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小惑星探査機「はやぶさ2」の軌跡|人成塾(JAXA宇宙科学研究所博士・津田雄一)

ノンフィクション作家・小松成美がゲスト講師を選び、次の時代を生きるためのヒントをありのままの言葉で学ぶ『人成塾(じんせいじゅく)』。

今回の対談ゲストは、宇宙科学研究所博士の津田雄一さんです!

小松:皆様、おはようございます。オンライン人成塾、皆様どのようにお過ごしでしょうか。今日はですね、待ちに待った私たちのヒーローであります、JAXA宇宙科学研究所のはやぶさ2プロジェクトマネージャー津田雄一博士をこんなに朝からお迎えしております!


はやぶさ2の成功の裏側

津田:おはようございます。よろしくお願いします。

小松:今日は、本当はお休みでしたね。

津田:まぁそうなんですけど、楽しみにしていました!

小松:ご参加くださった方もいたと思うんですけれども、人成塾、私達の勉強会にライブで行ったときに来ていただきまして、それは2019年の夏のことでございました。なのでね、ウイルス感染が世界拡大するなどまだ誰も知らなかった頃でしたね。

津田:それより前でしたね。まだ、はやぶさ2も成功するかどうかわからなかった時期、呼んでいただいて。

小松:そうですね、無理やり(笑)はやぶさ2のタッチダウンが成功したときでしたね。

津田:はい、1回目はその時でした。

小松:1回目が成功し、やがて2回目のスタートとそして帰還ということでですね、ついに!はやぶさ2は日本に帰って参りまして、そして今研究が進んでいるそうです。この新型コロナウイルスで本当に大変だったこの1年、まぁ2年近くなんですけれども、今日は津田博士のお話を聞いて、皆様また未来に向けてですね、希望を持って前進する第一歩にしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

津田:よろしくお願いします。

小松:本当にお忙しい日々をお過ごしですが、先日はFacebookで拝見しましたが、ドバイに行かれていましたね。

津田:はい。

小松:講演をし、そして賞の授賞式ということで。

津田:そうですね。それはこの宇宙業界の中で一番大きい国際的な学会があって、国際宇宙航行連盟っていう、毎年あるんですけど、今年はドバイで行われて。毎年、一つだけ表彰されるんですね。そこで今年は、はやぶさ2が選ばれて。すごい大きい会議で、なかなかそんなところで舞台立つのってないんですけどもそこで呼んでいただいて、ワールドスペースアワードっていう賞をいただきました。

小松:すごいですね。代表して津田博士が?

津田:はい、表彰状受け取りまして、基調講演とか色々させていただいて。
その会議はドバイで行われてたんだけど、日本が頑張って色んな形で存在感がある会議ですね。はやぶさ2のこともあって色んなところに着陸成功の瞬間の写真が出てたり、それからドバイって結構日本のロケットを使ってるんですね、一斉ロケット。

小松:そうなんですか。

津田:ドバイが自身のミッションを宣伝する時に、必ず日本のロケットと一緒に出てくるんで、結構そういう意味で存在感を出せる会議だった。

小松:そうですか。そこで基調講演英語でやるんですね。

津田:英語でやります。

小松:本当に、はやぶさ2プロジェクト中からですね、もちろん帰還した後も、もうたくさん公演なさったと思うんですけれども。今日はですね、オンライン人成塾のために、こうした形態初めてだとおっしゃる、、、本当に無理を申し上げてすいません。ありがとうございます。
そもそもですね、この小惑星探査機はやぶさ2とはどういったものなのかということも振り返りながら、この軌跡をまずこの休日の朝にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

津田:最初は、はやぶさ2のいろんな写真を集めたスライドを用意させていただいたので、これに沿ってお話していきたいと思います。

動画(権利の関係で転載不可)

小松:へぇ、種子島行ってみたい!

津田:天気よかった。打ちあがるまでずっと奇麗に。

小松:はい、7年前です。

津田:そのあと順調に、はやぶさ2は3年半の宇宙飛行をして、だれも行ったこともない天体、「リュウグウ」という場所に到達しました。その後も帰ってきますので全部で52.4憶kmという、ちょっと想像つかないですよね。

小松:すごい、果てしなすぎて・・・!

津田:私プロジェクトマネージャーやってますけど、もともと技術者研究者でして、軌道設計とかを専門にしています。この世界がすごい面白いんだけど、なかなか伝わらないし、行って当然のように思われてしまうので、なかなかこの魅力をお伝えするのは難しいんですが…
はやぶさ2は地球から出発した後、最初は地球と同じような軌道を通って、ちょうど1年後にまた地球に帰ってくるんですね。

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