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3.使い方、活用方法

ボリュームも結構あるし、なかなかとっつきにくい「観光白書」。
ここでは「観光白書」の使い方、活用方法をお届けします。
あくまでも私ならこんなふうに読んで、こんなふうに使ってみる!というひとつのアイデアであり、「政府見解」ではないことを申し添えます。

当然ですが、読み方などに「政府見解」など、ありません。
皆さんが、自由に読み解いていただき、ご自身の事業計画や自治体であれば
地域の観光政策などにお役立ていただければと思います。

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大前提として…

ニュースでも記事でも、なんでも同じだと思うのですが、この報告内容が、自分にとって「正しい」「正しくない」というジャッジから入らずに、まずは先入観無くフラットに読んでいただきたいというのが大前提にあります。
国の施策や方針は、どうしても色眼鏡をかけてみられてしまうことが、多いですが、まずはどうぞフラットに読んでみてください。


(観光白書の特徴)
「観光白書」はあらゆる統計データを使い、世界ー日本ー地域の現状を示したり、やってきたこと、やっていこうとしていることを、ありのままに書いた「読み物」です。


(おさらい:
「観光白書」とは、そもそもなんぞや?)

◎観光白書とは?

 観光立国推進基本法(平成18年)に基づいて、毎年国会に報告するもの。
 内容は、「観光の現状」、「講じた観光施策」「講じようとする観光施 策」が記載されている。毎年6月頃に世に出される。
 
 かみ砕いて言うと、「施策実施報告」と「今後の政策方針」
・我が国の観光の現状はいまこんな感じで(データで説明)、
・昨年度はこんなことをやりました、
・今後はこんなこと考えているので、こんな施策をうっていきます。
ということが、書かれています。

では、ここからは具体的な使い方、活用方法です。

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使い方、活用方法


✔︎自分の立ち位置、座標を知る。
「観光白書」を読んで、自分のやろうとしていること(事業や企画、取り組みなど)、やってきたこととの「照らし合わせ」、「違い」が何かを観察してみる。ここでも「正しい」「正しくない」のジャッジではなく、「違い」をただ見つめてみる。「観光白書」を自分を測る目印にしてみるという使い方です。
例えば、国がそのような方針を掲げているのなら、トレンドの変化、新たなニーズ、ほかの地域や会社が、そのような取り組みを進めているなら「自分、自社、地域はどうするか?」を問う、考えるきっかけにするということ。


✔︎時流を読む、つかむ。
「観光白書」には、世界ー日本ー地域の流れで大きなトレンドを記載していたり、これまで、そしてこれから予定している国の施策について書かれています。
国の施策として動いていくと、例えばインバウンド推進のように、ひとつの大きな流れができます。それを好む好まざるに関わらず。
そういう大きな流れをうまく利用して、自分の事業や取り組みの追い風とするのか、はたまた、国の施策には乗らず、あえて、民間もしくは地域の立場で新しい施策を生み出すのか。どっちが正しいということはないと思います。
要は、「観光白書」からも、ある程度の世の中の流れをつかむことができるということです。

「だから、このままでいい」
「大筋はそのままで、ここだけを変えてみよう」
「だったら、こういう方法もあるかもしれない」
「自分はこっちに方向転換しよう」
 …
 判断はいろいろだと思います。
 読むことで自分の立ち位置を、座標を知る、
 そして、また前に進む。
 そのきっかけにしてもらえたら、
 と思っています。


読む人によって、着眼点、捉え方が変わる。
それでいいし、それがこの「観光白書」の役割なのだとも思っています。
 
読んでみて感じたことをブログで綴ったり、
記事を書いてみたり。
ひとりでじっくり探究するのも良し、チームや地域の仲間と一緒に読み解いてディスカッションするのも良し。学生なら研究に使ってみるのもおもしろい。発信したり、誰かと意見を交わすことで、また新しい発見や気づきがあると思います。

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いかがでしょうか?

こんなふうに「観光白書」を読む人が増えていくと、観光政策への理解が深まり、「共通言語」を持つことへつながる。そして、それは観光政策を後押しする、その効果を高める大きな原動力になっていくとわたしは思っています。


 みなさんが、それぞれのフィルターを通して、それぞれの解釈で、アクションを起こしてもらえることを期待していますし、それが、様々な形で出てくると、もっともっと観光はおもしろくなる…!と思います。


「観光白書」トリセツ: 目次