娘よ③

娘よ。

さっきの記事でお母さんが出てこなかったのを気にする必要はないよ。
お母さんはしばらくほぼワンオペでお前の世話をしてて疲れちゃったから、親父が代わりにお前を預かってリフレッシュしてもらってるんだよ。
だからお母さんはお母さんの実家、親父は親父の実家に一時的にいるだけなんだ。

というのも親父はお母さんの実家にしばらくお母さんの家族と一緒に住んでたんだけど、なんだか居づらくなっちゃってストレスがたまってお母さんと喧嘩しがちになっちゃってたんだ。
そこでお母さんと二人で話し合って、一旦親父は実家に戻って同人活動に専念して金を稼いだ方が良いってなったんだ。
そう、親父は同人活動をしているんだ。でもこの話は別の話。またいつか機会があったらすることにしよう。

お母さんはね。親父が今まで会った中で、一番可愛くて、一番優しくて、一番わがままで、一番甘えん坊で、一番弱くて、一番助けてあげたくなる女性なんだよ。
でも、お前が産まれてからは、お母さんは見違えるほど強くなって、親父は助けられてばかりなんだ。
入社3日目で勤務時間中に泣きながら黙って逃げ帰って来たり、1週間ネットカフェにこもったり、自分で手首を傷つけたり、色々あったけど、お母さんはすごくたくましくなったよ。何より、お前をお腹で育んで、産んでくれたよ。

これはここだけの秘密だけど、お母さんは寝る前とかに、いまだに左手の親指をチュッチュしてるんだ。すごく可愛いんだよ。今度うつむいてたらコッソリ覗いて見てごらん。

お母さんと会うまでは、親父は自分が幸せになれるなんて、そんな希望は全然持ってなかったよ。もう独身のまま孤独死するか、それよりもっと早く自殺するかのどっちかだと思ってた。
5年前、33歳の時にお母さんと出会って、モノクロだった親父の人生は急に色づいたんだ。それこそ天と地、天国と地獄がひっくり返るような変化だった。

お母さんは親父に旅行と外食の楽しさを教えてくれたんだ。外食は松屋かラーメン屋しか行ったことないし、旅行なんか家族ともほとんど行った事無かった親父を、お母さんは色んな所に連れ出してくれたんだよ。授業料はかなり高くついて、お母さんに「もうお金ない」って泣きつくくらいだったけどね。(結構マジでクレジット分割払いとかキャッシングとかすごいことになったけど、お前が産まれる頃にはなんとかなったよ。)

お母さんの事を書き始めると止まらなくなっちゃうから、この辺にしておくね。

お母さんやお前に危害を加えるような奴がいたら、親父はなんのためらいもなくそいつを殺すし、お前たちのためになるなら、いつでも喜んで死ぬよ。
今はたまたまそんな事が無いから同人活動を頑張ってるけどね。

また長くなってしまった。。。


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