2.読み方のコツ
ボリュームも結構あるし、なかなかとっつきにくい「観光白書」。
ここでは「観光白書」の読み方のコツをお届けします。あくまでも私ならこんなふうに読む!というひとつのアイデアであり、「政府見解」ではないことを申し添えます。
当然ですが、読み方に「政府見解」などありません。皆さんが、自由に読み解いていただき、ご自身の事業計画や自治体であれば地域の観光政策などにお役立ていただければと思います。
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大前提として…
ニュースでも記事でも、なんでも同じだと思うのですが、この報告内容が、自分にとって「正しい」「正しくない」というジャッジから入らずに、まずは先入観無くフラットに読んでいただきたいというのが大前提にあります。
国の施策や方針は、どうしても色眼鏡をかけてみられてしまうことが、多いですが、まずはどうぞフラットに読んでみてください。
そのうえで、以下読み方のコツについて、おはなししていきます。
(観光白書の特徴)
「観光白書」は、あらゆる統計データを使い、世界ー日本ー地域の現状を示したり、やってきたこと、やっていこうとしていることを、ありのままに書いた「読み物」です。
(おさらい:
「観光白書」とは、そもそもなんぞや?)
◎観光白書とは?
観光立国推進基本法(平成18年)に基づいて、毎年国会に報告するもの。
内容は、「観光の現状」、「講じた観光施策」「講じようとする観光施 策」が記載されている。毎年6月頃に世に出される。
かみ砕いて言うと、
「施策実施報告」と「今後の政策方針」
・我が国の観光の現状はいまこんな感じで(データで説明)、
・昨年度はこんなことをやりました、
・今後はこんなこと考えていて、こんな施策をうっていきます。
ということが、書かれています。
構成は毎年同じで、4部構成。
「1.現状」、「2.トピックス」、「3.昨年度講じた施策」、「4.今年度講じる施策」。
「2」は雑誌でいうところの巻頭ページのようなもの。
(以下、参考)
【令和2年版 概要】(※2020.6.16_閣議決定)
•第 I 部 観光の動向
•第 II 部 新型コロナウイルス感染症への対応と観光による再びの地方創生に向けて
•第 III 部 令和元年度に講じた施策
•第 IV 部 令和2年度に講じようとする施策
【令和元年版 概要】(※2019.6.21_閣議決定)
•第 I 部 観光の動向
•第 II 部 すそ野が拡がる観光の経済効果
※観光の経済効果に関するテーマ分析として、
―地方を訪れる外国人旅行者や地方での旅行消費が増加
―宿泊業の雇用・賃金・生産性が伸び
―観光客による混雑等の課題に対する各地域の取組の紹介
•第 III 部 平成30年度に講じた施策
•第 IV 部 令和元年度に講じようとする施策
読み方のコツ
上記で、「観光白書」の特徴や構成をつかんでいただいたので、早速読んでいきましょう。
でも、ここで要注意!!!
いきなり本文から読み進めるとくじけます、
途中で気を失います。
かなりのボリュームがありますので…。
なので、こんな読み方をおすすめします。
1.興味のあるところから、読み進めてみる。
基本、どこから読んでも大丈夫です。
例えば、いまならみなさん、ポストコロナの政府の対応、気になりますよね?
であれば、今年度はやはり「第Ⅱ部」→「第Ⅳ部」と読んでいくと、コロナによる観光現場の現状と、それに対する政府の対応方針が把握できると思います。
2.世界〜地域まで、大きく全体のトレンドをつかむ。
第Ⅰ部の構成は、世界-日本-地域のながれでトレンドを記載しています。まずは大きく、ざっくりと世界や日本全体のトレンドを掴んでみたい方は「第Ⅰ部」から。
3.気になったコラムから読んでみる。
現状のうち特筆すべき事柄、その年だけの特別な事柄をピックアップしているのが各章に散りばめられたコラムです。
例えば、
・その年だけの特別なもの…G20観光大臣会合、 RWC2019日本大会
・新しいトピックス…ワーケーション
・地域事例…四国直島、北海道鶴居村など
・テーマ事例…富裕層、スノーリゾート
…といった具合に、基本的に「成功事例」や前向きなものがコラムで取り上げられていることが多い印象があります(失敗事例も、むしろすごく大事だと思いますが、そういった事例は探すのも、載せるのも難しいですね…)。
読み物としても、おもしろいものが多いのがコラムの特徴です。例えば、富裕層をターゲットとしたビジネスをされている方でしたら、そこから読んでみるのもおすすめです。
また、地域事例のコラムを読んだなら、近隣、似たような地域、ベンチマークしてる地域では何をやってるか?など、深堀していくのもおもしろいと思います。
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着目点は、読む人によって様々。
ぜひ、いろんな切り口から「観光白書」を
読んでみてください。
「観光白書」トリセツ:目次