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【俺屍プレイ記#36.5】戦神 米神紅月伝~大江山越えメンバー語り回~

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前回の記事で最後の大江山越えメンバーである柴も亡くなりました。
なのでプレイ記では言えなかったことなど語っていこうかと思います。


▼「沢菜」というキャラクターについて

2代目当主・のり丸君と水の女神・泉源氏お紋様との間に生まれた女の子。そして次期当主、すなわち次世代の主人公となる子です。

沢菜ちゃんのキャラクター性は「心水の高さ」と「特徴:来世はお姫様」によって作られています。心水が高いキャラを泣き虫設定にするというのは安直すぎる気もしますけど、水って文字があるからつい……。

「特徴:来世はお姫様」についてですが、こちらは最初解釈で迷いました。「来世は」ってどういうこと?今世では絶対なれないから……という諦めの気持ちなのか、将来の夢はお姫様!くらいの憧れの気持ちなのかがわかりませんでした。

でもね、できるだけシリアスにしたくないんですよ。深堀しすぎると絶対しんどいことになるじゃないですか。だって鬼の角が生えてる顔グラの子ですよ?もしかしたら容姿を気にしてのことかもしれないじゃない。そんな可哀想な設定にしたくない!この子は次代の主人公だからキラキラしてて欲しい!!

ということでディズニープリンセスに憧れるような夢見がちな女の子として解釈しました。ついでに目もキラキラさせました。お父さんの目はハイライトなかったから娘はね、輝かせてあげよう。

もちろん沢菜ちゃんの世代が大江山を攻略することになるだろうとわかっていたからこそ「強くて可愛くて前向きでキラキラしたキャラ」にしたという理由も。彼女の輝きで大江山越え後の暗い雰囲気を払拭させようという目論見がありました。結局この計画は叶いませんでしたが。

俺屍プレイ記#20の一コマ
俺屍プレイ記#26.5の一コマ。描きなれてきたので綺麗系から可愛い全振りのキャラデザになってきました。ぶりっ子っぽい泣き方が特徴です。

▼のり丸の遺言と大江山攻略の前倒しについて

プレイヤーの罪トップ2です。「のり丸君の遺言をキャッチコピーにしようとした。」「計画から一年前倒しにして大江山を攻略させた。」

まず「のり丸君の遺言」の件。もうね、彼の遺言超良いんです。爽やかで前向きでね、米神一族のキャッチコピーにいいんじゃない!?と思ってしまったんです。俺屍プレイ記#24からさっそく使い始めてますね。

俺屍プレイ記#24.5の一コマ

しかし、これが原因で山越え以降の沢菜ちゃんは「止まる事が出来ず、ただひたすら全速で走り続けることになった可哀想な女の子」となりました。お父さんの遺言が呪いに変わった瞬間です。

俺屍プレイ記#27のワンシーン

挿し絵はそのあとの展開や遺言に寄せて描いているのですが、記事自体はリアルタイムでプレイしていたときの気持ちのままに書いています。

記事1つ分(だいたい2、3ヶ月)ゲームを進める

プレイ記の下書きを書く

また2、3ヶ月ゲームを進める

プレイ記の下書きを書く(以下繰り返し)

そして書き溜めた下書きに挿絵を追加してプレイ記を更新する。そういう方法で作っています。
実はゲームの方は既に最終世代が生まれるまで進めていまして、下書きは80話近く書き溜められてます。あとは挿し絵描くだけなのでかなり楽ですね。

こういう流れなので、のり丸くんの遺言をキャッチコピーとして使い始めた頃はまさか彼女たちがこんなことになるなんて思ってなかったんです。辛いことがあっても前を向いて走って次世代へ繋げる、そんな美しい物語に出来ると信じて疑いませんでした。お父さんの遺言を呪いに変えてしまったのは後先考えてなかったプレイヤーのせいです。

俺屍プレイ記#22のワンシーン

次に「大江山攻略の前倒し」の件。当初は1021年の冬に大江山攻略を進めるつもりでした。しかし、白骨城の大ボスも九重楼の大ボスも倒せてないにもかかわらず一年早めることを決意します。

俺屍プレイ記#24.5のワンシーン

ひとえに沢菜ちゃんの存在があったからこういう決断ができました。できてしまったんです。だってあまりにも強いんだよ。「高い体火」と「拳法家」という職業がマッチし、更に「高い体水、体土」と「拳法家の回避補正」で素晴らしい矛と盾を持った超高火力モンスターへと成長しました。風の属性武器「胡蝶の手袋」もゲットしてたし。

前世代の昆之助君とあさりちゃんのステータスに不安があっても、沢菜ちゃんがいれば朱点童子戦いけんじゃね?ってね。実際楽勝で倒せました。

さぁ、鬼朱点戦も終わり第二部が始まった!ここから綺麗に話をまとめるぞ!!と気合を入れていたのも束の間、強烈なパンチを食らいます。

あさりちゃんの遺言。

「で…、今のアタシに何が残ってる?」
この言葉に何も答えられませんでした。
そしてようやく気付きます。私は彼女たちに「大江山攻略をさせてあげた」のではなく「大江山攻略をさせてしまった」ということに。プレイヤーが余計なことをしたせいです。

間違いなく彼女の遺言がストーリーの分岐点でした。

プレイ記#26のワンシーン

▼あさりについて

「一族のため、明日のため、そう思っていろいろ我慢したし捨ててきたよ。で…、今のアタシに何が残ってる?」

先ほど述べたようにかなりの衝撃を受けた遺言。あさりちゃんの特徴は「夢:富士登山」です。我慢したり捨ててきたものがたくさんあったことは容易に想像できます。その上さらに呪いが解けるかもしれないという希望を抱かせてからまた絶望に落とすという最低最悪な展開にしてしまいました。

実は当初は富士登山の夢のことはスルーするつもりだったんです。だって悲しいじゃない…。沢菜ちゃんの特徴と同じように深堀すると絶対苦しい展開になるので、見なかったことにしようと思ってました。ですがこの遺言がきたからには取り上げない訳にはいかない。結局、朱点戦前のプレイ記#24.5でカミングアウトする形になります。

何が残ってる?という問いに「息子がいるじゃないか!!」なんて綺麗ごとは流石に言えませんよね。当時はみんな家族仲はいいと思い込んでプレイしていたのであさりちゃんと奈良君親子も仲良く訓練してたのかなと妄想してましたが、この遺言きちゃったら家族仲良くないでしょう……義務感で訓練をつけていたのでしょうか。

プレイ記#26.5のワンシーン。
プレイ記#31のワンシーン。奈良君は昆之助君と柴の仲良い親子を知っているから、自分たちは「親子らしくない」という感想になるのかも。

余談ですがnoteの私のアイコン、緑色のうさぎが血走った目で泣いているんですけど、あさりちゃんの遺言聞いて毎日泣いてた時に描きました。


▼大江山越えメンバーの支柱的存在

のり丸君亡き後、昆之助君が一番上の長男になります。彼は心風が高く土髪火肌の見た目だったのでチャラ男キャラにするか……と設定を練っていたんですけどね。

しかし戦わせてみると強いし器用だしでかなり便利な子でした。技力が高いので自然と回復&速瀬係になるし、術で戦わせても弓で戦わせてもいい、サポート役に徹してもらっててもいい。臨機応変に戦闘スタイルを変えられるすごい奴。
いつの間にか一族の潤滑油ポジションを獲得していたのです。漫画もそういう方向にキャラがたっていきます。

俺屍プレイ記#23のワンシーン
俺屍プレイ記#24.5のワンシーン
プレイ記#34のワンシーン

頼りになる兄貴キャラだっただけに、もっと生きていてくれたら沢菜ちゃんたちの行く末は少しでも明るい方向に変わっていたのではないかと思わずにはいられません。特にあさりちゃんの遺言のときは昆之助君にいてほしかった。

大江山越え直後でも柴のメンタルが安定していたのは、お父さんの昆之助くんが傍にいたからなのかなと思ってます。逆にいなくなってからは徐々に崩れ出しましたけど、柴……。

俺屍プレイ記#27のワンシーン。大江山越え直後でまだ昆之助君が生きているとき。
俺屍プレイ記#31の一コマ。昆之助君が亡くなってから半年後くらい。

▼沢菜の変化と柴の遺言

みなさまは気付かれましたか?
一族紹介のプロフィール画像が大江山攻略前後で変わっていることに………そして「いいね」すると出てくるイラストに沢菜ちゃんだけ2パターン作られていたことに……。

沢菜ちゃんは晴れ渡った夏空みたいで、一点の曇りもない純粋で明るい子でした。しかし鬼朱点戦後にはかつての目の輝きは失われ、心は真夜中の海のような、深くて暗く底が全く見えない状態となります。遺言も当たり障りのない台詞だった為に彼女が一体何を考えていたのかわかりませんでした。

そういえばのり丸君も来訪時イツ花に「何を考えてるのかよく分からない面白い方」って言われてたからハイライト無しの目のデザインになったんですよね。

このような変化になったのは「柴の遺言」の影響があります。

プレイ記#36の柴逝去回でも書きましたが「何か足りなかった」ということは「満たされなかった」ということでもあります。この遺言を聞いて「あぁ沢菜ちゃんも柴も救われなかったんだな……」と二人が笑い合ってる未来が全く想像出来なくなりました。

なので沢菜ちゃんは弱音を吐かずに淡々と鬼と戦い続け、誰にも、柴にすら何も言い残すことなくあっさりとした最期を迎えることに。
柴は沢菜ちゃんに寄りそうも何も出来ずに、満たされることなく最期を迎えます。

俺屍プレイ記#31の一コマ。
俺屍プレイ記#23のワンシーン。2代目当主から娘を任される柴。

柴が支えようにもそんな隙がないほどに完全無欠な当主であり続けた沢菜ちゃん。これが彼女なりの「全速で走り続ける」ということだったのでしょう。彼女は強すぎました。

「趣味:バカ騒ぎ」の特徴を持つ娘の海老名ちゃんともあんまり良好な仲ではなさそうです。あさり奈良親子ほどではないにしろね。第三者目線だと仲は悪くなさそうに見えるけど、実際はうわべだけの会話しかしておらず正面から向き合えていないという感じでしょうか。なので作中では沢菜ちゃんの隣に諦めず居続けた柴と、諦めて離れていった娘の海老名ちゃんで対比させてます。

プレイ記#31のワンシーン。沢菜ちゃんと海老名ちゃんの親子仲については後々漫画で掘り下げると思います。

▼最後に

「生きる、死ぬ、託す。」がキャッチコピーの俺屍ですが、うまく次世代へ託せず繋げることが出来なかったのでこの世代で流れがプッツリ途切れることになりました。
これからは4代目当主・海老名ちゃんが新しい米神一族を作っていくことになります。4~6代目当主の時代はギャグ本何冊でも作れそうなぐらい楽しい世代で私はとても好きなんですけどね。個人的イメージソングはWANIMAの「ともに」です。

大江山越え後を一言で表すなら「停滞」でしょうか。全速で走り続けているのに全く進んでいない。むしろ時間が止まってしまったかのような、そんな空虚な日々のように見えました。せめて彼女たちに安らかな眠りが訪れることを祈ります。


よければ柴の遺言を知った上で3代目当主・沢菜逝去回の手描き動画をもう一度見てみてください。(※俺屍プレイ記#34

長くなりましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。




初代当主もつらいだろうなぁ


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