「ART MONTH 小松楼」アーティストとの共同作業でした
交流 その1
11月16日(土)は、13時から招待アーティイストの宮本華子さんが持参されたインスタレーションを展示して、初めてサポーターやスタッフ、地域の方達に見ていただいて、それぞれの思いを表していただく初日を迎えました。
午前中には、小松楼まちづくり交流館の二階和室での設営が始まったのですが、実はもうお一人の招待アーティスト、三本木歓さんの日程が12月と一カ月先になってしまったので、インスタレーション作品のみ提供していただきました。映像作品であるとわかったのが11月13(水)でしたが、同時にプロジェクターの稼働方法を動画で見れるように、ダウンロードが必要になりました。映像作品だと判った時に、とっさにプロジェクターの手配を今から?と心配したのですが、15日(金)にプロジェクターとUSBメモリーが届きました。宮本さんに接続していただき、映像作品を確認出来ました。三本木さんが10月に行った福島県川内村でのフィールドワーク「集会場の調査記録」の映像でした。この映像は、小松楼まちづくり交流館二階の和室6畳間に、雨戸側から室内の漆喰壁に向けての上映としました。
次の作業は、隣の常連部屋として使われていた床の間付きの部屋に、宮本さんの刺繍されたカーテンを設置することから始まりました。発端は、この建物が国登録有形文化財に指定されているため、設置場所が限定されていたことから始まりました。宮本さんと理事長の私だけでは判断出来ないと、新居まちネットの顧問、理事、そして今回のサポーターにも加わっていただき、お手伝いしながらの設置となったのです。この部屋の床の間前にカーテンを設置したところ、風が欲しいと、宮本さんが扇風機を設置しました。この部屋の二面側は廊下になっていて、窓側は雨戸を収納するようになっていす。そこで、この廊下の角にカーテンを吊って、一つのインスタレーションとして、この廊下部分は通行出来ないようにしました。事前のイメージとしては、この刺繍されたカーテンに宮本さんが刺繍されるシーンでした。ところが、この部屋にプロジェクターを設置、廊下がわの漆喰壁に向けて映像が映し出されたのです。その内容は、これまでの展示場所だったり、刺繍されている場面でした。宮本さんは、この16~17日、そして20~21日以外は滞在されていないので、ご自身の分身を映像として映していると、私は認識しました。
この時点で、本日予定の13時まで、あと30分程。しばらく休憩して交流会を開催出来ると勝手に思い込んでおりました。宮本さんから、まだまだカーテンを持ってきたから、他の場所にも掛けてみませんか?と提案があったのです。その場の全員が賛成して、場所を探しました。結果、一つ目は二階の中央部から表の階段の片側に垂らすようにしたのです。この時、反対側に竹製の行灯が照らしており、良い照明効果となりました。もう一つは、裏の階段部分に垂らしてみたら、という提案でやってみたのです。こちらも階段上部の「小松楼」の行灯が見えて、こちらも効果的な表現につながりました。まだまだ、カーテンは用意されていました。
そこで、実際に刺繍して新聞記者さんに取材していただく場所を検討したのです。一階の奥座敷の片側にカーテンを吊るし、その下に座椅子を置き、扇風機の風でなびくように配置をしたのです。
こうして、一日目は単に展示を見ていただくというよりは、共同作業を通じて「インスタレーション」とは何なのか?アーティストさんの表現方法とは何なのか?を参加者全員が経験を通して感じ取ることが出来ました。アーティストさんが完璧に展示された作品を時間が経過してから見るよりも、興味心を掻き立てられたと思います。作品に触らさせていただき、ありがとうございました。
あっという間に、17時を迎えてしまった為、翌日からスタッフ作業として、プロジェクターのオンオフについて、関係者で確認をしました。
この日は、旅館・ホテルではなく、拙宅に泊まっていただきました。その為、ご本人とご友人、関係者で晩御飯を兼ねた歓迎会を催させていただきました。関係者からの差し入れや新しい取り組みについての話題など盛り上がりました。
二日目、11月17(日)です。拙宅での朝ごはんの後、遠州灘が一望できる庭と富士山がかすかに見える窓からの借景を楽しんでいただきました。
お友達を新居町駅まで送り、小松楼近くの新居関所駐車場に私の車を駐車、小松楼へは9時過ぎに入りました。
プロジェクターのオンオフの確認をして、一日のスタートです。
昨日は時間切れで出来なかった、作品の紹介キャプションを作成したり、他会場での展示写真などの展示を追加していただきました。関係者で昨日の反省をしたり、本日の交流会の段取りを話し合っていたところ、小学生お二人のご家族が入館、建物のガイド後に今回の「インスタレーション」を見学していただきました。小学生お二人は、普通の和室や階段に広げられ、風にそよいでいるカーテンに興味を持たれたようでした。午前中は、静岡文芸大の高山教授、そして県の職員も来館され、宮本さんから直接ガイドしていただけました。
午後は、13時30分からオンラインで三本木歓さんに参加していただき、10月に行った福島県川内村でのフィールドワーク「集会場」の調査記録についてお話をしていただきました。あの東北大震災の福島原発被害では放射能の影響で海岸線がなく内地にある村についても集団避難が行われ、当時の集会場が一次避難場所とされたが、避難場所としては疑問に思っている。私は、建築家でもあるので、集会場建築がアートとかけ離れているから、何か役立つことがないか、考えてみたい。会場まで足を運んでいただける方には、映像作品の概要をまとめた一文をお渡しできるが、なるべくは、何かの気づきを持って余白を感じていただきたいので、具体的なご説明は省かせていただく。‥といった、お話でした。
宮本さんにしても三本木さんにしても、作品を観ていただく感性を大切にされていると思うのです。
ところで、今回のお二人の「インスタレーション」のタイトルが決まりました。
宮本 華子 「しろが消えていく。湖西」
三本木 歓 「堂々巡りの文庫-11番目の集会場」
貴方は、どんなイマジナリーを発想されましたか?