Kyra, Plastikman ミックステープ KOMEMX - The TAPE 02 B面
ミックステープ第二弾のB面。今回はトラック7の Kyra と、トラック8の Plastikman の楽曲についてご紹介します。
PLUSHY / 1-800-MIKEY
散瞳 / 君島青空
Raise / Chilli Beans.
NERO / GODFLESH
Slay the Heart of the Earth / The Bitter Tears
Dr. Landy / I’m from Barcelona
Anna K. / Kyra
EXpire / Plastikman
7. Anna K. / Kyra
1991年にビリー・チャイルディッシュ率いるヘッドコーツのバック・グループとして結成されたヘッド・コーティーズ。そのメンバーの一人であるキーラが、ここで紹介するアーティストだ。
少し余談だが、僕は「Budget Rock」というFacebookグループをフォローしている。「Budget」を直訳すると「予算」だが、ここでは「低予算ロック」というジャンルを指しているらしい。ガレージパンクを軸に、ラフで荒削りなロックンロールならなんでもアリというルールで、参加者たちが所有するアナログレコードを紹介している。中にはあまりにもレアで、聴こうとしても探せない音源も少なくない。毎回、その未知の音楽の多さに目が点になってしまう。
「Anna K.」が収録されているキーラの1998年のアルバム『Here I Am I Always Am』も、そんな「Budget Rock」グループ内で特に熱くレコメンドされていた作品のひとつだ。
「Anna K.」は、パンキッシュなアルバムの中で異彩を放つホラー・チューン。クランプスを思わせる軋むギタートーンに、キーラの魔女的な歌唱が重なり、まるで奇談を紡いでいるような独特の雰囲気を醸し出している。この曲がまた、ミックステープのラストを飾るプラスチックマンの楽曲へと驚くほど自然に繋がっていくのだ。
8. EXpire / Plastikman
ミニマルテクノの第一人者、プラスチックマンことリッチー・ホウティン。その作品は、「ミニマル」という言葉の本質をまざまざと見せつける。彼の音楽に初めて触れたとき、これが本当に音楽なのかと動揺したほどだ。音楽に興味のない友人に聴かせた際には「お経か?」と言われ、嗜好を怪しまれる場面もあった。
ミックステープのラストを締める「EXpire」は、2014年のアルバム『EX』からの一曲。このアルバムは、全曲が「EX-」で始まる単語で統一され、リッチー・ホウティンの作品の中でも具体的なイメージを喚起させられる一作だ。
「EXpire」は、とにかく冷たい。再生した瞬間に体感温度が下がるような感覚がある。宇宙の広大な空間に一人放り出されたときのような圧倒的な虚無感、不安、そして訳も分からない速さで時空を旅するかのような感覚に引き込まれる。
この曲は、ぜひ夜の高速道路でドライブ中に堪能してほしい。異次元を疾走しているような感覚に包まれ、眠気は吹き飛び、視界に広がる世界が少し違って見えてくるはずだ。
テープ2作目の紹介は今日でおしまいです。ここまで読んでくれた皆さん、ありがとうございました。
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https://www.mixcloud.com/kiichi-ogura/komemx-the-tape-02-side-b/