雪の朝、故郷を思う。
週明けの昨日。東京をはじめ関東平地では、びっくりするほどの雪が降りました。
東京の都心で積雪が20センチを超えたのは、4年前の平成26年2月以来とのこと。
あの時は確か、あっという間に雪が溶けてしまったけれど、これだけ降るとしばらくは残っているかも。子供と雪遊びをするには充分過ぎるくらいの雪。ひぃひぃ言いながら保育園に息子を迎えに行った帰り道。案の定、近所の公園にはたくさんの人たちがいて雪遊びを楽しんでいました。息子もこんな具合に大はしゃぎ。
明日はバスも地下鉄も混むかなぁと思い、いつもより少し早起きした今朝。カーテンを開けるとなんだか眩しい、まだ夜明け前なのに。見渡すと目の前は一夜にして白銀の世界に…。凛とした空気、抜けるような青空。私はベランダで白い息を吐きながら故郷・北海道の朝を思い出していました。
私の故郷は北海道の東側にある釧路(くしろ)という港町。釧路湿原や漁業が盛んなことで有名です。また、炉端発祥の地とも言われていて、最近では観光の力で地域を盛り上げようと色々な取り組みがされています。特に市の中心部にある幣舞橋(ぬさまいばし)から見る夕陽はとても美しくて、私も大好きな場所のひとつ。世界中を旅する船乗りたちは、釧路の夕景を見て口々に言ったといいます。
「この港の夕日は、世界でも屈指の美しさだ」と。やがてこの言葉は世界に伝わり、釧路港の夕景はインドネシアのバリ島、フィリピンのマニラ湾と並んで「世界三大夕日」と呼ばれています。
▲写真は幣舞橋と夕陽。
「釧路・阿寒湖観光公式サイト」より
http://ja.kushiro-lakeakan.com/overview/298/
そんな釧路は北海道にありながら、実はあまり雪が降りません。地元の友達に聞くと、今日現在も積雪が殆ど無く、むしろ東京の方が積もっているくらいだよと聞かされました。地元ではよく「しばれる」と言って空気が凍るような感覚。冬は気温がマイナス20度くらいにまで下がります。学校の冬の授業はスケートでした。グラウンドにリンクをつくって滑ります。釧路は雪よりも氷のイメージが強い町なんです。
なので、子供の頃は雪がたくさん降るとやっぱりとても嬉しかった。ピンク色の空からどんどん降り注ぐ雪と遠くから聴こえてくる霧笛の音、雪の匂いと温もり。そう、じつは雪が降るとほんのり温かいのです。不思議だけれど。
今朝はそんな子供の頃のわくわく感と北海道の凛と清々しい冬の空気を思い出して、ちょっぴり嬉しい朝なのでした。