1-800-Mikey、君島青空 ミックステープ KOMEMX - The TAPE 02 B面
ミックステープ第二弾のB面。今回はトラック1の1-800-Mikeyと、トラック2の君島青空の楽曲についてご紹介します。
PLUSHY / 1-800-MIKEY
散瞳 / 君島青空
Raise / Chilli Beans.
NERO / GODFLESH
Slay the Heart of the Earth / The Bitter Tears
Dr. Landy / I’m from Barcelona
Anna K. / Kyra
EXpire / Plastikman
1. PLUSHY / 1-800-MIKEY
1-800 Mikeyことマイケル・バーカーは、シドニーを拠点に活動するローファイ・ガレージ・ポップの超新星。ポップとは言っても、ジャケットから垣間見れらるナードな出で立ちとは裏腹に、繰り出されるショートチューンの連続はパンクの切れ味そのものだ。
牽引力抜群の多重録音ギターとせわしないドラム音に乗っかり、カワイさも同居したダミ声で歌われるのは、自己愛丸出しのラブソング。アルバムはトータル20分にも満たない短さながら、デビューアルバム「Plushy」には、物心両面でローファイ・ガレージ・ポップのエッセンスがぎっしりと詰まっている。
ローファイ・ガレージ・ポップの先駆者と言えば、僕の知っている範疇では2010年に永遠の星となってしまったジェイ・リータードが真っ先に浮かぶ。1-800 Mikey は声までそっくり。ジェイ・リータードのファンならば、まるで生まれ変わりが降臨したような感慨を催すはずだ。もっと辿れば、ニュージーランドにはクリス・ノックスというパイオニアがいるらしいが、僕はそこまで明るくないので今後のディグでのお楽しみとしたい。
なお、1-800 Mikeyは、つい最近ニューアルバム「Digital Pet」をリリースしたばかり。路線をキープしつつ、よりタイトにまとまった印象。カセットテープで聞きたい音楽の筆頭だ。
2. 散瞳 / 君島青空
君島青空は作詞・作曲から演奏まで多重録音で制作した音源の公開からキャリアをスタートしたギタリストであり音楽家。
トラック2に選んだのは、デビューEBからの「散瞳」という曲。「散瞳」とは、瞳孔が拡大した状態のことらしい。
ウクレレ?のカッティングで軽快に始まった刹那、音の断片が崩れ落ち、あたり一面に溶け出してしまうようなイントロ。それがまた融合してマーブル模様を描く。君島青空のセカンドEPに収録された「散瞳」を初めて聴いた時、そんな印象を受けた。
電子音と楽器が織りなすモザイク模様は複雑怪奇であり、その奇跡的な構築美には戦慄すら覚えたものだが、一方で、キラキラとした光のきらめきが網膜に浮かび、木漏れ日のような心地よさも感じ取れる。
緻密な構成といった点ではトラック1の1-800 MIKEY とは対極に位置する音楽かもしれない。だが、相反する方面へ振り切った結果、 DIY というタームの裏側で手が結ばれているように感じさせずにはいられない。
ぜひ連続で聞きながら、その不思議な親和性を感じて頂けたらうれしい。
次回は3曲目以降をご紹介します。
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