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ミックステープ 03 B面:2曲目 Radio Puppet Show Love / Pete Willson & the Rooks(アメリカ) The TAPE 03 - side B
ミックステープ:パート3、B面の2曲目。
https://www.mixcloud.com/kiichi-ogura/komemx-the-tape-03-side-b/
My Dear Pig / Cocco
Radio Puppet Show Love / Pete Willson & the Rooks
What Ware We Thinking / Tyvek
Easy Fun / gglum
Party / Prophet
Sex, Violence, Suiside / Amaarae
Remember / TNT
Black Cloud / Converge
For Tomorrow / Doug Tuttle
ghosts / yeule
2. Radio Puppet Show Love / Pete Willson & the Rooks
ミックステープ作りにおいて2曲目ほど重要なポジションはない。たとえるなら野球の2番バッターであり、小回りの利くフィールドプレーヤーかバントの名手といった所だろうか。曲順においても同じような感覚である。
まず、私の場合はオールジャンルのミックスであることが前提となる。2曲目が1曲目と比較してどの程度曲調やジャンルが変わるかによって、このミックスの振り幅を示すことになる。この振り幅によって3曲目の収まり具合が決まる。
また、2曲目にはあまり長い曲は持って来たくない。長い曲はミックステープにとってクライマックスである。ここで出すのは早計だ。その観点で言うと、心揺さぶるドラマチックな展開よりも、サクッと目の前を駆け抜けてしまうショートチューンを持ってくるのが私は好きだ。
以上、たかがマイベストで何をここまで、思われる方もいるかもしれないが、これはミックステープに限定した話ではなく、おそらくアーティスト単体のアルバムにおいても同じであると私は考えている。
わかり安いところではレッド・ツェッペリン、4thの「Rock and Roll」。もっと顕著な例としてはブラック・サバスの2ndにおける「Paranoid」だろう。この2つの名曲は「2曲目」というタトゥーが入っていると言っても良いほど、2番バッターとしての役割を演じきっている。
さて、ここでミックステープ03の2番バッターを紹介しよう。シカゴの3ピース、ピート・ウィルソン&ザ・ルークスだ。60年代のサイケデリックロックの雰囲気もあり、サンフランシスコのタイ・セガールに通ずるガレージロックでもあるが、タイ・セガールほどロックンロールへの狂った偏愛は感じさせず、力の抜けた欲張らないスタンスが特徴である。
はっきり言って突出したものがあるわけでは無いが、ジョージアのブラック・リップスが醸し出すマイペースな雰囲気が近いかもしれない。
そんな、ピート・ウィルソン&ザ・ルークス、2020年のデビューアルバムから「Radio Puppet Show Love」を2曲目に選んでみた。彼らの曲でも比較的テンポが良く、時間も2:16と絶妙で、このポジションとしてバッチリなショートチューンである。後半はスローダウンしてスペイシーな世界へ昇天する展開も用意されていて、短い中に幅広さも見せてくれる愛すべき小曲である。
あまりメディアでも取り上げられることのないバンドあるので、興味が湧いたらデビューアルバムも聴いてみてほしい。彼らやシカゴ界隈のアーティストのようにロックを作る営みが日常にある人々から得られるものは少なくない。
次回は王国デトロイトのガレージパンクバンド、タイヴェックの一曲。
ミックステープはMixcloudで公開中。
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