生まれるまであと26日

最後に涙を流したのはいつ以来だろう。

ふと思った今日この頃である。


妻が里帰りした日、

妻を実家に送り届け
家についたら寂しさがこみ上げてきた。

いつもの
「おかえりなさい」

賑やかな笑いも何もない
2LDKのアパートはとても広く寒く感じた。

そして
行くときは気付かなかったが
机の上に一枚の封筒と
手紙が同封されていた。

妻から自分への手紙だった。

自分への日々の感謝

陣痛への恐怖

出産の不安

しかしそれ以上に
私達の子供に会える事が楽しみで仕方ない

そう言った内容だ。

恥ずかしい話だが
アパートの一室で
大の男が1人声を上げて泣いてしまった。

妻に会えない寂しさと、


我が子の為に苦痛に立ち向かう勇気と、


自分は何もしてやれない不甲斐なさと、

そして妻への愛しさと、

いろいろな気持ちが揉みくちゃになったようだ。

その後は
何をするにも無気力で
日記の更新も出来ずじまい。

「生まれるまであと27日」は
母を亡くした日以来初めて涙を流した日になった。

産後の夫婦間のトラブルは多いと聞くが、

この気持ちは忘れてはならない

そう心に誓った日であった。

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