OK Go(アメリカ) - Television, Television/The TAPE 11 - side A
今日はミックステープ11番の3曲目を紹介したい。
1. Amy Winehouse - You're Wondering Now
2. Mucca Pazza - Alarm!
3. OK Go - Television, Television
4. BUCK-TICK - スブロサ SUBROSA
5. Escuela Grind - Turbulence
6. Nada Surf - Moon Mirror
7. Angela Aki - 宇宙
8. Jamie xx feat. The Avalanches - All You Children
9. Sparklehorse - Cruel Sun
犬と人間のモーションを完璧にシンクロさせたり、学校の校庭でパラソルの万華鏡を描いたり、無重力船で一発録りのカオスを繰り広げたり、いったいどうやって録ったんだというミュージックビデオの数々が、かつて我が国の夕方のテレビで流れるほど話題になったことがある。
いわゆる「できるまで帰れません」ムービーの金字塔を次々と打ち立てた、もはや音楽を超えてアート集団と読んだ方がいいアメリカのバンド、オーケー・ゴー。
ミュージックビデオが世界中でウケまくりまさにイケイケ状態だったこの時期の音楽性は、ザックリ言えばテクノに近い印象だった。もちろん今聞いて良い曲だとは思う。だが、あまりにビデオのインパクトが強すぎたためか、音楽だけで聴いてみようとは思わなかったものだ。
実はそのオーケー・ゴー。デビュー作のリリースは2002年。当時世界を席巻したガレージロックリバイバルの波に乗り、タイトなギターサウンドを鳴らすバンドであった。同時期に登場したガレージロックバンド達はスタイルも様々で玉石混交の様相を呈していたが、彼らは特にリズムを重視したニューウェーブ色を先取りしていた感がある。
フランツ・フェルディナンドのデビュー作が2004年であったことを考えるともはや革新的であったといっていい。ただ、その後のフランツやストロークスの世界的な成功の影に隠れてしまった感は否めない。
しかし、良くも悪くも柔軟な彼ら。映像の分野で話題をさらうことに成功する。それが前述のミュージックビデオ群で見せつけた、壮大なピタゴラスイッチ集団としての企画力と忍耐力の高さというわけである。
今回、ピックアップしたのは2005年のセカンドアルバムからの一曲。彼らの音楽の中でも一番ハードなギターとタイトなリズムが聴けるロックチューンだ。元々私はフューチャーヘッズやスプーンが大好きだったが、後追いでこのアルバムに出会ったときはまさにジャストな音で、思わず彼らのことを見直してしまった。
音楽だけではミュージックビデオの様な圧倒的なアクセス数は稼げないかもしれない。でも私は壮大な映像表現よりも、ただスピーカーから流れる芯の太いギターの感触の方がリアリティを感じさせるし、断然好きだ。映像を成功させた人々と犬たちに、心からお疲れさまと言いたい。
次回、4曲目は新生 BUCK-TICK のラップナンバー。
ミックステープはMixcloudで公開中。