日常が突然崩れるということ
2年前、突然主人を亡くしました。
趣味の登山に興じる最中の、不慮の事故でした。
今でも、警察から電話を受け取った時のことは鮮明に覚えていますし、足元がガラガラと崩れ落ちるというまるで漫画のような体験をしたことも、昨日のことのように思い出します。
昨日までは、当たり前の一日だったのに。
ある日、ある瞬間から、突然、日常がひっくり返って、地獄のような日々が始まる。
人生って残酷だ。
どの瞬間から人の人生は過去になるのだろう。
生きてるうちは常に「今」があるのに、ある瞬間、それが息をしなくなった瞬間なのか、脈がなくなった瞬間なのかはわからないけれど、突然、その人との時間が過去になる。
こんなに残酷なことはない。
こんなに苦しいことはない。
もう二度と戻らない日常に何度思いを馳せても変わらない。
いつかこの苦しみが誰かの役に立つ時がくるのだろうか。
いつか自分を癒せる時が来るのだろうか。
本当は今すぐにでもいなくなってしまいたかった。
朝日が登らなければいいのにと思った。
でも、私は今日もなぜか、生かされている。
2年経ってもいまだにもがいている。