこか消化不良な感じもあるけれど終わった。まあいいんじゃないか?でも三つ巴の戦い、しかも2パターンもあるのは楽しかった。あれがやりたかったんだろうな。
最後に黄色ルート。
やはり黄色に求めるものは謎解きになってしまうよな。しかしそれ以前に、クロードという人間の軸のぶれ方が気になってしょうがない。私たちの知っているクロードって、こんなんだったっけ。それとも先生がいないクロードはやはりだめなのか?パルミラとの戦いを描く。それに関しては良し。その辺の地位や彼の立場が掘り下げられる。良し。しかしクロードが王様になり、帝国と手を結ぶ。レア様のいない世の中を望んでいたのは確かにクロードはそう言っていたけれど、だからと言ってディミトリと敵対する道を選び、セイロス教を信仰する仲間たちに疑念の目を向けられ、そして帝国を見捨てて勝利し、また仲間から疑念の目を向けられ、そのせいでフレーチェに復讐され、そしてジュディットが死んで……。お前よく悲しい顔ができるな?みたいな感情を抱いてしまった。抱かずにいられなかった。私の兄はクロードかっこいい!派の人間でクロードのことが好きなのだけれど、私のプレイを見ながら悲しそうに怒っていた。私もクロードがこういう人間だったのか、こういう選択をする人間なのか、よく分からないよ……。しかも謎も解かれないし、どっちつかずで戦争していくし、そしてレア様倒すけど戦争が終わるかどうかは分からないし……。せめてシェズの謎に少しでも迫れるルートだったらまだ救いがあったような気がするんだけど、本当黄色ルートなんだったんだろうな。やったのが最後でよかったなと思います。正直無双に関しては他の人のプレイとか見てないし、感想もそこまで見ていないので私自身の感想しか分からないのだけれど、クロードのことを私よりも好きな人はこれをどう思うだろうか、と心配するような展開であったことは間違いないと思う。これは無双の良くなかった点だなって思います。
風花雪月本編が4ルートのうち3ルートでエーデルガルトと敵対していく物語だから、エーデルガルトのことが好きな人は「エーデルガルトのこと悪者扱いしないでください!彼女の人生も考えてください!」と思っていたことでしょう。4ルート中3ルートで戦争の張本人という扱いをされると、どうもフラットな見方をしようとしても彼女のせいと思ってしまう部分もあるもので。
だから今回の無双は3ルート中2ルートでエーデルガルトが正義側なんだろうなと思いました。というかセイロス教が悪者というか。私はセイロス聖教会も大好きだし、レア様のことも大好きな立場の人間なので、今回敵対する時間が長かったのは悲しい部分もあったけれど、平等性考えるとこれもおかしくないよなと思います。
レア様にどんな不信感があっても自分はどうしても大司教代理になってしまっていたわけなので、それ自体に「えぇ~」と思いながらプレイしていた人だってたくさんいたでしょうし。
しかし何とも腑に落ちない部分もある。エーデルガルトはクロードとの会話で「別にレアを殺したいわけじゃない、失脚してくれたら別にいい」みたいなことを言っていた。そんなことを言うのなら、本編風花雪月でレア様を帝国で捉えた挙句ファーガスとレスターに宣戦布告して戦争していたあれはなんだったんだ?無双を通じて私は風花雪月本編こそ至高、と思う脳みそになってしまったので、無双でのエーデルガルトのこの台詞は自分が勝ってるから余裕ぶって言っているだけだと思いますが、戦争観に対しての食い違いみたいなのは気になっちゃったね。
あとは正直好みの問題になるんですけど、メルセデスの喋りが相当遅くなっていたのが気になって気になって……。あと声も少し低かった。風花雪月のゲーム配信を日常的に見ているので、すぐ比べちゃうのも悪いかもしれない。でも5年後メルセデスと2年後メルセデスを比べたときに、2年後の方が大人っぽくなってるのなんでなんだろうなと思う。ディレクションかな……。俺メルセデスのこと好きなんだけど、無双のメーチェなんか違う……。リシテアも最初なんか声違うなって思ったけど、慣れたら全然そんなことなかった。
もうあとは色々考えたり思ったこともあっただろうけど、忘れちゃったな……。忘れたってことはそこまでどうでもいいことばっかだったんだと思う。DLC出なかったことはずっと恨めしく思ってやる。
無双ゲームの楽しさ、辛さ
シナリオには散々文句を言ったりしてますけど、無双ゲームとしては初プレイが今作でよかったなって思うくらいめっちゃ楽しかった。レベルアップがお金でできるのがいい。戦いに出さなくても兵種経験値がもらえるのがいい。特攻攻撃の音がいい。レベル差のある相手でも立ち回れる感覚も楽しい。高難易度をやるのが楽しい。誰かのスキルをもらえるという周回クリアのご褒美も何にするか考えるのが楽しい。
しかし時に辛さがある。というか多分もう私が限界なだけなんだ。2時間ぶっ続けでやるとシンプルに疲れる。
あとこれは利点なのかそうじゃないのか分からないけれど、拠点でみんながフルボイスじゃないのが地味に助かった。フルボイスだとどこまでも回収したくなっちゃうので、FEらしく「うーん」とか「そうですね」とか短い会話だけでよかった。
それ関連で言うと、戦闘の途中にすごい普通に会話が挟まってるのが不思議に感じた。戦いながら、「そういえば昔……」みたいに小話が入るの、ここ戦場だぞ?特に最終決戦になると全員が一言ずつ喋るようになる。聞いてる余裕ないが!?みたいな会話が結構あるので、その辺無双ゲームと合わない部分があったなと思います。
こんなもんかな。まだ2周目が終わってないからぼちぼちお金稼ぎながらまだやっていくし、支援会話も全部解放してないし、全員のレベル80越えてないから解放されてないボイスもあるし、まだまだやることはたくさんあるし、正直楽しいゲームなのでたまにやっていきたい。
でも思うことはたくさんある。
今からでも遅くないからDLC出してくれたら金払うぞ。
誰にも言ってないしTwitterにも上げてないけど、実はフォドラの地図を書いて、どこが誰の領地か書いては貴族説明を付箋で貼っていくほど楽しんでいたんだ私は……。
そして実は終わってから見ようと思っていたアートブックもまだ見ていない。楽しみがまだあるなんて素晴らしいじゃないか。無双のサントラもばっちり予約して楽しみにしています!
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