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アイドルとわたし、アイドルマスターSideMとわたし(前編)

このnoteは、すずなさんによる有志企画#Mマス10周年思い出メモ企画に賑やかしとして参加するべく書いた自分語りnoteです。
こんな経歴のPもいるんだな〜多様性〜と思っていただける方向けです。
あと思いの外長くなりすぎたのでお時間に余裕のある方向け
投稿期間は来年の周年日までなので今から書いても間に合います! やったね!


0.はじめに

プロフィールがあった方が統計を取りやすいかもと思い(?)、一応書いておきます。
注意事項も置いときます。長々書いてるのでお付き合いいただける方はよろしくどうぞ。

P名:こまつ(ほんとのHNは小松瑶)
担当:神楽麗、卯月巻緒、水嶋咲
備考:基本インテリに弱いレジェのファンな気がしてきた。

※話も長けりゃあとがきもなが〜いタイプのオタクが書いています。
※SideM以外の話がいっぱいあります。オタクとしての半生を振り返っているため。ついでに宣伝もする。
※前編です! SideMのプロデューサーの自我を得るまでの記憶を辿っています。SideMとズブズブの仲になってからの話は後編で(そのうち書く)。
※SideMに限らない負の記憶にも触れます。特に後編。

1.アイドルとわたし

※二次元のオタクがアニマスからアイマスを知ったり、人生で初めて三次元の推しと出会ったりする話をしています。
SideMの話だけ読みたい人は 2.わたしがSideMPの自我を得るまで まで飛ばしてください

1-1.アイドルマスターと出会うまで

そもそもわたしにとってアイドルは、あまり関わりのない存在だった。

幼少期からろくに音楽番組を見ず、家庭内視聴率ではドラマの比重が特に高かった。後はニュース番組かスポーツ中継。
バラエティーもあまり見ないので、ドラマに出る芸能人以外は知らず、本業が役者でなかろうが全員役者として見ていたように思う。
小学生ごろまでのわたしは本当に音楽番組を見なかったので、習いごとの帰りに親子グループで行ったカラオケで『みんなでミニモニ。歌お!』と言われて1ミリも歌えなかったレベルである。
かと言って音楽すべてが遠い存在というわけではなく、我が家では理由あってミュージカル(劇団四季とか)は代表的な娯楽として君臨していた。
親の仕事の都合次第なので、頻度が高いわけではないが、子どもの活動時間に対して2時間強の娯楽は単純に濃く、どんな題材も夢中になって観ていた。
(※普通にストレートプレイも見てたはずだが、子ども心にミュージカルの方が要素が多くて好きだったし親もミュージカルの方が好きだった)
結果的に、この時期のカラオケではひたすら劇団四季を歌っていた。周囲からはなんだコイツは……と思われていただろうが、あんまり気にするタイプではなかった。
そんなこんなで、このままでは周囲に溶け込めないのでは?と危機感を覚えることもなく、音楽番組を見る習慣は付かなかったのである。

さて、小学生時代のわたしの娯楽は、親の選択に依存するミュージカルやドラマ、半ば自発的に触れるようになったマンガやアニメ(※マンガは8割が親の所持品、2割が友人の影響)である。
中学に上がり、オタクコミュニティ的なものに取り込まれると、ここにボカロやラノベも加わる。
教室では毎日のようにAKB48や嵐やEXILEの話が聞こえてきたように思うが、誰が何だかもわかっていなかったので具体的な話はよく覚えていない。
とりあえず、嵐のメンバーを全員言えなくてドン引きされた記憶がある。
ちなみに、覚えていたのは千葉の星たる相葉ちゃんと叔母の推しである松潤と大野くんだった。今はもうニノも櫻井くんも覚えたので、安心してほしい(?)。

閑話休題。

当時から二次元でもアイドルコンテンツは流行っていたはずだし、実際にうたプリのアニメもクラスメイトに激推しされて見た記憶がある。
が、この時目を付けたのが林檎先生だったので、推し遍歴の片鱗がここに出てるな……と思う。
その後は国やバスケや自転車レースに詳しくなったり、メカクシしたりした。
要するにそういう世代のオタクなのである。

中三〜高三までの期間は、男女仲のいいクラスだったり部活だったりで、いわゆる男性向けのコンテンツの情報も入ってくるようになった(元々“とある”のオタクだったのであまりそういう垣根は気にしていなかったが)。
ここでようやく視界に入ったコンテンツが、アイドルマスターである。
当時、何かのタイミングで(デレアニあたり?)、アニマスの再放送があったのだと思う。
『面白いから見てくれ! CDも貸すから!』
とクラスメイトの男子(春香Pと貴音P)に二人がかりでゴリ押しされ、まあこの貴音さんて子、普通に可愛いしな……と見ることにした。

そして、私は“アイドルマスター”に出会った。
アイドルに対する向き合い方が個々に描かれた物語にボロ泣きし、アイドルという職業と普通の女の子の狭間にある彼女たちの悲喜交々に目が離せなくて、アイドルマスターって、良いかも……と思い始めた。
この時点では、あくまでアイドルマスターという存在に肯定的になったに過ぎず、ちょっとアイドルという存在への意識の高まりがあったくらいで、二次元も三次元もそれ以上の深掘りをする気はなかった。

そう、彼女たちに出会うまでは……

1-2.モーニング娘。とわたし

さて。皆さんは何らかのアイドルにハマった時、どんな出会いをしたのだろう。
TLに流れてきたイラストや写真で、番組やYouTubeなどで流れてきたライブ映像で。
あるいは、バラエティー番組でのアイドルという言葉のイメージとのギャップある姿を見て、だろうか。

わたしは、舞台だった。なんなら配信映像だった。
きっかけは某2.5次元舞台だ。それまでのわたしは、幼少から大きめの商業舞台に触れていただけに、2.5次元そのものをなんとなく敬遠していた(子供の頃にセラミュは見てたのに)。
が、アイドルマスターとの出会いを経て、「なにごとも食わず嫌いはよくない。食べてみてから好き嫌いを決めよう」というマインドになったわたしは、結果的にそれはもうめちゃくちゃハマった。
(※この後の流れ的にバレバレなので先に書きますが、某刀のストレートプレイの方です)

そして、私のオタク人生のルーツのひと欠片に舞台があることを知ったフォロワーが、あるリンクを送り付けてきた。

「同じ人が脚本を書いた女の子アイドルのやったオリジナルの舞台なんだけど、騙されたと思って見てみてくれない?」

それが『LILIUM ーリリウム 少女純潔歌劇ー』(初演版、ハロプロ版)である。

……ここでLILIUMを含むオリジナル演劇作品TRUMPシリーズの話をすると、もう1本別でnote書けば? 案件なので割愛する。
とりあえずめちゃくちゃブッ刺さったことだけ伝わればいい。
吸血種の少女たちの花園で巻き起こるゴシック・サスペンス! 全力で歌うし踊る! ピンと来た人はよろしくどうぞ!)
8/14までユーネクスト無料体験登録で見れちゃう!)
(オリジナルストーリーのアニメ『デリコズ・ナーサリー』がこの夏放送!)
(最新作・舞台『マリオネットホテル』がこの秋上演!
(同シリーズ作品から11作がDMMTV見放題入り!)
(コミック版展開としてシリーズ表題作『TRUMP』(完結)と前日譚『COCOON』(24年9月から連載決定)も!)

宣伝は基本(リンク貼りまくったのでご興味があればぜひ。誤タップさせたらすみません)。

それはさておき、この舞台が映像にも関わらず情緒をぐちゃぐちゃのへにょへにょにしてくるタイプのパワーがあった。
知らない癖の扉を開かれた気持ちでラストシーンに打ちのめされ、呆然とカーテンコールを見届け……そのまま、なぜかバクステ映像が流れ出した。
(※一時期はユーネクストの配信でそのままバクステが見れたと記憶しているが、今は多分入ってないので円盤でご確認ください)

さっきまで凄惨で美しい地獄を繰り広げていたはずの、等身大の少女たちの大はしゃぎする姿が、画面に映っていた。

(……か、かわいい。というか、元気。この演目で裏ではこんなに元気? なんで???
ていうか、え!??? さっきの儚げ美少女が後輩ぽいイケメン美少女にメロメロになってるんだが〜!????)

ざっくり言うと、こんな感じの映像だった。
教えてくれたフォロワーに、本編の感想に加え、バクステへの感想も送り付けた。
多分、もう一押しだと思われたのだろう。
ありとあらゆる関連動画を送り付けられ、貪るように片っ端から見た。
トドメを刺されたのは、これだった。

「ちょうど、今のモーニング娘。に新メンバーが入るところなんだよね」

(※いろいろ時期が曖昧なのでこれを見た時にはもう入ってたかもしれない)

わたしはこの動画で、普通の女の子がアイドルになる瞬間を、見た。
(※ハロプロ研修生はすでに「普通の女の子」ではないのだが、当時の認識として)
この動画をきっかけに、私は『モーニング娘。'17にハマった!』と公言できるレベルにズブズブにハマった。
LILIUMが入り口だったので、案の定(?)推しメンは10期の工藤遥さんなのだが、
彼女が2017年12月に卒業して以来、現在の推しメンはこのときの新メンバーである13期の横山玲奈さんである。
う〜ん、運命かも。

何はともあれ、こうして二次元オタクと舞台好きをベースに新参者のモーニング娘。オタクが錬成された。
そして私は、アイドルという存在を二次元でも三次元でも肯定できるオタクになっていた(この時点ではかなり部分的ではあるが)。

2.わたしがSideMPの自我を得るまで

2-1.アイドルマスターSideMとの出会い

大学生になったわたしは、サークルの定例会で隣の席に来た他学科の友人がソシャゲを開いているのを見かけた。
なんだかやたらと同じタイトル画面を見たので、サーバーと戦っているかリセマラ中だったのだろう。

「それ何てやつ?」
アイドルマスターSideMの音ゲー。今日からリリースなんだよね」
「へ〜、アイマスなんだ! 話聞いたことあるかも(Twitterで)。入れてみよっかな〜」

そう。この日は2017年8月30日。アイドルマスターSideM LIVE ON ST@GE、通称エムステのリリース日だったのである。
もはやアイドルジャンルに抵抗もなく、それどころかとりあえず目に触れたら食べてみるだけ食べてみよう精神のオタクになっていた私は、なんの気なしにエムステをインストールした
あの時の友人、ありがとう。遅ればせながらマキノさんのボイスおめでとう!
(後になって知ったことだが、彼女はマキノPだった)

こうして私はアイドルマスターSideMと出会った
初めてスカウトするアイドルを46人からひとり選ぶことになり、わたしは悩んだ。

Jupiterがいる。なんか前に聞いたことある子たちもいたような……そうそう、さんね。あとは巻咲ちゃんだ! 巻咲ちゃんかわいいけど、この二人はまとめて触りたいからな〜。完全に初見の子にしたいな〜」

フォロワーのフォロワーがドラスタPだったはずで、受動喫煙越しの受動喫煙をしていたわたしは、ドラスタに加えて、なぜか巻緒と咲のことだけは認識していた。
しかも当時からこの二人は“巻咲”というコンビで固定というすり込みがあった。
フォロワーのフォロワーの思想なら大成功しているので七年越しにお伝えしたい。もう覚えてないけど。

さて、そんな訳で見覚えのない残り40人くらいからひとりを選ぶ作業に移った。
ビジュとかプロフィールの好みで選ぶか〜と立ち絵と履歴書を見比べていくうちに、ある二人に絞られた。

神楽麗と、清澄九郎である。

―――わかりやすいなコイツ!!!
そんな声が聞こえてきそうだが、結果的に選んだのは麗くんの方だった。
多分、大学生が19歳プロデュースするのもな〜とか、和物も大好きだけど今はヴァイオリンの方が気になる〜とか、結構そのくらいのテンションだったと思う。
あとは、16歳が仏頂面してるのがかわいかった。
かわいい感じの服を着てるのに『かわいい』をしていなくて、かわいかった。
それから、実はインテリなのが決め手だったかもしれない。アニマスを通して青系統に弱いとわかっていたから。
なんとなくではあるが、赤と黄色の枠は咲と巻緒に埋められていたので、メンタルの九郎くんはまた今度ね、となったのだと思う。

というわけで、ひとめぼれというにはかなり打算的だが、ビジュアルと履歴書の情報だけで初めて選んだアイドルが、神楽麗だった

2-2.エムステと音ゲーに向いていないわたし

こうしてエムステを始めた訳だが、当時のわたしはソシャゲらしいソシャゲを嗜んだことがなかった。
音ゲーというものもろくにやったことがなかった。
さらに、未だに音楽を聴く習慣もなかった
端末にはほとんど楽曲データが入っておらず、当時は今ほどサブスクも発達していなかった。
初めてのイベントのランキング報酬SRが麗くんだったので、ソシャゲ初心者なりにどうにか5000位ボーダーに滑り込んだことは記憶に残っている。
当時のわたしの初心者ぶりを解説すると、いわゆる“ワンパン”と“フルパン”の違いがわかっておらず、ちまちま……ちまちま……とひたすらワンパンを繰り返して必死の小走りをしていたのである。

稼げないイベントポイント!
迫り来るボーダー!
補充した端から底をつくゼリー!

……今思うと、1枚取りとはいえよくボーダーに滑り込んだなと思う。さすがに途中からは要領がわかってきてフルパンの存在に気付いたのだろう。
この時、イベントの走り方は手探りでも、気合と根性でボーダーに滑り込めることを知っていたのが、後々効いたのかもしれない。

ところで、アイドルマスターSideMの強みとはなんだろうか。
わたしは、ユニットのコンセプトを反映した楽曲と、それを昇華したライブパフォーマンス
そして、前向きなベクトルのストーリーの描き方が大きな強みだと思う。
当然ほかにも色々あると思うのだが、この時点のわたしは、こういったSideMの強みにろくに気付かないまま、エムステをプレイし続けた。

気付かなかった、あるいは気付けなかった理由のひとつは、音楽を聴く習慣がなかったせいだろう。
一度ずつくらいはMVを見たと思うが、ミッション消化目的が中心で、惰性的だった。
しかも、初期はオリメンもよくわかっていなかったと思う。
もうひとつは、音ゲー自体に不慣れだった。
元々がアニメやマンガ、舞台など“見る”に特化したオタクだったので、続けられたゲームはとにかく作業系の育成ゲームなどだった(それこそ刀とか)。
音楽を聴く習慣もないので、イヤホンを持ち歩く訳もなく、基本的に無音でプレイすることがほとんどだった。アイドルの声もろくに知らなかった
そして最後に、わたしはゲームでストーリーを読む行為が苦手だった。
厳密に言うと、戦闘中にストーリーの導線があり、1話読むとまた戦闘に戻る……というタイプであればわりと読むのだが、ストーリータブが別に用意されてポイントごとに解放されるような仕組みだと、あまり読まない。
わたしにとって、『その場では読めないがいつでも読める』ストーリーは、『いつになっても読まない』ストーリーになってしまうのだ。

エムステで、ろくに音楽も聞かず、MVも見ず、ストーリーも読まず、何してたの?
そう疑問に思われるのも仕方ない。
答えは簡単で、とにかくカードを集めていた。いわゆるアルバム埋めである。
好きな子のアルバムは必ず実装時に埋めてやるという意気込みで(実際に全部そうしたのだが)、カード集めだけは必死にしていた。
集めたカードをマイデスクに置くと、おしゃべりしてくれた。
関連するイベントカードを並べると、イベントに関するおしゃべりをしてくれたのもよかった。
ろくにストーリーは読んでないが、じゅうぶん関係性が伺えて楽しかった。
好きな子たちが、マイデスクでおしゃべりしたり、はたまたライブ中にめちゃくちゃかわいいスペシャルパフォーマンスや絆パフォーマンスを見せてくれたりする。基本無音プレイだけど。
巻緒映り込みもさることながら、スペシャルパフォーマンスのカットの可愛さに、WTカナダの麗くんに人生初天井を捧げたほどである。

そんなわけで、わたしは本来のSideMの強みやうまみを知らないまま、黙々とエムステほぼ無音プレイを貫いていたのである。

ちなみに、エムステリリースはアニエムと同時期だったので、わたしもそのログインボーナスにつられる形でアニエムを毎週見ていたし、ほぼリアタイしたと思う。
始めたての何も知らない情弱なわたしは、マイデスクに常に置いている子たち(麗、巻緒、咲)の出番はいつかな〜とワクワクしながら見ていたものである。
ご存知の通り、アニエムはいわゆるファスライ組を中心に描かれ、わたしが出番を待っていた彼らはちらっと映ったり一言しゃべったり程度の出演だった。
すごくいい話だったし、メインで描かれた子たちの魅力も伝わってきたし、最後の方はしっかり泣くくらい面白かったけど、わたしの好きな子は出なかった
わたしのアニエムへの評価はそれ以上にはならなかったので、これ以上SideMを深掘りすることもない……はずだった。

2-3.モバエムとポチポチゲーに向いているわたし

突然だが、わたしには別ジャンルからの付き合いの同僚Pがふたりいる。
Pとしてのわたしはこの同僚Pたちによって育てられたと言っても\過言ではなーい!/
……のだが、そもそもなぜ育ててもらう流れになったんだっけ?
と思い、色々遡りながら考えてみたところ、やはりWTカナダがきっかけな気がする。
これまでに述べた通り、わたしは世間的にはアニエムもそこまで刺さらずに終わった側であり、エムステもろくに曲やストーリーに触れていない
だが、後に担当となる推しのカード集めには執心していた。
推しがいればガシャをぶん回し、報酬カードのためにボーダーサーフィンをした。
それ以外の時は一応ストーリー回収くらいはしておく程度でイベント期間中も静かだったので、熱心なんだかそうでないのかよくわからない風に見えていたのだろう。

―――そう、WTカナダガシャを天井するまでは(SSR麗に巻緒映り込み)(2019年4月1日)。

本人たちに聞いていないのでわからないが、恐らくわたしが実装翌日に天井するのを見て、(コイツ思ったよりSideM好きなのでは……?)と思われたのだと思う。
その年のGW、別ジャンル目的で行ったイベントで、ミラフェスもやってる! と別ホールに連れて行かれ、ほんの少しだけ本を買い……
その日の流れで導かれたのが、モバエムだった。

『モバエムって知ってる? エムステとは違うカードが色々あって』
『そういえば、次のイベント巻緒上位だよ。咲ちゃんもいるよ』
『今始めれば間に合うかもよ』
(↑今思えばとんでもない罠である)(言ってなかったらごめん)(むしろわたしが言い出した可能性が高いなと思えてきた)
(※当時のツイートによるとやはり『今からだと間に合わないと思うけど』と言われていたっぽい)

翌日。
わたしはモバエムを始めた。我ながらチョロいもんである。
しかし、ここまで長々とお読みいただけた方ならおわかりかもしれない。
わたしは非常にモバエム適性があった
それはもう、エムステよりもはるかに相性が良かったと言える。
わたしはポチポチゲーが苦でないどころかむしろ好きで、カード集めに執心し、言ってしまえばボイスにそこまで重きを置かないタイプのオタクだった。
テキストで得られる情報の方が受け取りやすく、かつ咀嚼し続けられるタイプのオタクだったからだ(リスニングが弱いともいう。母語なのに日本語の聞き取りも弱い)。
しかもストーリーはイベントポチポチしてると勝手に再生してくれる。ありがたい。走ってる時はスキップしてしまってたけど。ごめん。

ということで、モバエムと運命的なまでに相性がいいオタクは推しのフィーチャーされるイベント上位を前にしてモバエムを始めた。
正直記憶がなかったのでモバエムの記録スクショフォルダを漁ってみると、わたしが“カード集め”にいかに執心する性質かということがよくわかった。
あんまり直視したくない記憶な気もするが、せっかく掘り起こしたので共有したい。

結成日(モバエム開始日):2019年5月6日
梅雨を彩るフロッグライブ(巻緒上位):2019年5月8日-15日
イベント順位:842位(1枚取り圏内)

かつてモバエムに親しんだPならば、もうお気付きかもしれない。
このオタク、同僚からの支援を受けられない期間に1枚取りしているのである(※トレード解禁は同僚になってから2週間後)。
間に合わせちゃってる暇な大学生でよかったね。
とりあえずあらゆるアピールパックを買い占め、思い出メモをかき集めては雑誌を読み漁ってミニバーを得て、ゼリーを吸い、ひたすら同僚申請しまくり、チケをもぎっては投げ、バーを貪り……という1週間だったような気がする。
最低限のデッキでよくどうにかしたものだ。
上位を走るには、気合と根性、余暇、そして何よりも課金が物を言うということをこの時学んでしまったワケである。
学ばんでもいいことを学んでしまった気がする、とソシャゲから解放された今は思ったりするが、それでもモバエムがいちばん相性が良かったオタクは未だに恋しくも思う。

ともあれ、この段階ではただただアルバム埋めに熱心なだけのオタクだったと自覚している。
過去のイベストは勧められるがままにちょっとずつ読んだりもしていたが(そして劇中劇を味わいSideMってこういうことするんだ……と思ったりしたが)、推しのやつ全部読む! とはならなかった。
言うなれば、テレビや雑誌で見かけたらしっかり見たり読んだりするけど、わざわざ出演番組をチェックする程ではない程度の関係値だった。

しかし、モバエムの才能があるオタクのカードに限定された執着を見た同僚Pたちは、次の手を打ってきた

SideMのライブ興味ない?』
3rd幕張の円盤一緒に見ようよ!』

推しの声くらいしかまともに認識していないレベルのオタクが、とうとうSideMのライブと出会う日が来た。
(※エムアニでファスライ組のみアイドルと声が結びついている)
(※セカライ組はユニットとして把握しているがメンバー個人はやや不安がある状態)
(※推しのユニットメンバーの声すら怪しかった可能性が高い。他のユニットの解像度は底辺レベル)

2-4.SideMのリアルイベント(ライブ、プロミ)を知る

話は少し戻るが、わたしは2017年ごろモーニング娘。にハマった。
初めて自分の意志でライブのチケットを取ったのはモーニング娘。'17の春ツアーファイナルだったはずだ。
(ちなみに、舞台には既に自分ひとりで行くようになっていた)
なぜライブに自分から行くようになったか?
映像で見ていて楽しそうだったから。
あの全力でコールをする観客のひとりに、無数のペンライトの光のひとつになりたいと思ったから。
どんなに遠い席でもこの目で推しの姿を見届けたいと強く思ったから、この人たちのライブに行きたいと思ったのだ。

時は2019年9月末。
3rd幕張鑑賞会を前にしたわたしは、モーニング娘。のライブはプロのアイドルによるもので、SideMのライブは本業は声優であるキャストによるものだしな、とかなり意識的にハードルを下げていたと思う。
むしろ、あんまりちゃんと声も曲も覚えてない状態で臨んだので(行きがけにエムステMVをひと通り見るくらいはした)、推しのところだけでも楽しめるといいなぁ……と思っていたような気がする。
とはいえ、せっかく見せてもらえるのだから全力で楽しむつもりで、ペンライトは持参したものである(モーニング娘。'17のペンライト。メンバーカラー13色に限定されたミックスペンラ代わり。乾電池式なので間違ってもアイマス現場では使用不可)。

まずはDAY1を見ることになった。
そもそも3rd幕張の鑑賞会をしようとなったのは、アイドルが全員出演し、ユニット全部さらえるのでDAY1を、ということだったと思う。
今ならわたしを育てた同僚Pたちの思惑もわかる。

『これを見せれば、SideMのライブに向いているかどうかわかる
……きっと大きく外れてはいないだろう。

逆に言えば、『3rd幕張が響かないなら、コイツはSideMのライブには向いていない』と思っていた節があったのではないだろうか。
ある意味、当時の試金石的な存在だったと推測する。

そしてDAY1鑑賞
……なんだかよくわからないままに終わった気もするが、とにかく楽しかった
ユニット衣装以外で誰が誰だか判別することもできない状態だった。
エムステのMVくらいでしか聞いたことのない、あるいは聞いたことすらない曲のフルサイズが次々と披露されていくのに、圧倒されっぱなしだった。
「こんな曲だったんだ」「このユニット、こんな曲も歌うんだ」「観客がいると、こんなにコールしてたんだ」「ていうか声優さんたちめちゃくちゃ歌って踊るんだが。アイドルなんだが」と終始驚いていた気がする。
あえて低くしていたハードルを軽々と飛び越えられたのである。
アニエム新規に優しいセトリでもあったので、『これ知ってる! 聞き覚えある!』のシーンも多く、何よりアニマスからアイドルマスターに触れた身だったので、Jupiterのターンに沸いた
このとき自分でもびっくりしたのだが、別に誰が誰かわからなくても、ライブは楽しめたことだ。
もちろん、わかっている方が楽しみやすいとは思う。
だが、46人のアイドルがふわっとわかるくらいで、彼らを演じる声優さんの声と顔を予習できていなかったとしても、楽しめた。
それに、声を聞けばその人が誰を演じているのかすぐにわかった。どちらもすごいことだと今更ながら思う。
さすがに全体衣装になると誰がわたしの推しの中の人なのかは見失ったが、判別できる瞬間は「かわいい!」「がんばれ〜!」「今のめっちゃシンメ」などと口走っていたらしい。
当時のわたしのツイートが教えてくれました。

「人がいっぱいいると見失っちゃったけど楽しかった〜! ありがとう〜」
「楽しめて良かった〜!」
「ちなみに幕張、DAY2にアルテもカフェもいるんだよね」
「―――え?」

さすがに連続でライブを浴びる前に休憩を……ということで、バクステを流しながらチーズピザを食べた
なんかめちゃくちゃチーズが盛られてるでかいピザを、3人で分けたはずなのにわたしがいちばん消費した(身内で擦りまくっているチーズピザ事件)。
ぽかぽかミルクフェアしよう! って言ってたの、ふぉろわーでしたよね?

そんなこんなでDAY2を鑑賞
出演キャストは、ドラスタ、セム、カフェパレ、アルテ、レジェの5ユニット16人

(だいたいモーニング娘。の現役メンの人数……! 覚えられる気がしてきたぞ……!)

実際に覚えられたかはともかく、全体衣装になっても誰がどのアイドルのキャストか、かなり推測しやすくなった。
先に述べた通り、DAY1はアニエム新規にやさしいセトリだったこと、多分完全に初見だったTDとリバマスにうお〜!?となって終わったこともあり、アルテとカフェの(ハーフサイズは)知ってる曲楽しみ〜と呑気に構えていた
DAY1に関しては、全体を通してとんでもないものを浴びてしまったので、どのユニットが良かった、どの曲が良かったと言える余裕もなかったものと思われる。

そしてやってくるNever end「Opus」

太陽と月のように 重なり合えなくても 追いかけあう誰かに会いたくて

太陽と月概念が嫌いなオタクなんていない(主語デカ発言)

ハニーイエローを灯したペンライトを握りしめ、食い入るように見たことだけは覚えている。
この時わたしは、ふぉろわーに教えてもらった概念を獲得した。
出棺した』―――と。

最近あんまり出棺って聞かなくなったか? と思ったのはさておき。
この他、ぼんやりとしか存在を知らなかったソロ曲などであまりに楽しそうにアイドルをしている麗くんにメロメロになり、シンメ力を発揮しまくる巻咲にシンメかわいすぎるのだが!?となり、東雲荘一郎さん……とか、Legendersさん……とか言ってる間にライブは終わった。
そんなこんなで3rd幕張をしっかり楽しんだわたしに、同僚Pたちが教えてくれた。

SideMの直近の現場はプロミかな? 前のやつの円盤はまた今度見ましょう!」
「SideM単独じゃないけど、今度バンナムフェスって合同ライブもあるんですよ〜。こまつさん担当いないけど……あっ、まだ一般買える」
「へ〜! 他のアイマスの人もいるんだ、悩む〜!」

鑑賞会翌日。わたしはイープラスでバンナムフェスDAY1のチケットを買っていた
そしてその2週間後には、東京ドームにいた
スピード感がすごいとふぉろわーたちにも言われました。
あなたたちが育てたプロデューサーですよ。

FRAMEを呼べた。タケノコダンスができた。
思い出せることはそれくらいだが、わたしはSideMのパワーを現実世界で直接浴びることに成功したのだった。
ようやく推しのアイドルを担当と呼ぶことを理解し、プロデューサーとしての自我が芽生えつつあったわたしは、東京ドームからの帰り道にこう思った。

(担当いなくてこんなに楽しいなら、担当がいる現場はどうなっちゃうんだ……!?)

そう思いながら一般で勝ち取ったプロミのチケット
ほとんど最後列だったけれど、それはわたしにとって初めてのSideM単独イベントのチケットだった。
すごくすごく楽しみだった。
噂のカレーパンだけじゃなくて、なんだかよくわからないがロールのコッペパンもあるし。
イベントタイトルからしてカフェパレがフィーチャーされそうだったし。
学生最後の春だからと、たくさんイベントの予定を詰め込んだから、人生でいちばん充実した春休みになるはずだった。
そのはずだったのだ。

2020年。
未知の疫病によって、わたしの思い描いた春は来なかった。

315の日を前に無と帰したチケット、その他にもイベントやらライブやらのチケットをあわせて5枚くらい返金した。
プロミが予定されていた日には、DAY2を連番予定だった同僚Pと有名な店のカレーパンを買いに行って隅田川沿いをお散歩という、ソーシャルディスタンスに気を遣った気晴らしをした。

そうして、2020年4月。わたしは社会人になろうとしていた。

猛威を振るうウイルス
希望の見えない新社会人生活
鬱屈した気持ちで過ごす日々を支えてくれたのは、315なアイドルたちの歌声だった。

▶後編に続く・・・といいね。

後編では、コロナ禍で新社会人になったオタクが人知れず挫けそうになった時に“あの曲”によって救済された話や、初めてのSideM単独ライブ現地(声出し不可)の話など、SideMにズブズブになってからの思い出を書きたいと思っています。
マジで長くなってしまったのでわたしの友人でもろくに読まないかもしれない!
誰も読まなくても自分語り大好きなオタクとしてはかなり楽しく書いているのでそのうち書くと思います!
乞うご期待!(?)

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